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動物は"楽園"に耐えられないという話

 ネズミ社会の実験で、「外敵や病気などの驚異がない、生きることに全く不自由がない楽園を作ったらネズミ社会はどうなるか?」という実験を行った人がいるそうな。
 結論から言うと、そんな社会はすべて滅びた。25回やってすべて滅びた。


 自分は日本社会に対して、「日本人が幸福度低いのは、生死に関わるような危機が少なすぎて”生きてて良かったー!”と実感できる人の濃度が低いから」だと思っているのだけど、この実験結果はそんな”楽園”を維持した社会は滅びる、という結果に思える。

 少し前は地震などの自然災害が「生死に関わるような危機」の役目を果たしてたのだと思うけれども、震度6弱だと死者すら出ないような現代日本ではかなりこの”楽園”が成立してしまうのでは???そして実験通り滅びつつあるのでは???という気持ちがある。

 自分は安心安全な楽園、ニッポンを愛している。個人的には、これの対処法として「毒を舐めるようなエンターテイメントを流行らす」しかないのではと思っている。生死の境を擬似的にさまよわせる仕組み。
 「毒を舐める」というのは人間が健康なのがスタンダードでないと成立しなくて、例えばメンヘラがブロン過剰服薬するとかがこれにあたる、健康な若者が、薬局に売っている合法薬物を異様な服薬して故意に自己を傷つけるエンターテイメント。
 ブロンODとかは実際の人類に害を及ぼすので、もっと架空のエンターテイメント寄りのほうがいい。例えばNeedy Girl Overdose の超てんちゃんがエンディングで傷を残すような。タコピーの原罪でいろんな子供たちがボコボコにされるのを見守るような。プロ野球で推しが突然戦力外通告されて、愛する人を失った気持ちになるような。

 気持ちの悪い、最悪な体験を届けるというエンターテイメントは、今後流行るんじゃないかなって思ってる。健康な人間ばかりで、ちょっと毒をなめても生死をさまよわない裕福な人間ばかりの”楽園”では、苦味がエンターテイメントになる。


人間の資本が増えます。よろしくお願いします。