記事一覧
映画『桜のような僕の恋人』を観て
「彼女はキレイだった」の中島健人と、「恋は雨上がりのように」の松本穂香の主演作品。原作は、宇山佳佑。
主人公・はるとは、無料クーポン券に釣られて入った美容室で、みさきと出会い、彼女のお客さま第一号となった。
毎月カットでご指名しては高鳴る胸。やっとの思いでデートに誘おうと振り向いた瞬間、はるとの耳にみはるのはさみが!
この耳の大出血事件がきっかけで、ふたりは満開の桜の元で初デートすることとなる。
映画『ドライブ・マイ・カー』
短編小説『ドライブ・マイ・カー』をベースとして、あれこれふくらませて作られた長編映画。
主演は西島秀俊。ほかに、三浦透子、霧島れいからが共演する。
脚本家の妻を突然亡くした舞台俳優の家福。
二年経っても、妻の死を消化しきれずにいる彼は、演出を任された演劇祭に愛車で向かった広島で、専属ドライバーの渡利みさきに出会った。
寡黙な彼女が滑らかに運転する愛車での時間の中で、家福は、今まで鬱々としながらも
短編小説『ドライブ・マイ・カー』
短編集『女のいない男たち』を意識して、一作目に書かれた短編小説。
つまり、いろんな事情で女性に去られてしまった男たち、あるいは去られようとしている男たちの話のヒトツということだ。
主人公は、車にも運転にも運転士にも、一家言ある中堅俳優・家福。いつもは自分で運転していたが、事情があって運転士が必要となった。
緊張感の伝わってくる女性の運転が苦手な家福だったが、こだわりのある彼にすら、シフトチェ
村上春樹『騎士団長殺し』
久方ぶりの村上春樹の長編は、とにかく読み易くて、いつの間にか摩訶不思議な村上ワールドに引き込まれてしまっていたようだ。
主人公は、妻との別居を機に彷徨い、親友の父の留守宅に暫く暮らすことになった36歳の肖像画家。
そこは、巨匠と言われる画家・雨田具
彦が、晩年絵を描くことに没頭して過ごした、海に臨む薄暗い森の山荘である。
ある日、上のほうから聞こえてくる物音が気になって、屋根裏を覗きにいった主
清水真砂子さんオススメの『まぼろしの小さい犬』を読んで
ロンドンで7人家族で暮らすベンの夢は犬を飼うこと。おじいさんとの約束で、誕生日に犬をもらうことを楽しみにしていましたが、その日に届いたのは、本物の犬ではなくて刺繍の絵の犬でした。失望したベンは、やがて想像の中で、刺繍にあったような小さな犬を飼い始めます。いつだって目を閉じれば、チキチトと名付けられた小さくて勇敢な茶色い犬が姿を表します。その機敏な動きが誇らしく、ベンは夢中になっていきました。
そ
清水真砂子さんオススメの『秘密の花園』を読んで
『小公子』『小公女』の作者、フランシス・ホジソン・バーネットによって書かれた童話です。
子どもの頃、この本を読んだときには、百ぐらい部屋のある古いお屋敷や、そこで隠されて暮らしている癇癪もちの少年、誰も知らない秘密の花園、小鳥や動物と話をする天使のような男の子等の謎めいた魅力に引き込まれ、時を忘れて読みふけったことを覚えています。
成長するにつれ、話の内容はおぼろげになってしまいましたが、とにかく