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馬の本

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自分が読んだ馬の本について書いた記事
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#馬

魔性の馬

魔性の馬

タイトルに惹かれて、図書館でジョセフィン・テイ著の『魔性の馬』という本を借りて読んだ。

本は新しく、中表紙も秀逸。

が、著者は1896-1952年を生きた方で、したがって、話の設定も時代を感じるが、なかなか面白かった。殺人が絡むミステリーだが、警部や探偵といった人は出てこないし、これまでに読んだどのミステリーとも違うと感じた。何より、馬が出てきて、いきいきと描かれているのが良い。

馬が出てく

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幽霊か、はたまた..

幽霊か、はたまた..

何かが見えている?

ここしばらくいつもの屋内馬場で愛馬に乗っていると、出入口付近でやたらと愛馬が何かを気にする素振りを見せていた。時には激しく首を振り、時には両前脚を上げて「ここ、やだ!」と主張している感じ。横に(出入口から離れる方向に)逃げることもあったし、ひどいときは乗っていて体が震えているのを感じた。明らかに怯えている。何かが見えているのかと思って、私の顔を出入口に向けてみるのだが、驚くよ

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義足の馬

義足の馬

節分の先取りのようなこの一枚は、よくランチにお邪魔する浦河の「ごはんカフェ蓮」の入口。力強い福は内!の字に元気をもらった。浦河は今日も暖かく、1月という感じが全くしない。

昔は誰もがテレビを観ていて、共通の話題を提供してくれた。今や皆インスタやらXやら同じチャネルをスマホで見ているものの、流れているものが人それぞれ異なり、もちろんシェアしあったりするわけだが、意外と同じものをみていなかったりする

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字を見て再会気分

字を見て再会気分

仕事をしながら見える牧場の馬たちが馬着を着るようになり、色とりどりで、色あせる牧草の上がちょっとにぎやかな感じになった。

週末に図書館で本を見ていたら、『日高うま物語』という冊子をみつけた。コンパクトに馬産地浦河周辺の今日に至るまでの歴史が紹介されていて、興味深かった。驚いたのは、ニシンなどを運ぶためにかつて、北海道では馬はなくてはならない存在だったが、当時と比べてそうした在来馬(道産子などの和

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馬上の星

馬上の星

今日も安定のマイナス二桁で朝を迎えた浦河。朝、乗馬に向かうとき、木々がまるで花が咲いたようにきれいだった。

久々の読書

昨年は2月から12月までほとんどの土日を使って仕事をしていたので、本を読む時間が取れなかった。久々に図書館に行き、馬という字に引かれて手に取った本が、下の『馬上の星』。表紙も素敵。

中国の馬援という人の話だ。なかなか見どころのある、というか、他になかなかいない感じのユニーク

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ダービー嬉し

ダービー嬉し

馬券的には全くダメだったのに、昨日のダービーはなんとも明るい気持ちにさせてくれた。ルメール騎手が勝っても福永騎手だろうが誰だろうが、年齢がここまで取りざたされることなんてないのに、武豊騎手の前に枕詞のように「53歳の」とつけられている。そしてそれが多くの人に様々な意味を持って琴線に触れたのではないだろうか。

しかもレコードタイムで勝つなんて、すごいと思って一夜明けた今日、いろいろなサイトで記事を

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黄金旅程

黄金旅程

自宅でこんな景色を見ながら、「浦河の町は粒子の細かい霧に覆われていた。」で始まる馳星周の『黄金旅程』を読んだ。まるで読んでいる文章(いわば脳内に描かれる仮想現実)と目の前のリアルな現実が組み合わさったAugmented reality(ポケモンGOで一躍有名になった拡張現実)のようではないか。一文目から引き込まれて一気に読んだ。

作品中に出てくるお店も実名だったり、少し違うけど、あそこだとすぐに

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馬栓棒

馬栓棒

乗馬や厩舎に馴染みがあれば、馬栓棒(ませんぼう)は馬房から馬が勝手に出てこないように通せんぼのように出口を塞ぐ棒のことだと知っていると思う。最初聞いたとき、何?って思った。聞きなれない単語だった。

最近は馬房の出入口はドアが多いように思う。愛馬の馬房も今はドアだ。愛馬はかつては乗馬クラブの馬房でほとんどの時間を過ごしていて、いつもヘイキューブの破片とかを探して、土の上で口をもごもご動かしていた。

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あかり野牧場

あかり野牧場

子馬の成長は早い。馬服が大きくて子馬の小ささが際立つ感じだったのにもうピッタリフィット。中学の入学式での制服が、どんどんぶかぶか感がなくなって行くのを早回しで見ているようだ。

今日も浦河は雪が降り、また真っ白。水分が多い重たい雪で寒くない。暴風雪警報が出ていたけれど、風はそこまででもなかった。隣の隣の町である襟裳岬では記録的な風が吹いたらしい。

図書館でたまたま見つけた『あかり野牧場』が面白か

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馬連

馬連

今日も雪

重たい雪が降った。午前中は結構降って、午後からは晴れ。上の写真は乗馬から帰るときに見かけた馬の親子。馬は本来、草を食べながら草原を1日に20kmも移動したりするので、仔馬が母馬を見失ったら死を意味することになりかねず、だからピッタリとくっついているのだとか。

フェブラリーステークス

今日は今年最初のGIレース。浦河産の馬が2頭(インティとテオレーマ)出走したので、馬券を買って応援し

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冬の怖い話

冬の怖い話

プチ抵抗今日は気温が低いのだが、陽射しが暖かい。寒い日は集牧されるのを出入口で待っているのに、今日は集牧とわかるや否や、わざと遠く(私の目の前)へやってきて出入口の様子を見ていた。上がその時の写真。集牧? いやよ、まだ外にいたい、だけどこんなことして大丈夫かしら? とでも言うように牧場スタッフの人(厩舎に戻るよーと音を鳴らしていた)を気にしながらも抵抗。1頭はこっそりこの隙にさらに遠くへ行こうとし

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ふゆのうま

ふゆのうま

手島圭三郎の絵本の中に、馬のものを見つけた!

架空の馬ではあるが、北海道に冬をもたらす馬、冬の馬。

日本全国、危険な暑さだ。ここに今来てくれないかなぁ。

帰厩

帰厩

今日は雨だ。隣の牧場の馬たちは終日厩舎の中だった。愛馬は雨の中、放牧されていた。いつもと違う時間に乗って、真っ暗の中を一緒に歩いて、厩舎に戻す(最近、夜は放牧せずに厩舎で過ごしている)と、飼葉に一目散。夢中で食べていた。

他の馬は雨でも昼夜放牧しているので、厩舎はがらんとしていた。厩舎の電気を消して、また明日ね、と声をかけてから帰って来た。広い厩舎に1頭だけ。それでも馬房に帰ると安心するのかな。

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シベリアの馬 ジャンパー

シベリアの馬 ジャンパー

普段の仕事に加えて、断ればいいのに引き受けた翻訳に苦しんでいる時に限って、図書館で借りて来た本が気になる。しばらく積んであったのに、無性に読みたくなる。

一度読んで、すごく良かったので、いつかまた読もうとずっと思っていて、先々週くらいに図書館で借りてきた『シベリアの馬 ジャンパー』だ。

馬の視点『吾輩は猫である』は猫の視点で書いた小説として世界的に有名だと思うが、馬の視点で書かれたと言えば『黒

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