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歴史・郷土史・民俗

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大津絵節と柊原郷土芸能保存会

大津絵節と柊原郷土芸能保存会

※当記事は、垂水市の市報(2024年5月号)の「たるみず歴史・文化散歩」のコーナーに掲載したものを加筆したものです。

大津絵節

「大津絵節」の大津絵とは、江戸時代近江の国(今の滋賀県)の大津と京都を結ぶ逢坂関(おうさかのせき)で、旅人の手軽な土産物として売られていた民画・護符です。
中でも、藤娘・鬼の寒念仏・雷公・外法大黒・鷹匠・座頭・瓢箪鯰・槍持奴・弁慶・矢の根男という代表的画題は「大津絵十

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【民俗・歴史】親鸞と虎石

【民俗・歴史】親鸞と虎石

●日本中に「虎石(とらいし、とらがいし)」と称される岩石がある。その中には真宗に関係あるものもある。

① 大谷祖廟の虎石
親鸞遺愛の石で、遷化された京都市中京区善法院の井戸から掘り出され、茶色で虎が伏せているように見えたところから名づけられた。善法院が後に聚楽第の造営地となったため、虎石は伏見区深草の宝塔寺に移されたが、山科の西念寺門徒の中村半三郎が虎石を宝塔寺より買い取り、1709(宝永6)年

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山下清、天衣無縫の大将 その3

山下清、天衣無縫の大将 その3

※これは2022年に書いたもので、記事中の情報も当時のものです。

●民藝家山下清

実は山下清にも民藝家としての性格がある。茨城大学の藤原貞朗(ふじはらさだお)氏の指摘によると、テレビドラマの印象で「放浪の画家」というイメージの強い山下清だが、実は陶磁器作品こそ彼の注力の的であり、「放浪の陶芸家」「放浪の絵付師」と呼んでもいいという。そしてその足跡は、湯町(ゆまち/島根)・小鹿田(おんた/大分)

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