【BL二次小説(R18)】 卒業旅行⑱終
翌日。
一行は帰国のためオーランド空港へ来ている。
お揃いの写真立ても購入し、新開はご機嫌だ。
東「ぬ?」
搭乗手続きの列に並んでいる時、東堂が気付いた。
東「ほう!オレがSSに当選したか!貴重な体験だ」
東堂の搭乗券には確かにSSと記載されていた。
新「えっ?」
荒「大丈夫か?」
福「また何かとんでもない物が」
東「ワハハ!オレは見られて困る物など何も持ってはおらん!先に行っててくれ。すぐに追い付く」
東堂はさっさとSS専用レーンに行ってしまった。
新「あ……」
東「な……んだ……と?」
係員「Oh my god!」
東堂の手荷物から……バイブレーターが出てきた。
東「隼人ーーーっ!!」
検査後、怒り心頭で新開の胸ぐらを掴む東堂。
新「ご、ごめん!また恥かくの嫌だったからおめさんの鞄に……まさかおめさんが当選するとは……」
荒北と福富は他人のふりをしていた ──。
そうこうして無事、成田に到着した。
一行はバス乗り場で解散となる。
それぞれ実家行きのバスに乗るのだ。
新「色々あったけど楽しかったぜ!」
東「家に着くまでが遠足だ。気を付けて帰れ」
福「また時々集まろう。お疲れ!」
荒「イイ思い出になったゼ!またなァ!」
互いに肩や背中を叩き合い、それぞれの方向に歩き出す。
荒北は時計を見ながら呟いた。
荒「……そろそろかナ」
ピロリロピロリロ。
東堂のスマホが鳴った。
東「ぬ……!!」
表示された名前を見て、驚愕する。
巻「よぉ東堂。久しぶりだなぁ」
東「ま!巻ちゃん!!」
思わず直立し、声が裏返る東堂。
巻島の方からかけてくるのは珍しい。
巻「どうだった?卒業旅行は」
東「え……巻ちゃん、なぜ……」
巻「ネズミーワールドとはねぇ。楽しかったようでなによりっショ」
東「な、なぜ知っているのだ?伝えた覚えは……」
当惑している東堂。
巻「クッハ!2日程前から荒北からじゃんじゃんメールが送られて来てよぉ!おたくらが楽しんでる大量の写真だらけで何事かと思ったっショ」
東「荒北が……!?」
東堂は荒北の去った方向を振り向く。
遠く小さくなった荒北が……こちらに向かって手を振っていた。
巻「挨拶文もタイトルも無しで写真ばっか毎日届いてよぉ。なんの嫌がらせっショ全く」
東「あやつ……そんな……粋な真似を……」
東堂は感激して涙が溢れてきた。
荒北に手を振り返す。
巻「クッハ!おたくらホント、仲がいいんだなぁ!」
東「ああ……。ああそうだよ巻ちゃん……。最高の、仲間達だ……!」
東堂は涙を手の甲で拭った。
巻「……それでな東堂。聞きたいことがあるっショ」
ドキッ!
東「な、なんだね?巻ちゃん」
ドキドキドキドキ。
胸が高鳴る東堂。
背筋を伸ばし、巻島の言葉を待つ。
巻「最後に送られてきた動画なんだが……」
東「動画?」
巻「……オマエの手荷物からバイブレーターが出てきた一部始終の動画な」
東「!!!」
東堂は飛び上がった。
東「そ!それは!それはだな巻ちゃん!」
巻「調べたらこの動画、箱学の裏掲示板にも貼られてるし、ミーチューブにもアップされて秒単位で再生数が伸びてて今現在全世界で680万回視聴されてるっショ」
東「ぬ゙お゙ーーーーーっっ!!」
高校時代に別れを告げ、新たに大学生となる面々。
どんな未来が待っているのかワクワクドキドキ。
卒業旅行、お疲れ様でした!
おしまい
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