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カルピスの出し方と薄め方の文化について

 ここでいうカルピスは、アウトプットされた思考のことをいう。

 いわゆるオタク(専門家集団)の文化では、各人のカルピスは薄めずに出すのが礼儀である。それぞれこだわりのカルピスを市場に出して、客がそれぞれ自分で持ってきた水で好きなように薄める。オタクがそうするのは、客の舌を尊重するからである。カルピスを提供する側から濃度を指定するのは、客を尊重していないという考え。


 対して、非オタク集団では、カルピスはあらかじめ薄めるのが礼儀である。カルピスのラベルに「これは○倍濃縮です」「○倍の水で薄めてください」と書き、かつその等倍でちゃんと薄めたカルピスを出す。これは、客の決断コストを省くことが礼儀であるという認識によるものである。一般に、決断コストというものはめちゃくちゃ高いので、これは正しい。場合によっては、必要以上に薄めたカルピスを「カロリーオフ」として売ることもできるので、販売側としては好都合である。


 濃厚カルピス生み出しがちマンに、カルピス薄め代行業の営業に行くのは正しい気がしている。ただ、カルピス薄めはオタク文化では禁忌にあたるので、「布教のためにはカルピス薄めは必須なのだ」ということをきちんと説明してからでなくてはならない。

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