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レントよりゆったりと〔随想録〕

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#宗教

今後の個人活動についてのご報告

今後の個人活動についてのご報告

いつもお世話になっております、矢口れんとです。

創作にまとまった時間を取れず、やきもきする日々が続いています。せっかく記事にリアクションをいただいても、相手方の記事まで読みに行くことも難しく、note内の活動が広がっていかないことに悔しさを滲ませています。

創作者として死活にかかわる問題かも、、、などと考え始めてから、そう短くない時間が経過しました。文芸を中心に据え、音楽や絵画や舞踊などの芸術

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死と愛とソリチュード【エッセイ】

死と愛とソリチュード【エッセイ】

死ぬまでにしたいことリストを作るとしたら「金沢21世紀美術館の再訪」はかなり上位に来ると思う。自分の中の核、本質のような部分が求めてやまない作品がここにある。
恒久展示作品のひとつ《L'Origine du monde》という穴。穴だ。長径7mもあるでっかい穴。
フランス語で「世界の起源」という意味らしい。でもここでは意味などはどうでも良い。
コンクリートの斜面に掘られた窪みに青黒い顔料が塗られて

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詩の神さまに顔向けを 【エッセイ】

詩の神さまに顔向けを 【エッセイ】

少し前に、とある詩誌をめぐっての諍いを目撃した。僕はその雑誌に投稿したことがなかったので傍観していたのだが、テーマ自体は看過できないものだった。
概要はこうだ。詩誌Aで詩人Bの作品が受賞した。詩人CがBの作品について「あれは詩ですか?」とSNS上で疑問を投げかけた。Bがそれに気づき、まずCと穏やかに議論していた。そこに詩誌Aの運営者が割り込んできて、Bを擁護しつつCにやや批判的な言葉を投げた。そこ

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顕れる僕、潜る僕【エッセイ】

顕れる僕、潜る僕【エッセイ】

2021年も残り僅かになってきて、意識せずとも勝手に1年間を振り返ってしまう。昨年から大きな環境の変化はなかった。ウイルスをめぐる社会情勢は日々変容していったものの、個人の単位においては生活リズム、活動範囲、気をつけなきゃならないこと、どれにおいても昨年から引き継いだものばかり。

しかし心境の面では大きな変化があったと言って良いかもしれない。4〜5年ほど前から「潜る」という言葉が好きになって、今

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【エッセイ】990からの物差し

【エッセイ】990からの物差し

喧騒を離れて温泉宿に来ている。いちどは「都会の喧騒」とか言ってみたいものだが、残念ながら僕の住居があるところは都会ではない。とはいえ社会活動を少し離れるだけで、身体感覚がだいぶ変わってくる。呼吸、心拍、歩行、食事、、、動物として根源的な活動の割合がぐんと上がる。乱暴に言うと日々考えていることの大部分がどうでも良くなってくる。人間は基本的に社会的な思考に毒されすぎなのだと思う。

温泉宿から日本一高

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【エッセイ】セーラーマーズ考

【エッセイ】セーラーマーズ考

パズルのラストピースを見つけたような感覚を得たときの独特な喜びがある。過去の体験や蓄積のなかで解決しなかったモヤモヤした領域、そこにピッタリとハマる、他の新体験や未知の知見を得たとき、全ての図柄が揃って積年の霧が晴れていくことがあるだろう。本日はそのようなお話で、お分かりの通りテンションが少し前のめりである。暴れ馬の手綱を引くような気持ちでこの文章を書いている。僕がどこかへ飛んでいってしまってもど

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すべては作品の利益のために【エッセイ】

すべては作品の利益のために【エッセイ】

創作活動にインプット/アウトプットの作業があることに異議を挟む人はいないと思う。
最近自身が作品を発表できていないのはインプットに勤しんでいるから、と言えば言い訳に聞こえるかもしれない。
ただインプットというものはなかなか困難な作業である。脳に語を入れる、文を入れる、物語を入れる、発想を取り入れる、くらいならさほど手間にもならなそうだが、インプットするものが新しい概念だったり、肌に馴染みのない思想

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火の揺らめきが届く範囲で生きたい【エッセイ】

火の揺らめきが届く範囲で生きたい【エッセイ】

ひと昔前のことだが、アロマセラピーにハマった時期がある。お気に入りのオイルはベルガモットとローズマリーだった。自分にとってはこの2つがまさに双璧で、作用なんかを調べては他のオイルを格上げしてみようと画策してみたのだが、体は正直なもので長続きしない。「理屈じゃねぇんだよ」と左大臣、「大人しく我らに従え」と右大臣。香りほど論理の通じない五感はないと思う。

アロマオイルの名はそっくりそのまま詩的言語に

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