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高齢になる前に知っておくべきリハビリ・ケアの考え方

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【本マガジンの対象】 ご高齢者のご家族、これから高齢期を迎える方、要支援・要介護の方、OTS
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#作業療法士学生

変化にこころがついていかない、その時作業療法士は?(高齢者リハビリの話)

変化にこころがついていかない、その時作業療法士は?(高齢者リハビリの話)

今回の記事は…

ayaさんの記事↓に「なるほど!」と感じて

影響を受けて書いた記事↓がこちら

また、考えるところがあり深堀りしていきます。

変化に適応することも高齢者リハビリというお話でした。

その変化とは

老化・疾患後遺症による心身の変化でした。

ひとは成長も含めて刻々と変化しており

自分自身もその変化に気づくことで

変化へ対応したり

変化した身体で生活に適応していくというも

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高齢期リハビリは生活自体に注目してみませんか?

高齢期リハビリは生活自体に注目してみませんか?

今回は作業療法士として高齢者の生活と健康についてお話しいたしますね。

では、まず…

生活をパズルとしますよ。

↑パズルですね。

このピースひとつひとつが生活活動としましょう。

いろんなピースがありますよ。

3つに分けますと

セルフケアピース

食事
入浴
整容(歯磨き、洗顔など)
更衣
排泄

生産活動ピース

仕事・家事など

余暇活動ピース

趣味、休息など

となります。

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【高齢期リハ・ケア】生活のバランスはとれていますか?

【高齢期リハ・ケア】生活のバランスはとれていますか?

今回は生活のバランス(作業バランス)についてお話しますね。

実はリハビリで大事なことのひとつは

生活の仕方

なんです。

生活の仕方で心身は変わるんです。

本題に入りますね。

私達の生活は以下のような要素で

構成されているとします。

生活の構成要素セルフケア(食事、排泄、入浴、更衣、整容)

生産活動(仕事・勉強、家事など)

余暇活動(趣味、休息など)

40代男性の生活バランス(

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【高齢期ケア・リハ】生活リハビリは砂山

【高齢期ケア・リハ】生活リハビリは砂山

リハビリテーションは毎日の積み重ね

という側面があります。

生理身体面(栄養・水分・睡眠・運動)

セルフケア(食事・整容・入浴・排泄・更衣)

生産活動(家事・仕事)

余暇活動(趣味・休息など)

の積み重ねで

当人の心身が作られていきます。

そして

老化すると部分的にできないことが

増えてきます。

介護保険サービスの役割そこでこんな方法で

できないこと再開してみましょうか

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【訪問リハビリ】進行性疾患の環境調整はほんとに難しい

【訪問リハビリ】進行性疾患の環境調整はほんとに難しい

訪問リハビリでみる進行性疾患進行性の疾患は数多ありますが

訪問リハビリでは次のような疾患の方が

多いように思います。

パーキンソン病

脊髄小脳変性症

大脳基底核変性症

筋萎縮性側索硬化症

関節リウマチ

ほとんどが神経性進行疾患ですね。

進行スピードは十人十色
進行のスピードも様々で

特にパーキンソン病は百人百様といわれるほど

症状の出方、進行具合は個人差があります。

薬や生

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【高齢期ケア・リハ】人生100年の楽しみ方

【高齢期ケア・リハ】人生100年の楽しみ方

寿命が伸びれば伸びるほど

生活障害(生活につまずきができる)

の期間が多くなる可能性がありますね。

たとえば下のグラフ

人生100年とすると以下の期間があるとします。

1.自立した生活が送れる期間
(いわゆる健康寿命)

2.少し生活に手助けがいる期間

3.かなり生活に手助けがいる期間

世の中の風潮1.自立した生活が送れる
(いわゆる健康寿命)

の期間を増やすことは重要ですね。

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【高齢期リハビリ】ほんとにあった怖い話

【高齢期リハビリ】ほんとにあった怖い話

自宅では伝い歩きで洗濯、料理ができる方



ショートステイ(特養への短期入所)では

車椅子移動に加え

なんと排泄介助までされてたそうです。

※家での生活や能力は在宅チームから

特養に申し送りしてたそうです。

完全な生活不活発病施設生活数日後、自宅に帰ってきた際

なんとかかんとか歩ける程度で

一時的に家事ができなくなりました。

ショートステイは家に帰ることが前提なので

少なくと

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【高齢期リハビリ】リハビリ効果を家で反映させるには?

【高齢期リハビリ】リハビリ効果を家で反映させるには?

通所で行ったリハビリは

仕掛けがないと在宅生活には

反映しないことが多いのではないでしょうか?

自宅でリハビリ効果が反映しない例たとえば①

施設では歩いてトイレに行ける方ですが

家では車椅子で移動している方。

理由は

日中、ひとり。転倒したらひとりで対処できるか

不安があるから。

そのため

在宅で万が一、転倒しても自己対処できる

環境づくりや心理的抵抗を減らす

仕掛けが必要

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【高齢期リハビリ】椅子って大事なんですよ

【高齢期リハビリ】椅子って大事なんですよ

訪問リハビリに携わってますと

椅子って大事だなとつくづく感じます。

現場でも椅子の選定にはものすごく

頭を使います。

たとえば座面がくるくる回る椅子↓

座って椅子を移動させられない方には

いいですね。

パーキンソン中期の方に勧めたりします。

↓こちらも座面くるくるのキャスター付

便利なんですが手を肘掛けに置きながら

よいしょと座ると

椅子が移動して座りそこねることがあります。

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【高齢期リハビリ】はじめまして作業療法士です

【高齢期リハビリ】はじめまして作業療法士です

作業療法士なんて仕事は

ほぼほぼ社会的に認知されてないんでは

ないでしょうか。

作業療法士?

「何のお仕事されてるんですか?」

と人に尋ねられたとき、

「作業療法士です。」

と答えると

「ああ、大変な仕事ですね。」

と言われることが多々あります。

私はザワザワっとします。

それは

わたしが抱いている職種イメージと

人が持っている職種イメージは

悲しいかな

ほぼ100%

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【高齢期リハビリ】悪いところは治していこう

【高齢期リハビリ】悪いところは治していこう

エアコン修理の技術者は

壊れているエアコンの部位を突き止めて

修理、調整、部品交換などを行います。

医師は

問診・各種検査から疾患を特定して

疾患に対して

あるいは

症状に対して

薬や外科治療などを行います。

※生活指導はちょっとおいときます。

還元主義このように

悪いところや不具合をみつけて

治す(直す)ことを還元主義と

呼ぶそうです。

リハビリにおける還元主義ではリ

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【高齢者リハ・ケア】できる感覚を育てる

【高齢者リハ・ケア】できる感覚を育てる

今回は自己効力感のお話です。

例えば、

エベレスト登れますか?

と聞かれたら

「いやいや、無理無理」

って答えますよね。

では

近くにある300mの山は登れますか?

と聞かれたら

「うーんしんどそうやけど登れそう。」

と答えることができます。

できる感覚
どちらも直面する物事に対しての

「できるかな。」

「できないかな。」

を判断をしてますね。

この

「できる(でき

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【高齢期リハビリ】信仰心の強いご利用者さん

【高齢期リハビリ】信仰心の強いご利用者さん

訪問リハビリのご利用者さんは

当たり前ですが

信仰されている宗教があります。

今回は宗教とリハビリのお話です。

私はといえばうちは基本浄土宗ですが

わたし自身はクリスマスを祝ったり

お寺や神社にお参りしたり

特定の神様や仏様に対して信仰心は

ありません。

信仰心の強いご利用者信仰心が一般的な家庭の方よりも

強いご利用者の印象は

「価値観が確立されている」

です。

具体的に

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【高齢期ケア】否定は毒

【高齢期ケア】否定は毒

人を否定することの影響「お前はダメやわ。」

「アホやな、お前は。何やってもあかんわ。」

と、周囲から毎日何度も言われると

おそらく大抵の人は

「私はダメ人間。」 

「何をやってもうまくいかない。」

と自分を否定するようになると思います。

高齢者も同じ否定は毒これを

要介護の高齢者に置き換えます。

できないことが増え

何かにつかまらないと歩けない状態

になったときに

家族から

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