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#小説
【随想】小説『イニシエーション・ラブ』乾くるみ
いやー、最後まで読んで「えっ!どういうこと?!」ってなったのは、我ながらいい読者だ…。
作者の思い通り、まんまと乗せられて乗せられて。
ラスト2行でひっくり返ると大々的に宣伝されていた本だったので、冒頭から注意深く読んでいたが、途中からは別におかしなところはないぞと思い始め、するとだんだん小さな違和感もスルーするようになり、結局最後にはどんでん返しされてしまった。
舞台は36年前の静岡と東京。
【随想】小説『グラスホッパー』伊坂幸太郎
ちょっと次何読んでいいか迷い始めてしまったので、
途中まで読んでいた伊坂作品でお茶を濁すことにする。
『グラスホッパー』
2004年の作品だ。
杉江松恋の解説を読むと、
この小説は「伊坂幸太郎が初めて書いたハードボイルド小説」であるらしい。
ハードボイルドってなんだろう。
なるほど。
でも読んだ感じ、ハードボイルドというより、
ブラッドシンプルやノーカントリーを見た感じに近い印象を持った
【随想】小説『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午
なかなかハードボイルドだった。
ハードボイルドという言葉であってるのか?
とにかく、書き味が猛々しいというか、雄々しいというか、勇ましい。
ネタばれ厳禁で、あらすじも書けないと言われるが、果たしてそうだろうか。
あらすじは、書いても特に問題ないような気がする。
自称なんでもやってやろう屋の主人公の成瀬将虎が、同じフィットネスクラブに通う久高愛子という女性から、蓬莱倶楽部という会社を調べてほしいとお
【随想】小説『世界でいちばん透きとおった物語』杉井光
なかなか挑戦的な作品だった。
ミステリなのかなと読みながら疑問にも思ったが、
最後まで読むと確かにミステリであった。
感想を書くことが難しい作品である。
勝手ながら表紙の印象から、キミスイのような作品なのかなと思っていた。
まったく違った。
冒頭に宮沢賢治、作中に京極夏彦や坂口安吾、谷崎潤一郎などが語られる「本好きのための本」であった。
登場人物も小説家、編集者、校正者と、本に関わる人ばかりだ。
【随想】小説『名も無き世界のエンドロール』行成 薫
『名も無き世界のエンドロール』を読み終わった。
書評にあるように「企み」という言葉が相応しい小説。
登場人物も企むのだが、作者をもまた、読者に向かって企んでいる。
拠り所のない名もなき登場人物たちの、何気ない日常が活写される。
記憶を断片的に思い起こすように、時間軸はまっすぐ進まない。
それはまるで、ビデオカメラで撮影されたホームビデオを、ランダムにテープチェンジしながら眺みるようだ。
主人公の一
【随想】小説『十角館の殺人』綾辻行人
『十角館の殺人』を読んだ。
1987年、綾辻さん26歳、小説家デビュー作だそうだ。
「たった一行ですべてがひっくり返る」どんでん返し系ということで、ワクワクしながら、一気読みした。
読後感は、どんでん返し系のサスペンス映画を観た時の「やられたー」感に似ている。
『シックス・センス』(1999)
『ユージュアル・サスペクツ』(1995)
『SAW』(2004)
などなど。
こういうどんでん返