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冬の怖い話

プチ抵抗

今日は気温が低いのだが、陽射しが暖かい。寒い日は集牧されるのを出入口で待っているのに、今日は集牧とわかるや否や、わざと遠く(私の目の前)へやってきて出入口の様子を見ていた。上がその時の写真。集牧? いやよ、まだ外にいたい、だけどこんなことして大丈夫かしら? とでも言うように牧場スタッフの人(厩舎に戻るよーと音を鳴らしていた)を気にしながらも抵抗。1頭はこっそりこの隙にさらに遠くへ行こうとしている。

どうなるのかな、と思って見ていたら、スタッフの方はなんと、厩舎の戸を閉めて、本日終了のサイン。姿を消してしまい、馬たちが不安になって出入口に来るまで、どこかに隠れていたようだ。駄々っ子をうまくあしらう親みたい。そしてスタッフの方の読み通り、不安に耐えられず馬たちは出入口へ降りて行き、は〜っとため息をついたかどうかは知らないが、おとなしく厩舎へ入って行った。

冬の怖い話

こんなのどかな話ばかりなら良いのだが、今日は最近聞いた怖い話を紹介。

寒い日の夕方にいつものように帰宅し、ドアに鍵をさして回そうとしたら、鍵の摘んでいる部分だけがポキッと折れてしまったそうだ。結局、業者を呼んで、ドアの隙間に器具を挿入して切断したそうなのだが(鍵の交換とかは後日対応)、寒い中、携帯で業者を検索、電話して呼んで来てもらうまでには時間もかかるし、寒いし、暗いし、車の中で待ったとしても、不安だったと思う。

金属も寒さにやられてしまうのか、屋外に駐車するトラクターの鍵でも起こるとのこと(いま普通の車の鍵は物理的に挿さないから、大丈夫なのかな)。一人で暮らしている私は、その状況に自分が遭遇したらどうしようと、青ざめた次第。

『ハティのはてしない空』

この話を聞いて思い出した本がある。『ハティのはてしない空』だ。表紙に馬が描かれていたので読んだ本で、アメリカの開拓時代の話で、半ば実話。広大な土地を1年以内にきちんと柵で囲うことができたら、ほぼ無償で自分の土地となるというスキーム(このスキームが実在したもの)に16歳の少女が1人で挑むという話。最初に家というか小屋に到着した季節が冬で、金属に素手で触ったら取れなくなるという怖い話から始まったと記憶している。

が、その後、冬が終わって、物語は隣人との助け合いがあったり、力仕事に奮闘したり、下の紹介文にもあるように、心温まる物語で、非常に興味深く読んだ。

東京では冬をことさら意識することなく生活できてしまうけど、浦河のように雪が少なくて、太陽が照るところでも、北国の冬は他の季節とは全く異なる日々の営みで、注意も準備もしていても思わぬことが起こるんだなぁと感じている。


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