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【大暴露】元教師が小学校の成績表のつけかた教えるよ

マシューです。

現在はフィリピン留学のエージェントをしていますが、以前は小学校教員でした。

今回は成績表に書かれている子どもの様子。所謂、所見欄はどう書かれているのか紹介します。(あくまで私の体験ですが、多くの教員が同じような感じで書いているはず)

成績表に書かれている所見とは

「所見ってなんだろう。」

と思う人も当然いますよね。

所見とは学校での学習や生活の様子を文章で表してるやつです。

と書くと、納得される方も多いのではないでしょうか。

でも、実は学校によって所見の書式が異なります。

同じ自治体であっても隣の学校と記載項目が異なるというのもよくある話です。

よくあるんですが、普通は別の学校に住む人と成績表の中の突っ込んだ話をしていないから表に出てこないだけで、本当によくあります。

最近は出欠席を載せない学校も増えてきました。

理由は後述します。

今回は
・学習面
・生活面
・出欠席(おまけ)

の項目に分けて簡単に説明していきます。

ちなみに所見を書く際の大原則が1つあります。

それは子どものマイナス面を書かないということです。

ぼくなんか小学校の成績表に「馬の耳に念仏ですね」と書かれていましたが、今の時代そんな言葉を書いたら確実にクレームが飛んでくるので書きたくても書けません。

なので、成績表にいいことばかりが並んでいても言葉の裏を読むことが必要になってきます。

これについては後述します。

所見に記載される「学習面」

まずは学習面からです。

前回の記事

では、成績表(A・B・C)がどのようにつけられるのかを説明しましたが、このA・B・Cの成績が学習面の所見を書くときに重要になります。

基本的には出来るようになったことを書き、書くことがパッと思いつかない子に対してはがんばったと思われることを書きます。

子どもが本当にがんばったかどうかは教師の側ではわからないので授業中に行なったことを書きます。

基本、授業で行なうことはすべてがんばってやっているということにされます。

ぼくが書くのが簡単だと思うのは、Cが付いている子です。

なぜCになったのかという理由と、今後の対策を書きます。

算数の考え方にCがついている子に対しては

「算数の計算は得意なのですがはじめての問題に出会ったときに今までの学習で学んだことを使って解答を考えることが難しいようでした。後期の算数の時間には考えている時間に問いかけるなど今までより寄り添って学習を進めていきます。」

作文が苦手でCがついている子には

「自分1人で文章を書き進めることが難しい場面が度々見られましたので、各時間に何を考えているのか質問して返ってきた言葉を文章に表すよう支援しました。」

などなど。

〇〇ができなかった

で終わらせるのではなく、出来なかったから今度どんな手を打つのか。苦手だったからどんな支援をしたのか。を書くようにします。

じゃないと

「なんでうちの子がCなんだ。」

「お前(教師)はCが付くような指導をしているのか!」

とお叱りを受けます。

ここまで読んでなんとなく察している人もいるかもしれませんが子どもの為ではなく、親の為に書いてます。それもクレームの来ないよう文章を考えて。

Aが付いている子にはどんな分野が突出していたのかを具体的に書きます。

図工の〇〇では△△を表現するために××の工夫をしました。

みたいな感じです。

それほど時間はかかりません。

所見に記載される「生活面」

次に生活面です。

この生活面のことを書くのは非常に難しいです。

ただ単に書くだけならば簡単ですが、成績表を書き慣れていない教師にとっては言葉のチョイスが問題になってきます。

20~30年前なら許されたであろう文言は使えません。

例えば、

友達に対しての口の利き方がとても悪い子がクラスにいたとして

友達に対しての口の利き方がとても悪かったので注意しました。

なんて書いたら同僚もしくは管理職に書き直しをさせられます。

でも口の利き方がとても悪い。それを指摘するにはどうしたらいいか。

友達と仲よくしたいけれども自分の気持ちをうまく伝えられない場面が見られたので優しく話しかけてみてはどうかとアドバイスしました。

こんな感じです。

他にも、

授業中に自分のことばかり話し授業妨害しているので叱りました

と書くと書き直しを命じられるので

元気がよく沢山発言してくれます。しかし、自分の気持ちが高まり言いたいことを我慢できない様子が見られることがあったのでその都度指導しました。

のようにできるだけ柔らかい感じに書き換えます。

こんなのはほんの一例です。

クラスに1人くらい目立たない感じの子がいたりしますよね。

その子のことを、おとなしいとか、あまり喋らないとか、社交性がないとか、書いてはいけません。書いてもいいんですがぼくみたいにやり直しになります。

そういう時の便利な言葉として

控えめ

というのがあります。

なので、所見欄に控えめと書かれていたら、先生困ってるんだなと思ってあげてください(笑)

生活面も学習面と同じでプラスでないことを書きっぱなしにしておくと、

「この担任うちの子に対して何もしてないんじゃないか。」

と電話などで厳しいご意見を貰ってしまうかもしれないので、ちゃんとフォローも書かないといけません。

とにかく言い回しが大変なんです。

所見に悩む先生の味方はamazonにあり!

ほんと、保護者の方が思っている以上に学校の先生たちは頭を悩ませています。

だからこそ、そこに目を付けて商売にする人たちがいるんですよ。

ウソのように思うかもしれませんが、amazonでは実際にこんな本が売られています。


若い先生であるほど、成績を付ける時期の職員室の机の上にこれらの本があります。若い先生だけでなくベテランと言われる先生の机にもチラホラあります。

はっきり言いましょう。

本から文章を引っ張ってきてる成績表に本当のことは書かれていません。

本を使っていなくても書いてあることの30%くらいを真に受けてもらえればいいんじゃないかなと思います。

理由は

「成績表は家庭で残るものだから」

です。

残るものに負の面などを書けないという理屈です。

多くの学校では学習面と生活面の所見合わせて200~300字ちょっとで書き表さなければいけません。

何も伝わりませんよね。

個人的には学期の終わりに保護者面談を開いて、直接保護者に一年間の様子を伝えるという形にしたほうが教師側が伝えたいことやニュアンス含めて伝わると思うんですよね。

所見自体、土日を潰して書いている先生も多いのですが、早い先生だと2か月前から準備してます(笑)

書いたら同僚チェック→管理職チェック→戻ってきたものを打ち直して同僚チェック→管理職チェック→印刷という工程です。

働き方改革が叫ばれているのに時間の無駄。

そしてチェックもパラパラみて終わりではなく、文章表記「たり~たり」や成績表に使っていい漢字などが細かくみられます。(×子供〇子ども など)

おまけ 出欠席について

最後に出欠席についてです。

多くの学校では成績表を渡す1~2日前に印刷をします。

事前に欠席連絡がある場合はいいのですが、最終日などに遅刻されたり休まれたりすると当然成績表の出欠席欄が変わるので印刷し直しになります。

印刷し直し程度ならまだいいのですが、学校によっては成績表の台紙に両面テープで成績表を貼っている学校もあります。

その場合は最悪です。

しっかりと台紙に貼っているのにそーっと剥がさなければいけません。たいていの場合、台紙にしわができます。

一応、出欠席欄に訂正印を押してボールペンで書き直すというワザもありますが、残るものの見栄えが良くないのであまり採用されません。

なので、出欠席欄はなくていいと思うんですよね。

ぼくの意見としては学校をどのくらい休んだのかは家庭で把握して欲しいということです。

おそらく、どの家庭もあまり見ていない欄だと思います。

ちなみに出欠席のチェックも毎日の健康観察表とパソコンの画面を自分と他の教師のダブルチェックで1人1人目視確認するという作業をしていることを付け加えておきます。

まとめ 小学校成績の所見

以上が簡単にまとめた成績賞所見欄の書かれ方です。

とりあえず元教員から言えるのは成績表は結構アテにならないということです。

書かれていること半分~3割くらいで読むとちょうどいいと思います。

以上です。

読んでくださってありがとうございました。(スキがあると喜びます)

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