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黄金旅程

自宅でこんな景色を見ながら、「浦河の町は粒子の細かい霧に覆われていた。」で始まる馳星周の『黄金旅程』を読んだ。まるで読んでいる文章(いわば脳内に描かれる仮想現実)と目の前のリアルな現実が組み合わさったAugmented reality(ポケモンGOで一躍有名になった拡張現実)のようではないか。一文目から引き込まれて一気に読んだ。

サンルームの向かいの牧場の馬たち

作品中に出てくるお店も実名だったり、少し違うけど、あそこだとすぐにわかるし、地名もそのままなので、運転している描写でも距離感まで伝わってくる。今自分が住んでいるこの町でまさに進行中の話のように感じた。

ステイゴールドの本、実はずいぶん前にもう1冊読んでいた。『ステイゴールド永遠の黄金』という本で、乗馬を始めた頃で、馬について知りたいと思って読んだ本。この本もすごく良かったと記憶しているが、いかんせん、競馬に関する知識も何もなく読んだので、ぜひ再読したい。今なら、もう少し深く内容が理解できるのではないかと思う。

ステイゴールドが走る姿も改めてネットで調べて映像を確認した。

事実は小説より奇なりと言うけれど、ステイゴールドの馬生がそんな感じで、そこに触れた人が書かずにいられなかった作品なのではないかと思う。

Stay Gold

俳優のマット・ディロンが大好きで「アウトサイダー」という映画も大好き。その主題歌がスティービー・ワンダーが歌う「Stay Gold」という歌で、この歌がすごくいいんです。歌詞がすごくいい。歌詞を覚えたくて、ウォークマン(? デバイスがなんだったかよく覚えていない。iRiverだったかも)を初めて電車の中で使った。雑踏の、知らない人と行き交う中で、この音楽に酔いしれながら、この音楽が他の人には聞こえてないんだ、ということがとても不思議かつ新鮮な感覚だったことをなぜか昨日のことのように覚えている。

この歌が名馬ステイゴールドの名前の由来だったとは知らなかった。今もそらで歌えるこの歌の歌詞にステイゴールドの足跡を重ね合わせながら、ステイゴールドがいなければ、私の大好きなオジュウチョウサンもこの世に生まれていないわけで、なんだか勝手に様々自分と結びつけて感動に浸ったのだった。

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