最新刊『20世紀論争史』予約開始のお知らせ!
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最新刊『20世紀論争史』予約開始のお知らせ!

最新刊『20世紀論争史』(光文社新書)では、「現代思想の源泉」に位置する多種多彩な「論争」を紹介しました。新書としては破格に分厚い 456ページにわたって、30のテーマを議論しています!

本書は、「教授」と「助手」が、コーヒーを飲みながら研究室で対話する形式で進行する。どなたにもわかりやすく読んでいただけるように執筆したつもりだが、とくに読者対象としてイメージしていたのは、教養課程に在籍する大学一・二年生である。

仮に本書を「現代思想概論」や「現代思想史」や「科学史入門」といった講義で教科書・副読本として採用していただければ、前期一五回・後期一五回の合計三〇回の講義にちょうど適用できる三〇章となるはずである。もちろん、各回に二章ずつ進行すれば、半期授業に用いることもできるだろう。

実際に、私が大学の授業で使用する際には、まず事前に「論争」を指定して、どちらの見解に共感するか、学生によく読んで考えてきてもらう。たとえば第三章であれば、学生は、ベルクソンとラッセルのどちらの見解に賛同するかを考えてきて、授業時には、ベルクソン派とラッセル派に分かれてディベートを行う。

そのディベートで浮かび上がってきた論点を抽出し、整理して、それらが現在の学界ではどのように議論されているのか、改めて解説する。授業後のリアクションペーパーでは、学生自身の最終的な見解を熟考したうえで、小論文にまとめて提出してもらう。

本書で扱うような根源的な「論争」の背景には、さまざまな哲学的問題が潜んでいることが多く、単一の絶対的解答が存在するわけではない。そして、私の授業で行う「哲学ディベート」は、「競技ディベート」のように、他者への説得力によって勝ち負けを競うものでもない。あくまでディベートを通して、むしろ視界を広げることが重要なのである。

したがって、最終段階で、ベルクソン派だった学生がラッセル派に意見を変えるのも、その逆も自由である。お互いの意見や立場の違いを明らかにしていく過程で、かつて考えたこともなかった発想や、これまで気付かなかったものの見方を発見し、さらにそこから新たなアイディアを生み出すことこそが、「哲学ディベート」の目的だからである。

そもそも、なぜ二〇世紀に多種多彩な「論争」が生じたのか、そこからどのように枝分かれして別の「論争」に繋がっているのか、それらが二一世紀現在ではどのように議論されているのか。読者には、本書の各章は、現代思想の根源で生じたさまざまな「論争」への「入口」とみなしていただければ幸いである。

なお、本書の「論争」は、ベルクソン対ラッセル、ウィトゲンシュタイン対ポパー、アインシュタイン対ボーアのように、個人間における狭義の「論争」が基本となっている一方、ソーカル対「ポスモダニスト」、チューリング対「反人間機械論」、カーツ対「反科学思想」のように、思想的な対立という意味で広義の「論争」を指す場合もある。

読者には、ぜひ一緒に議論に参加していただき、多彩な「論争」を上空から「俯瞰」して、何が二〇世紀の「源泉」で生じたのか、幅広い視野で把握していただけたらと思う。わかりやすく対話を進行させるため、本書の議論の中には、飛躍した言動や厳密性に欠ける論法も含まれているので、その先の本格的な議論については、「参考文献」を参照していただけたら幸いである。

――「おわりに」より

目次

第1章 「20世紀」とは何か?
第2章 「時間」とは何か? 機械論×生気論
第3章 「直観」とは何か? ベルクソン×ラッセル
第4章 「言語」とは何か? 言語相対主義×論理実証主義
第5章 「実証」とは何か? ウィトゲンシュタイン×ポパー
第6章 「論理」とは何か? 論理主義×形式主義
第7章 「数学」とは何か? カントール×ブラウアー
第8章 「理性」とは何か? 完全性×不完全性
第9章 「対象」とは何か? ゲーデル×フォン・ノイマン
第10章 「実在」とは何か? 確定性×不確定性
第11章 「認識」とは何か? ボーア×アインシュタイン
第12章 「知性」とは何か? 人間×機械
第13章 「機械」とは何か? チューリング×ウィーナー
第14章 「本質」とは何か? 本質主義×実存主義
第15章 「反抗」とは何か? カミュ×サルトル
第16章 「科学」とは何か? 科学主義×パラダイム論
第17章 「方法」とは何か? ポパー×ファイヤアーベント
第18章 「権威」とは何か? 科学権威主義×科学民主主義
第19章 「ET」とは何か? セーガン×ティプラー
第20章 「宇宙」とは何か? 強い人間原理×弱い人間原理
第21章 「生命」とは何か? オパーリン×ホイル
第22章 「増殖」とは何か? 個体中心主義×遺伝子中心主義
第23章 「進化」とは何か? ドーキンス×グールド
第24章 「意志」とは何か? 自由意志論×自己実現理論
第25章 「習得」とは何か? ワトソン×チョムスキー
第26章 「公平」とは何か? 選好×民意
第27章 「正義」とは何か? ロールズ×サンデル
第28章 「未来」とは何か? 未来楽観主義×未来悲観主義
第29章 「責任」とは何か? カーツワイル×ピンカー
第30章 「危機」とは何か? 科学共同体×人間性
おわりに
参考文献

お楽しみいただけたら幸い!

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高橋昌一郎

Thank you very much for your understanding and cooperation !!!

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國學院大學教授。専門は論理学・科学哲学。著書は『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』『フォン・ノイマンの哲学』『ゲーデルの哲学』『20世紀論争史』『自己分析論』『反オカルト論』など多数。情報文化研究所長、JAPAN SKEPTICS副会長。趣味はJazzとWine、将棋四段。