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日記

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いちばん素の自分で自由に書いてあります
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2021年初春、7年付き合った人と別れてすぐの頃に凄まじかった反動的結婚観のメモが出てきたので原文ママで

 街を歩いたりインスタを見たりすれば世の中はカップルだらけなことが分かる。デートは楽しい!恋愛は良いぞ!とマスメディアからも個々人からも発信され、恋愛が是、というのは世の常識として流布している価値観だ。恋愛は経済を回すので資本主義社会にとっては都合が良い。多くの大人も恋愛の末に結婚しているのだからその選択をした自分を肯定するために恋愛を肯定するだろう。そして生物として子孫を残さなければいけないのだ

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「努力」への鎮魂歌

「努力 未来 a beautiful star」

米津玄師の「kick back」で繰り返されるフレーズを、なんて皮肉なんだろうと思った。
主題歌となっている「チェンソーマン」では、努力した普通の人間が、なにかの気まぐれや単なる確率で次々と未来を奪われていく。
「努力は報われる」という信仰は、圧倒的な外部要因の前では、余りにも無力である。

冒頭のフレーズは、2002年発売のモーニング娘。の楽曲

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日記・容姿いじりと面白さの認識論

「お前、最近口が悪すぎるよ」

そう本気で注意するトーンで友人Bに言われた。やるせなかった。君たちの知性を信じてリスクを取ってるのに、分かってもらえないんだ。その上、自分が正義なのだと勘違いし矮小化された加害被害構造を決めつけている。悲しかった。

友人Bのその発言は、ふざけてウインクしてきた友人Aに対して自分が言った、「なんか友人Aって惜しいよな」という言葉に向けてだ。

文脈上、ルックスをいじ

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日記・東京から離れた東京で

日記・東京から離れた東京で

 34km地点、頭の中は食べ物でいっぱいだった。
とにかく何かを口にしたいという欲望に支配されていた。

 初めてのフルマラソン超え、それなりに準備してきたつもりだった。しかし、700mもの高低差や倒木を跨いだりくぐったりする林道などの、単に"マラソン"とひとくちに表現するにはバラエティ豊か過ぎるコースで想像以上に消耗し、持ってきた携行食などとうの昔に食べきっていた。

 つまるところ自分の準備不

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日記・残り風

日記・残り風

 今日の晩御飯は何にしよう。こないだ大量に貰った玉ねぎを消費しないといけないから、豚と炒めて生姜焼きにでもしようか。でも最寄りのあのスーパーは9時までだからな、間に合うかなあ。なんて考えながら外へ出ると、想像より何トーンも暗くなった街を、週末の台風の残り風が吹き抜けていた。

 思わず、やれやれと言った調子での「寒いんだけど。」という言葉が口を突いた。

 そういえば昨日インスタで金木犀の香りのコ

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日記・空間と時間

日記・空間と時間

 高所恐怖症とは無縁の人生を送ってきた。

 子供の頃、木登りで4mほど落ちて腕を折った後も、ギプスのまますぐにまた登っていた。おだてられなくても木に登る、高いところが好きなバカだった。だがもし雪国で育っておだてられたとしても、とてもじゃないがこれはできないな、とジャンプ台を見上げて思った。

 そよ風が気持ちのいい秋晴れの午後、15時から練習があるというのを聞き、見物に来ていた。ジャンプ台をぐる

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