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わかりあわなくてもいい感情を、記録しておくことについて アクト・オブ・キリング感想

アクト・オブ・キリングという映画を見た。 https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%83%B3%E3

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6か月前
7

「さみしい夜にはペンを持て」よかった!

「さみしい夜にはペンを持て」という本を読んだ。すごくいい! とりあえず感想をバーっと書いてみる。 良かったところ ・おしゃべりと文章の違い。文章を書くというのは答…

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8か月前
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本物のキュービックジルコニア

自分をキュービックジルコニアだと思うことにしたら、精神が安定した話をする。 キュービックジルコニアという鉱石がある。 見た目がダイヤモンドに似ているため、ダイヤ…

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11か月前
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あたたかいものとつめたいもののはなし

つめたいものが好きだ。 つめたいものは、ひとの手から離れているもの。 腐敗しないようにひんやりしている冷蔵庫、ひとの手を煩わせないようなシステム。 工業製品の、た…

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1年前
13

動物は"楽園"に耐えられないという話

 ネズミ社会の実験で、「外敵や病気などの驚異がない、生きることに全く不自由がない楽園を作ったらネズミ社会はどうなるか?」という実験を行った人がいるそうな。  結…

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2年前
12

クソデカ蕩尽会場としてのマインクラフト

ジョルジュ・バタイユの「呪われた部分」を読んでいる。「人間のエネルギーが抑圧されてバーっと弾けるとだいたいロクなことにならないよね。生産性とか気にしないで、(な…

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2年前
12

2022年の抱負

 今年の抱負は、「物理アバターをちゃんと動かす」にしたいと思う。  なるべく行くのがめんどくさい場所、そういうところに身体を動かしていきたい。  コロナ下におい…

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2年前
10

「いずれ全てが機械化される」は本当か?

 「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」という本を読んでいる。今回は第6章の話をする。  「仕事は全て機械化され、人は機械に仕…

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2年前
15

大人のための国語ゼミを読んだら文章の整理整頓の仕方がわかって嬉しい!という話

大人のための国語ゼミという本を読んでワイワイする会をこの前やった。 大人のための国語ゼミというのはこの本である。 「わかりやすい文章がよいのはわかる。でもわかり…

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2年前
18

敵センサーと人権バグ

 ひとはよく嫌いなひとの近くに寄りがちだな、と感じていて、それはなぜだろう?とずっと疑問に思っていた。例えば、嫌なツイートしまくってる人をわざわざ見に行ってしま…

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2年前
9

やわらかい食べ物と資本主義のやさしさ

 自分は資本主義のやさしさを歯で感じていた、という話と、資本主義のやさしさの話をする。  歯が悪くなったのをしばらく放置していた。この前やっと歯医者に行ったのだ…

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2年前
10

時間軸と人間性、あるいは気づきの話

 人は情報を食うと気づきになり、過去や未来から情報がダウンロードできるのではないか?という話をする。わけがわからないと思うが、すごく面白い話なので聞いてほしい。…

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2年前
11

アルベール・カミュ「異邦人」の映画版(ルキノ・ヴィスコンティ作)を見てきたよという話

 ルキノ・ヴィスコンティ氏が撮った、アルベール・カミュ作の「異邦人」の映画を見ました。自分は映画には全く詳しくないのだけれど、カミュの「異邦人」については偏執的…

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2年前
5

所有が苦手なのでコンビニ(広義)を増やしたい

 何かを持っていることが苦手だ。正確には、昔自分が何を持っていて、どこにそれを保存していたかを覚えておくのが苦手だ。だから、必要なものはその都度現地で買えるか借…

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3年前
12

「電気サーカス」を読んだ

 「電気サーカス(唐辺葉介)」を読んだ。とても面白い話だけど、かなり露悪的な「電気サーカス」なので、万人におすすめできる感じではないなあというのが全体としての感想…

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3年前
5

カルピスの出し方と薄め方の文化について

 ここでいうカルピスは、アウトプットされた思考のことをいう。  いわゆるオタク(専門家集団)の文化では、各人のカルピスは薄めずに出すのが礼儀である。それぞれこだわ…

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3年前
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「さみしい夜にはペンを持て」よかった!

「さみしい夜にはペンを持て」という本を読んだ。すごくいい!
とりあえず感想をバーっと書いてみる。

良かったところ
・おしゃべりと文章の違い。文章を書くというのは答えを出そうとすることだ、というところ。とりとめのないことばと計算式を解くように場合分けしてるときのことばは確かに違うなあ。
・本を読んで「感動しました」の言葉しか出ないとき、本当は「感動」の二文字に収まらないこころの動きがあったはず。こ

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本物のキュービックジルコニア

本物のキュービックジルコニア

自分をキュービックジルコニアだと思うことにしたら、精神が安定した話をする。

キュービックジルコニアという鉱石がある。
見た目がダイヤモンドに似ているため、ダイヤの模造品として人工的に生産される物質である。
精巧なものは、専門家でないとダイヤと区別がつかないと言われる。

「本物の」ダイヤという言葉遣いをするときの「本物」とは一体何なんだろう、と疑問に思ったことがある。専門家でないと区別がつかない

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あたたかいものとつめたいもののはなし

あたたかいものとつめたいもののはなし

つめたいものが好きだ。
つめたいものは、ひとの手から離れているもの。
腐敗しないようにひんやりしている冷蔵庫、ひとの手を煩わせないようなシステム。
工業製品の、たくさんのひとへの配慮が見られるデザイン。
気を使わせない、さまざまな構造。

あたたかいものが苦手だ。
あたたかいものは、ひとの体温が伝わってくるもの。
ひとのオリジナリティが伝わる作品、個別対応の癖がみられるもの。
この世にひとつだけの

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動物は"楽園"に耐えられないという話

動物は"楽園"に耐えられないという話

 ネズミ社会の実験で、「外敵や病気などの驚異がない、生きることに全く不自由がない楽園を作ったらネズミ社会はどうなるか?」という実験を行った人がいるそうな。
 結論から言うと、そんな社会はすべて滅びた。25回やってすべて滅びた。

 自分は日本社会に対して、「日本人が幸福度低いのは、生死に関わるような危機が少なすぎて”生きてて良かったー!”と実感できる人の濃度が低いから」だと思っているのだけど、この

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クソデカ蕩尽会場としてのマインクラフト

クソデカ蕩尽会場としてのマインクラフト

ジョルジュ・バタイユの「呪われた部分」を読んでいる。「人間のエネルギーが抑圧されてバーっと弾けるとだいたいロクなことにならないよね。生産性とか気にしないで、(なるべくハッピーに)エネルギーの無駄遣い(蕩尽)しようぜ!」みたいなことが書いてあり、うんうんと思いながら読んでいる。

そんな中、友人から「マインクラフトおもろいよ」と聞いてダウンロードしたり色々動画見たりした。

「マインクラフト、名前は

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2022年の抱負

2022年の抱負

 今年の抱負は、「物理アバターをちゃんと動かす」にしたいと思う。
 なるべく行くのがめんどくさい場所、そういうところに身体を動かしていきたい。

 コロナ下において、人流・物流が今まで通り資本主義的なめらかさをもって動くということがなくなってしまった。そこには地政学的な力学が働き、「出生ガチャ」がかなり行動に制限をかけるようになった。

 日本国民である自分は、相対的に見てめちゃくちゃ行動幅のある

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「いずれ全てが機械化される」は本当か?

「いずれ全てが機械化される」は本当か?

 「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」という本を読んでいる。今回は第6章の話をする。

 「仕事は全て機械化され、人は機械に仕事を奪われてしまう」というよくある説が載ってたので、いい機会だと思って反論してみた。

 第6章は「恐るべき機械の呪い」という題である。機械化が進むと以下のようになると筆者は主張している。

①機械化が進み、生産コストが減る

②コスト

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大人のための国語ゼミを読んだら文章の整理整頓の仕方がわかって嬉しい!という話

大人のための国語ゼミを読んだら文章の整理整頓の仕方がわかって嬉しい!という話

大人のための国語ゼミという本を読んでワイワイする会をこの前やった。

大人のための国語ゼミというのはこの本である。

「わかりやすい文章がよいのはわかる。でもわかりやすいって何?」と長年思っていたのだが、この本を読んで目からウロコが落ちる体験をめちゃくちゃした。要は自分は、文章の整理整頓ができていなかったのである。

「大人のための国語ゼミ」は8章からなっている。このうちの「第3章 言いたいことを

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敵センサーと人権バグ

敵センサーと人権バグ

 ひとはよく嫌いなひとの近くに寄りがちだな、と感じていて、それはなぜだろう?とずっと疑問に思っていた。例えば、嫌なツイートしまくってる人をわざわざ見に行ってしまうとか、そういう心の動きだ。嫌なものについ近寄ってしまうのはなぜなんだろう?

 そこで、「人には敵を排除するために敵に近づく性質があり、敵に近づいたあと敵を排除できないと、その場に留まってしまうというバグがあるのではないか?」という仮定が

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やわらかい食べ物と資本主義のやさしさ

やわらかい食べ物と資本主義のやさしさ

 自分は資本主義のやさしさを歯で感じていた、という話と、資本主義のやさしさの話をする。

 歯が悪くなったのをしばらく放置していた。この前やっと歯医者に行ったのだけど、医者に行く前と後では食べられるものが全然違うことがわかって、世界が変わった気がして嬉しかった。

 歯が悪いときには、自然とやわらかい食べ物ばかりを探していた。日本は高齢者にやさしい国なので、やわらかい食べ物を探すのは難しいことでは

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時間軸と人間性、あるいは気づきの話

時間軸と人間性、あるいは気づきの話

 人は情報を食うと気づきになり、過去や未来から情報がダウンロードできるのではないか?という話をする。わけがわからないと思うが、すごく面白い話なので聞いてほしい。

 最近、人間の精神性は時間によって作られていることがわかってすごくびっくりした。
 多分「当たり前だろそんなの」と思う人も多いと思う。でも自分はマジで本当に知らなくて、「こっちの方向、動けるの!?」ってなった。二次元平面に生きる生物が三

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アルベール・カミュ「異邦人」の映画版(ルキノ・ヴィスコンティ作)を見てきたよという話

アルベール・カミュ「異邦人」の映画版(ルキノ・ヴィスコンティ作)を見てきたよという話

 ルキノ・ヴィスコンティ氏が撮った、アルベール・カミュ作の「異邦人」の映画を見ました。自分は映画には全く詳しくないのだけれど、カミュの「異邦人」については偏執的なまでに好きな作品なので、今回映画版を見れてとても嬉しい。
 早稲田松竹が7/3〜7/9までヴィスコンティ祭りをやってるらしいので、全人類見てください。
http://wasedashochiku.co.jp/archives/schedu

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所有が苦手なのでコンビニ(広義)を増やしたい

所有が苦手なのでコンビニ(広義)を増やしたい

 何かを持っていることが苦手だ。正確には、昔自分が何を持っていて、どこにそれを保存していたかを覚えておくのが苦手だ。だから、必要なものはその都度現地で買えるか借りれる世界になってほしいと思っている。

 よくイヤホンをなくす。買っても買ってもなくすから、出先では音楽を聞かない。どうしても音が聞きたいとき、コンビニでイヤホンを買う。東京はコンビニがどこにでもあるから、いつでもイヤホンが買える。「金さ

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「電気サーカス」を読んだ

「電気サーカス」を読んだ

 「電気サーカス(唐辺葉介)」を読んだ。とても面白い話だけど、かなり露悪的な「電気サーカス」なので、万人におすすめできる感じではないなあというのが全体としての感想。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00GU6A8YG/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_Dmw9FbYGW5QCM

 向精神薬乱用やら、(当時の)合法ドラッグやら、酒びたりやら、セックスやら、暴力

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カルピスの出し方と薄め方の文化について

カルピスの出し方と薄め方の文化について

 ここでいうカルピスは、アウトプットされた思考のことをいう。

 いわゆるオタク(専門家集団)の文化では、各人のカルピスは薄めずに出すのが礼儀である。それぞれこだわりのカルピスを市場に出して、客がそれぞれ自分で持ってきた水で好きなように薄める。オタクがそうするのは、客の舌を尊重するからである。カルピスを提供する側から濃度を指定するのは、客を尊重していないという考え。

 対して、非オタク集団では、

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