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【随想】小説『十角館の殺人』綾辻行人

『十角館の殺人』を読んだ。
1987年、綾辻さん26歳、小説家デビュー作だそうだ。

「たった一行ですべてがひっくり返る」どんでん返し系ということで、ワクワクしながら、一気読みした。

読後感は、どんでん返し系のサスペンス映画を観た時の「やられたー」感に似ている。

『シックス・センス』(1999)
『ユージュアル・サスペクツ』(1995)
『SAW』(2004)
などなど。

こういうどんでん返し系の小説は、いったいいつくらいからあるのだろう。
ググると世界初の叙述トリック作品は、『スミルノ博士の日記』と書かれていたが、日本で広まったのは、やはりアガサ・クリスティの功績が大きいようだ。
ということは、叙述トリック自体は、1900年前半からあるということになる。

そういえば、オマージュされているアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった(1939)』は、いったいどんなトリックで、誰が犯人だっただろうか。

どんでん返し系は、一回読んだら楽しめないとよく言われるが、
内容を忘れてしまえば、意外とそうとも限らない。

ただこの『十角館の殺人』の「たった一行」は、上記の映画たちのそれと同様、なかなか忘れることができないであろう。


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