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【随想】ドラマ『侵入者たちの晩餐』バカリズム

バカリズム天才だなぁと。
素直に感心してしまった。
コントやネタには、なかなかはまることがなかったけれど、
まさかバカリズムの本領が、テレビ脚本にあるとは思わなかった。
一時期の三谷幸喜や内田けんじや伊坂幸太郎のような作劇を彷彿とさせる。
しかも一人語りのナレーションという
自分のスタイルもある。
そのスタイルは他に類を見ない。
『ブラッシュアップライフ』は、その中で最高傑作である(他のドラマは見てないけど、きっと)。
そんなノリに乗っているバカリズムが
新春のスペシャルドラマとして
1話完結の脚本(92分)を作った。
『侵入者たちの晩餐』は
これもこれで出色の出来であった。
後半にかけて
うなぎ上りで面白くなっていく。
伏線回収を馬鹿にする風潮をあざ笑うかのような
見事な伏線回収の嵐。
しかも、色んなものが織り交ざっている。
水曜日のダウンタウン、江戸川乱歩、黒澤明、アイドル経営者、家事ヤロウ!!!、ヨーロッパ映画のような章立ての展開。
そしてどことなく感じるホームアローン感。
『ブラッシュアップライフ』でも思ったが
自分のフィルモグラフィ(コントやドラマ)や来歴(TVや舞台)を
伏線回収していく(全部栄養にして)ところは
『ゴジラー1.0』の山崎貴と同じ状態だ。
つまり、これもまたバカリズムの集大成である。

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