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【随想】小説『銀河鉄道の夜』宮沢賢治

昔に買って途中まで読んで挫折した
銀河鉄道の夜に再チャレンジ

最後まで読み終えることができた

あれ宮沢賢治ってこんな人だっけ

宮沢賢治といえば
人畜無害なファンタジーのイメージが
いつのまにか
自分の中で出来上がってしまっていた

子供向け、童話であることは間違い無いのだけど
大人になって読むと
結構嫌らしさや毒があるんだなと感じた

あったとしても
もっと勧善懲悪チックな
説教くさい
倫理道徳を問う話しかと思っていたけど

そんなことはなかった

人間の弱さ、未熟さ、ずるさ、移ろいやすさみたいなことを
そのまま描き出していて
そしてその描写は確かに美しく
とても100年も前の作品だとは思えない

読み終わってすっきりするというよりは
モヤモヤするといった

どちらかといえば
どっちつかずの
感情を宙ぶらりんにさせる作品が多かった

世界のありさまをそのまま描写し
そのイメージや解像度は驚くほど繊細で
だこらこそ豊かな物語を生み出せる

これらのオリジナリティ溢れる作品が
37歳までにすべて作り出されたことに
改めて驚かざるをえない


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