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短歌10・代々木公園
何度でも何度間違えてもあなたに出会う 次は来世だけれど
前髪を気にする君は纏ってる くるりのばらの花のアウトロ
打ち付ける雨は水面の楼閣を砕けど砕けど消してはくれず
曖昧な金木犀もこれからは辿ればそこは代々木公園
カーテンの薄くて白い方が陽をたっぷり吸ったみたいな声だ
2021年初春、7年付き合った人と別れてすぐの頃に凄まじかった反動的結婚観のメモが出てきたので原文ママで
街を歩いたりインスタを見たりすれば世の中はカップルだらけなことが分かる。デートは楽しい!恋愛は良いぞ!とマスメディアからも個々人からも発信され、恋愛が是、というのは世の常識として流布している価値観だ。恋愛は経済を回すので資本主義社会にとっては都合が良い。多くの大人も恋愛の末に結婚しているのだからその選択をした自分を肯定するために恋愛を肯定するだろう。そして生物として子孫を残さなければいけないのだ
もっとみる木曜ドラマ「silent」8話感想
どんな行為も、それ自体は善でも悪でもない。善かどうかは、その行為が何と組み合わさるかで決まる。スピノザに拠れば、そういうことらしい。
風間くんが手話サークルを作ろうとしたこと自体は善でも悪でもなく、それ自体は別に褒められも誹られもするべきではない。
風間くんの働きかけで実際に手話話者が増えたり、その人たちのろう者への関心が高まれば、多くのろう者にとっても暮らしやすい社会への一歩となる。その便益
木曜ドラマ「silent」7話感想
なんで声で話さないの?と尋ねた紬への返答を見せることなく、想は入力した画面をそっと伏せた。
「伝える」という目的を果たすための選択肢の中でも、「書く」というのは「話す」より難しいのではないかと思う。
Twitterやnoteの存在によって、誰もが書き手として気軽に発信できる時代になったが、話す人に比べて書く人はなお限定的なように見える。
話し言葉より書き言葉の方が難しい理由のひとつは、仕草や
木曜ドラマ「silent」6話感想
本作は一見すれば、「ろう者と聴者の恋愛ドラマ」である。しかし「恋愛ドラマ」ではないかもしれない、と3話感想の最後に書いた。
6話で思い直したのは、「ろう者と聴者の」の枕詞も決めつけだったのではないか、ということだ。
ろう者と聴者、男性と女性、幸福と不幸。
二項対立というものは分かりやすい。
だが、そういう構造主義的な認識ではこぼれ落ちていくものも多い。
想は、そのあわいの中を漂っている。
変化
木曜ドラマ「silent」5話&EP#0感想
湊斗と想は似たもの同士だ。
「別れよう、俺が無理だから。このまま一緒にいたら無理になる」
湊斗のその背負い方は、EP#0での想と同じだ。
帰りが遅くなったことに責任を感じる紬を横目に想は、
「遅くなったのは、俺がお姉ちゃんを引き留めちゃったからなんだ。ごめんね」
と光に話した。
優しさを単に優しさとして人に渡すのではなく、自分のエゴや責任だと背負いこみ、自分がやりたいからやっているだけだ、と自
木曜ドラマ「silent」4話感想
湊斗を見ていて、自分でも意外な言葉を思い出した。
それは、今週の「あちこちオードリー」で、お笑い界で天下を取る人とは?というトークをしていた際の「若林は共感性が高いよね」というオリラジ中田の分析を踏まえた、若林の言葉だ。
「お笑いで天下をとる人は、お笑いのルールを自分のルールに変えちゃう人。共感性の高い人は、そのルールを人に押し付けられないから、たぶん天下は取れない。」
これって、恋愛におけ
短歌3・山手通3丁目
スカートを初めて干した朝に見た 光ほころぶベランダと街
カーテンが揺れて覗いた白白と浮かぶ桜は綺麗でしたね
どこまでも遠くへ伸びると思ってた青はもう赤らんできていた
できあいのひと皿を分けあいたくて寝ぼけ眼でキッチンに立つ
失恋しなくても髪を切っていい世だからターバン巻かずに済んでる