long▸tones / ろんぐ▸とーんず

アニメーションを作ったり、アニメーションについて書いたりしています。また、面白かった本…

long▸tones / ろんぐ▸とーんず

アニメーションを作ったり、アニメーションについて書いたりしています。また、面白かった本や映画についても書いたりします。

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

【随想】文体について

三島由紀夫は文字が宝石のように硬い 理知的でカチカチである 人工物に対する美意識 谷崎潤一郎の場合 人間の自然美への執着 直情的な文章で大変流麗ではあるが艶かしくはない 美でいえば よほど坂口安吾の方が妖しく艶かしい 夏目漱石は観念と道徳 一文は短く、一切の無駄がない 厳選された文字の連なりが格式高い 江戸川乱歩も研ぎ澄まされた 無駄のない文章 しかしおどろおどろしい、毒々しい内容をも 淡々と描くことでさらに薄気味悪さが増す 村上春樹はモダン、文字は軽やか 文字が存在から離れ

    • 再生

      【アニメ】ドア信長

      • 【随想】ラジオ『オールナイトニッポン0(ZERO)』ヤーレンズ

        M-1で、令和ロマンより個人的には好きだったヤーレンズ。 二人の口からとめどなく溢れ出る固有名詞の数々。 圧巻の連想ゲーム。 ただただ最高の時間でした。

        • 【随想】小説『ハサミ男』殊能将之

          ハサミ男読み終えた 正味2週間ほど 長く感じた 仕掛けには程々に驚いたがそれ以外の点では あまり心に響くものはなかった どんでん返し小説に飽きてきてしまったのだろうか やはり 過程というか道中が大切だ そう考えてみると よい小説とはなんだろう キャラクターが魅力的か ストーリーが魅力的か 心理描写に共感できるか 世の理が描かれているか そう考えると 魅力的な警察、探偵役は出てこなかった そして主人公はシリアルキラーなので そもそも共感は難しい ストーリーはミスリードするための

        • 固定された記事

        【随想】文体について

        マガジン

        • Original Animation
          19本
        • Hint(まどろみ文庫)
          136本
        • 今日のあなたの運勢は?
          16本
        • Original Pet Series
          28本
        • Gake Over Series
          117本
        • 糸文字
          2本

        記事

          再生

          【アニメ】バタフライ

          再生
          再生

          【アニメ】Coming Soon ~仮眠してすぐ~

          【アニメ】Coming Soon ~仮眠してすぐ~

          再生

          【随想】小説『殺戮にいたる病』我孫子 武丸

          とうとうね。 殺戮に至る病読みました。 いやーどんでん返し系の名作は一応一通り読もうと 去年から 十角館の殺人 葉桜の季節に君を想うということ イニシエーションラブ と読んできたけど、 これだけは躊躇していた。 体調が悪い時には読めない。 立ち読みしてそう判断した。 しかし 時期が来てしまった。 内容については 特に触れることができない。 一つ言えることは 文章がとても読みやすいということ。 癖がなく、無色透明。 するすると読める。 読み終わって見事どんでん返しされたことは

          【随想】小説『殺戮にいたる病』我孫子 武丸

          再生

          【アニメ】スプーンの筋トレ

          【アニメ】スプーンの筋トレ

          再生
          再生

          【アニメ】ティーバッグの刑

          【アニメ】ティーバッグの刑

          再生

          【随想】小説『満願』米澤穂信

          第27回山本周五郎賞を受賞した米澤穂信の「満願」を読む。 短編集である。 買ったのはだいぶ前だ。 米澤穂信という作家は、あまり聞き馴染のない言葉を使う作家なのだな。 梁、マタボール、及時雨、墨痕、矍鑠、筵、長押、林冠、隘路、眦、霏々など。 知らない単語が出てくると少し躓いてしまう。 海外小説や学術書で注釈を逐一読まないと分からない状態と同じだ。 するっと物語に没入できない。 意味がきちんと理解できていなくても、物語を読むのに特段支障が出るわけではないが、読みながらちょっとずつ

          【随想】小説『満願』米澤穂信

          【随想】ドラマ『侵入者たちの晩餐』バカリズム

          バカリズム天才だなぁと。 素直に感心してしまった。 コントやネタには、なかなかはまることがなかったけれど、 まさかバカリズムの本領が、テレビ脚本にあるとは思わなかった。 一時期の三谷幸喜や内田けんじや伊坂幸太郎のような作劇を彷彿とさせる。 しかも一人語りのナレーションという 自分のスタイルもある。 そのスタイルは他に類を見ない。 『ブラッシュアップライフ』は、その中で最高傑作である(他のドラマは見てないけど、きっと)。 そんなノリに乗っているバカリズムが 新春のスペシャルドラ

          【随想】ドラマ『侵入者たちの晩餐』バカリズム

          【随想】ドラマ『ロングバケーション』北川悦吏子

          28年前の月9。 ようやくロングバケーション観終わった。 途中何話か見逃した。 たぶん結構いいところを見逃したような気がする。 瀬名と南がいつの間にか急接近していて焦る。 とにかく山口智子が素晴らしくて 木村拓哉は今の方がカッコいいんじゃないか、 松たか子はHEROの前にここで共演してたんだねキムタクと 竹野内豊はだいぶ野性味があった。 そういえば、登場人物たちの家族は一人も出てこなかったな。 ずっと久保田利伸のLA・LA・LA LOVE SONGが頭の中をリフレインする。

          【随想】ドラマ『ロングバケーション』北川悦吏子

          【随想】映画『千と千尋の神隠し』宮崎 駿

          金曜ロードショー、 『千と千尋の神隠し』見ました。 2001年の作品。 まったく色あせていない。 宮崎駿の絶頂期の仕事。 画面の密度がはんぱない。 『君たちはどう生きるか』でもすごいと思ったが、 まるで比にならないくらいの完成度だった。 色合いも構図もディテールも すべてが圧倒的である。 庵野秀明も新海誠も画が上手いと感じるが 宮崎駿の凄さは 人間の動きに対する暖かな眼差しにあると感じた。 例を挙げるとすると 千尋がオクサレ様にお湯をかけるため薬湯の札をかけそこねるところ、

          【随想】映画『千と千尋の神隠し』宮崎 駿

          【随想】映画『007』

          第21作:カジノ・ロワイヤル(2006)監督:マーティン・キャンベル 第22作:慰めの報酬(2009)監督:マーク・フォースター 第23作:スカイフォール(2012)監督:サム・メンデス 第24作:スペクター(2015)監督:サム・メンデス BSでやっていたので見る 『カジノ・ロワイヤル』は何度見たことか なんだかんだ楽しい サム・メンデスは『アメリカン・ビューティー』の監督か ストーリーがどうというのではない ただダニエル・クレイグが見たいだけなのだ ダニエル・クレイグは

          【随想】映画『アウトレイジ』『アウトレイジビヨンド』『その男凶暴につき』北野武

          やってやられての繰り返し 復讐の連鎖 暴力の連鎖 名ばかりの手打ちと落とし前 約束は破られるもの 裏切りはつきもの 人を見たら泥棒と思え アウトレイジを初めて観た時 北野武は、TAKESHIS’、監督・ばんざい!を経て 自己言及、映画作りに迷走した後 振り出しに戻ってきたと感じた たけしの処女作 その男、凶暴につきは、 深作欣二のピンチヒッターとしての起用だった なのに、この時点ですでに たけしイズムは完成していた 間の取り方はもちろんのこと カメラに向かってただ歩いてきて

          【随想】映画『アウトレイジ』『アウトレイジビヨンド』『その男凶暴につき』北野武

          【随想】ドラマ『真犯人フラグ』高野水登

          『真犯人フラグ』は、2021年に放送されたテレビドラマ。 考察系ドラマのはしり『あなたの番です』の制作チームが再集結したドラマということもあって、当時もそれなりに話題になっていたと思うが、自分は第一話だけを見て見るのを止めてしまっていた。 なぜ見るのを止めたのか、あまり記憶は定かでないが、でも一話の最後にショッキングなクリフハンガーが用意されていて、その過剰な演出にちょっと引いてしまったというのがあったように思う。 TVerで再放送されていたので、再チャレンジしてみたが、やは

          【随想】ドラマ『真犯人フラグ』高野水登