「ぴえん」と「ビジネス」
あなたは「流行語」って毎年毎年何で誕生すると思いますか?
昔から意思伝達として用いられて存在する言葉に毎年流行があるなんて考えると何だか変に感じませんか?
例えばティッシュって昔からありますよね。何でティッシュが未だにあるのかと言うと実用的だからですよね。ティッシュがない生活なんて想像すらしたことがありません。
言葉もそれと同じで、意思伝達のために作られた実用的なもののはずなのに、ゲームや服や音楽の娯楽コンテンツと同じように毎年流行がありますよね。
こうやって考えるとなんだか流行語が誕生することに不思議だと思いませんか?
しかしこれって考えてみるとビジネスにめちゃくちゃ通ずるところがあって、言葉ってめちゃくちゃ面白いんです。
心理学歴10年、まひろです。
僕の記事では心理学を10年間勉強することによってわかった、人間の本質的な行動原理である「自然の法則」を元にビジネスメソッドの発信をしています。
例えば去年なら「タピる」という言葉が流行りましたよね。
「タピる」という言葉は2018年ぐらいから流行った「タピオカ」をもとに作られた言葉で今まで辞書にはなかった造語でした。
これは2018年に日本に大々的にタピオカが進出してきて流行ったので「タピる」という言葉ができたとしてもわかりますよね。(例えば英語では「googleで検索する」という動詞を「google」と書きます。日本でも同じように「googleで検索する」を「ググる」と言いますよね。「タピる」もそれと同じように造語のテンプレに当てはまりますから、まあわかるっちゃわかりますよね。)
では「ぴえん」ってなんじゃいって話ですよ。意味合いとしては「悲しい」や「泣きそう」として使われているのですが。
じゃあ「悲しい」とか「泣きそう」で良くない?って思いません?
他にも「激おこぷんぷん丸」や「mk5(マジでキレる5秒前)」などの流行語も過去にありました。
じゃあ「ムカつく」「キレそう」「ふざけんな」とかで良くない?って思いません?
これらの流行語は何かの言葉を略したわけでもなければ、元々の言葉よりも実用的になったというわけでもありません。
ただただ他のもの由来に感情を表現した言葉というだけです。本当に何が面白いのか不思議ですよね。
しかし、心理学を勉強してきた僕はここにこそ人間という生き物の面白い生態があると思っています。
さっき僕が読者の皆様に問いかけた疑問を覚えられていますか?
では「ぴえん」ってなんじゃいって話ですよ。意味合いとしては「悲しい」や「泣きそう」として使われているのですが。じゃあ「悲しい」とか「泣きそう」で良くない?って思いません?
他にも「激おこぷんぷん丸」や「mk5(マジでキレる5秒前)」などの流行語も過去にありました。じゃあ「ムカつく」「キレそう」「ふざけんな」とかで良くない?って思いません?
こんな質問を不意に読者の皆様に問いかけてみました。
でも実際にこうして今でも「ぴえん」という言葉は若者の中で流行っていています。
ということは「悲しい」や「泣きそう」という言葉にはない「ぴえん」を若者が使う理由は必ず存在するはずです。
「ぴえん」には何かしらの人を惹きつける力があるに違いありません。
ではそれの理由は何なのか。今回も心理学を元に分析してみました。
その理由は2つあります。それがこれ。
1つ目
何となく理解できるから
これは結構ありますよね。「ぴえん」も「激おこぷんぷん丸」も何となく文字を見ただけで意味がわかるような気がするようなしないような感じがしませんか?
その感覚は結構重要でこれは人間が面白いと感じるいわゆる「お笑いの心理学」というものが使えます。
人は何に面白いと感じるのかと言うと「(許容できる範囲で)意外なもの」です。
例えば
「a→b→?」
とくれば大抵の人は「?=c」と考えますよね。しかしユーモアがあるとは「意外なもの」ですから
「a→b→?」
「はい次お前の番な」
「ん?あー海やろ海。めっちゃ簡単やん」
「いやなんで海やねん。普通cやろ。」
「やっぱ俺あってるやん。seaやろ?」
このボケは大体の人が理解できますよね。そもそもユーモアは理解されないと面白いと感じられないので、何となく理解できるぐらいのユーモアを人は面白いと感じます。
そしてその上で必要なのが「(許容できる範囲で)意外なもの」です。
ということで「ぴえん」や「激おこぷんぷん丸」も何となく理解できるけど「言葉のインパクトという意外性」がありますよね。
2つ目
フレッシュさ
これが今日の本題です。
誰しもが何かに「飽きる」や「慣れる」という体験をしたことがあると思います。実は言葉にもそれがあるんです。
しかしそれに比べ「ぴえん」や「激おこぷんぷん丸」なんて言葉、流行っていた時は今まで聞いたことなんてありませんでしたよね。フレッシュさがありますよね。
例えば普通に「悲し〜」「泣きそうなんだけど」「キレそう」「ムカつく」と言うのは今まで聞いたことが多い分、日本語を話す僕達日本人からすると、それらは当たり前の言葉ですよね。
だからそれを言われたところで「あーこの人今こういう感情なんだ。」と感じ取って終わりです。
しかし「ぴえん」や「激おこぷんぷん丸」なんて聞きなれない言葉には一度聞くと「何それ?!」って考えさせる効果があります。
なぜなら聞いたことがなくてそこで耳が傾くから。
聞きなれた言葉には相手に言葉の意味を考えさせる効果はありませんが、聞きなれない言葉にはその力があります。
これが言葉のフレッシュさの効果です。
男の人もフレッシュな女の子の方が好きですよね。言葉もそれと同じでフレッシュな言葉には人を惹きつける力があります。
ここからビジネスの話になってくるのですが、この「言葉のフレッシュさ」ってめちゃくちゃ重要だと思いませんか?
言葉で相手に考えさせたり「何それ?」って思わせることは宣伝においてめちゃくちゃ重要ですよね。
逆に言うと、聞き慣れたみんなに流されるような言葉、いわゆる死語を使っていても宣伝の効果は当然薄いです。
あなたは死語を使っていませんか?
例えばテレビの商品のCMでよく聞く「大好評発売中」や映画のCMの「大ヒット上映中」。
意識していても「ほんとかよ。」って思いません?
だって映画の公開初日に「大ヒット上映中」ってCM流すって意味わからなくないですか?笑 どんだけ統計取るの早いねんって話ですよ。
というか「へ〜大好評発売中なんだ。買ってみよっかな!」「大ヒット上映中なんか!見に行こか!」なんて言ってそれで実際に財布を開けている人なんか見たことないですよね。
これはどういうことかと言うと「大好評発売中」や「大ヒット上映中」という言葉は完全にフレッシュさがなくなり、客に考えさせることを働きかけることがない意味のない言葉になったということ。
死語になっているということです。
僕はこの前大阪の梅田をお腹をすかせて歩いている時ある蕎麦屋を見つけたんです。
そこには看板に大々的に
「蕎麦屋です。当店はカレーが絶品なので是非召し上がって行って下さい。」
と書いてあるのを見ました。おかしいですよね。蕎麦屋でそばの麺を準備するのって結構大変で本当は蕎麦を売りたいはずなのに、カレーを売り出すって。
それを見て僕は思わず「え、蕎麦は?」と笑ってしまい、その店に入ってカレーを頼むことにしました。出汁が効いていてとても美味しかったです。
でもよく考える、もしこの看板がなかったら僕はその店には入っていなかったかもしれません。
言葉をちょっと工夫して死語をフレッシュな言葉にするだけで、このように言葉は大きな力を発揮します。
だから商品を紹介する時や売り出し文句を考えるときはフレッシュで少し意外な言葉を使うのも1つの手です。
ということで今日は死語と言葉のフレッシュさについて書いてきましたが、どうでしたでしょうか。
最初は「ぴえん」や「激おこぷんぷん丸」ばっか書いていて、この記事を書いていた僕自身も「この記事どうなるんやろ」と少し心配したのですが、何とか話は無事に着陸してくれましたね。
もうこんな記事の裏事情を書き出したと言うことは、そう。今日の記事はこれで終わりです…ぴえんですね。
ということで、今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
また明日もお会いしましょう、それではっ!
もらったら社会貢献のためにユニセフに募金します。 ※こいつは嘘をついています。募金せずに帰り道でコンビニに寄ってたばこ買うに違いありません。