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字を見て再会気分

仕事をしながら見える牧場の馬たちが馬着を着るようになり、色とりどりで、色あせる牧草の上がちょっとにぎやかな感じになった。

週末に図書館で本を見ていたら、『日高うま物語』という冊子をみつけた。コンパクトに馬産地浦河周辺の今日に至るまでの歴史が紹介されていて、興味深かった。驚いたのは、ニシンなどを運ぶためにかつて、北海道では馬はなくてはならない存在だったが、当時と比べてそうした在来馬(道産子などの和種)は今は2%にまで激減したと書いてあったところだ。人間の今の人口は世界で約97億人とすると、その2%は9700万人。世界に人間がこれだけ減ったらどうなっちゃうのだろうとしばし考えてしまった。浦河の今の人口で考えたら、1万人が200人。

この冊子の裏表紙を開いたとき、そこに書かれていた「作字」担当の名前が私が良く行くカフェのオーナーで、少し前に病気をして大きな手術をしてお店を今休んでいる方だった。学生時代に黒板に書かれた先生の字に魅了されて看板屋さんになったのだけど、看板の需要が減って、カフェを開いたと話してくれた(今も依頼があれば看板の仕事もしている)。味のある字だなぁと、表紙に戻って、「お元気ですか?」と心の中で語りかけてみた。療養中なので、連絡を控えているが、そろそろまた連絡してみようかな。(余談だが、彼女の苗字には馬がはいっているんです。馬には乗らないけど)

馬コーナーを見ていたので、次に出会った本は絵本『画用紙の中のぼくの馬』だ。写真を撮り忘れてしまったが、表紙のこのちょっと見えている馬の絵がなんとも言えずいいなぁと思って見ていて、視線は止まり、ちょっと瞠目する。

訳しているのが旧友だったからだ。ずっと年賀状でつながっていたけど、年賀状を送らなくなって、音信不通になっている。元気かなぁ。

物語の展開が、今風というか、想像できなくて、楽しく読ませてもらった。読み終えて本棚に戻すと、見たことのない馬の本があるなと、次に手に取った絵本がこれまた彼女の翻訳だった。

海辺の砂で作られた馬が夜、白波の立つ海の波に引き込まれるようにして、海に旅立ち、他の馬たち(白波)と自由に動けるといった、躍動感のある話で、砂の馬が波にのまれて崩れてしまう、悲しいと思えなくもないシーンが、なんかわくわく、手足が急に自由に動かせるようになった爽快な気分を味わった。訳者の言葉選びがさりげなく効いていると思う。すてきな文章だった。

図書館に行くたびに、必ず覗いていた馬コーナーなのだが、最近、馬が登場したり、タイトルに馬が含まれている絵本もこのコーナーに集約されたようだ。

おまけ

数日前の愛馬の様子。放牧地の入口付近は霜がおりては日中とけてを繰り返すので、田んぼのようになっている。

必ず通らなければならない田んぼ地帯
青草は消えつつあり、干し草を食む愛馬

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