まなこ

killmilkyというバンドでうたっています。小森まなこ

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killmilkyというバンドでうたっています。小森まなこ

記事一覧

いつだって星の光のとおさに僕たちは慄いている

最近とにかく物を手放したくて、その日は服をたくさん手放そうと思った。ダイソーで買える一番大きなサイズの、IKEAみたいな袋に、パンパンに服と靴を詰め込んで、下北沢に…

まなこ
3週間前
15

瓦礫

毎日通りかかるたびに観察していた近所の解体中の家が全て壊されて瓦礫の山になっていた 瓦礫の上にだれかの自転車が放り投げてある ついこの前まで家として存在していたど…

まなこ
1か月前
10

アラベスク

この世に自分が置いたなにかが漂い続けるのがいつも怖くて、結局、形のあるものが怖いんです。 もう2度と見たくないほど好きな映画はリリイ・シュシュのすべて、もう2度と…

まなこ
1か月前
11

のろい

夜、泣きながら必死に紡いでいた言葉の重さを覚えている。それが、そらの広さを示す言葉と同じくらい無意味な羅列であったとしても、僕はその羅列の意味を考えていたいと思…

まなこ
4か月前
12

ピンクのチューリップ

おはよう。君の好きな遊園地が閉園するらしいよ、何していたの?寝ていたよ。そうなんだ。全部夢だった。いままでのこと、全部夢だったのか。なんだ。よかった。全部何もな…

まなこ
5か月前
15

灰だらけの土地で

noteの下書きに保存してある適当なものを開くと、大体何も文字が入力されていないのだが、noteのデフォルトの設定で「ご自由にお書きください」と薄いグレーで記入されてお…

まなこ
5か月前
10

拝啓、カルーセルエルドラド様

としまえんが閉園するときに書いたものが 出てきたので載せておく。

300
まなこ
5か月前
9

はなが咲いたよ

ねえ、誰かに大切に思われることって素敵だと思わない?思うよね。私は思うよ。思わないか。思わないかな。誰かがきみやわたしやみんなをたいせつにおもっていることって、…

まなこ
6か月前
14

根元から落ちる雫も

あの映画を観てポロポロと泣いたとき、同じ雫がポツポツと降ってきたときの美しさを覚えている?あの服を着て涙ぐんだ時、見つけた言葉の美しさを覚えている?好きな漫画を…

まなこ
6か月前
13

坦々たる

くらい気持ちがたまったときはnoteを書いていたんだけど、最近はthreadsで小刻みに気持ちの発散をしているせいで全然書くことがなくなった。つまらないこともうれしくない…

まなこ
6か月前
13

無題

わたしは夜になるととにかく眠りにつくまでに時間がかかるのですが、それは実際には眠れないというか眠る支度ができないという感じです。お昼寝とかならすぐに眠れます。眠…

まなこ
1年前
10

無題

人といると疲れてしまうのに一人でいるのは寂しくて虚しくて堪らなくなる こんな虚しい気持ちやどうしようもない夜をみんなはどうやって乗り越えているんですか??いわゆ…

まなこ
1年前
10

1K

4月中旬から始まった五月病は、しっかり身体を蝕んで1日に何度もつばを吐き出す生活をいまだ続けている。 2度も病院へ行ったのに風邪ですとしか言われない。体調不良のせい…

まなこ
1年前
9

2022年

2022年の年末に、とても充実した年だったから記録に残しておこう…と思って書き始めたのにめちゃくちゃめんどくさくなってしまって半年まで書き出してやめたやつがあったの…

まなこ
1年前
12

何もない

命には何もない 命には何もない 命には何もない 命には何もない 何もないということをみんな満足げに得意げに話すらしい 命には何もない 命には何もないのに 命には何もな…

まなこ
2年前
7

星空にみえた君の内臓があまりにも綺麗だったんで、君の横顔を思い出しています。君の内臓はくらくらするような綺麗なピンク色でした。あの時に見たララのことを想起させま…

まなこ
2年前
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いつだって星の光のとおさに僕たちは慄いている

いつだって星の光のとおさに僕たちは慄いている

最近とにかく物を手放したくて、その日は服をたくさん手放そうと思った。ダイソーで買える一番大きなサイズの、IKEAみたいな袋に、パンパンに服と靴を詰め込んで、下北沢に持って行った。わたしはどうしたって“捨てる”ってことが難しい。あんなにたくさん思い出の詰まった服が、たったの数千円にしかならなかったけど、物を手放すってそういうことだよね。知らない誰かが着たり、私の知らないところでうまく処分したりしても

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瓦礫

瓦礫

毎日通りかかるたびに観察していた近所の解体中の家が全て壊されて瓦礫の山になっていた
瓦礫の上にだれかの自転車が放り投げてある
ついこの前まで家として存在していたどころか、人が住んでいたような気がしたんだけど、ものの数日でただのボロボロのコンクリートの集合になった。家としての機能が、ただの集合した物体になっていく。この集合したコンクリートすら片付けられて、数日後には空き地になる。その空虚な感じが怖く

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アラベスク

アラベスク

この世に自分が置いたなにかが漂い続けるのがいつも怖くて、結局、形のあるものが怖いんです。

もう2度と見たくないほど好きな映画はリリイ・シュシュのすべて、もう2度と読みたくないほど好きな本はヘヴン、もう2度と触れたくないほど好きな記憶から、逃避行の準備をしながら生きている。

吉田修一の『悪人』を読んだ。あと少しタイミングが早ければよかったのに、もしくは、遅ければよかったのに、という心当たりがあま

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のろい

のろい

夜、泣きながら必死に紡いでいた言葉の重さを覚えている。それが、そらの広さを示す言葉と同じくらい無意味な羅列であったとしても、僕はその羅列の意味を考えていたいと思う。僕たちは、うっかりしているから、大切なことを忘れてしまうんだね。あの時のハンカチの色を覚えているか?夜中のディスカウントストアーで買ったチョコレートの銘柄はなんだっただろうか?リュックに安全ピンでつけていたマスコットと目が合う。あーあ、

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ピンクのチューリップ

ピンクのチューリップ

おはよう。君の好きな遊園地が閉園するらしいよ、何していたの?寝ていたよ。そうなんだ。全部夢だった。いままでのこと、全部夢だったのか。なんだ。よかった。全部何もなかったんだ。この狂った数年間のことを思い出す。全て夢だったようだ。だっておかしかった。変じゃんね(笑)そしてまたすぐ次の夏、週末になった。安心して君の家まで地下鉄で向かう。めちゃくちゃ階段を降りなきゃいけないんだよね。何号室だったっけ、一緒

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灰だらけの土地で

灰だらけの土地で

noteの下書きに保存してある適当なものを開くと、大体何も文字が入力されていないのだが、noteのデフォルトの設定で「ご自由にお書きください」と薄いグレーで記入されており、それをみるたびに心臓が痛くなる。
なぜ自分のことを大切にできないんだと思う?幸せって、どうして幸せになれないんだろう、などと考えたら、そこから幸せの中と外が発生してしまうので、だから、それで、あまり幸せについては考えない方がいい

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拝啓、カルーセルエルドラド様

拝啓、カルーセルエルドラド様

としまえんが閉園するときに書いたものが
出てきたので載せておく。

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はなが咲いたよ

はなが咲いたよ

ねえ、誰かに大切に思われることって素敵だと思わない?思うよね。私は思うよ。思わないか。思わないかな。誰かがきみやわたしやみんなをたいせつにおもっていることって、言わなきゃ伝わらないんだね。言わなきゃいけないことなんてないんだよ。でもそうなんだ。きみがヨボヨボになったら、わたしは隣で何にも言わずに、野菜が溶けて無くなっちゃうカレーを作りたいって思うよ。毎日カレーを食べようよ。好きでしょう。たまにカレ

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根元から落ちる雫も

根元から落ちる雫も

あの映画を観てポロポロと泣いたとき、同じ雫がポツポツと降ってきたときの美しさを覚えている?あの服を着て涙ぐんだ時、見つけた言葉の美しさを覚えている?好きな漫画を共有したごときで、全てを分かり合えるような気持ちになっていた蒼き日々を覚えている?4月のプールの静けさと、廃れた遊園地の寂しさと、そこにあった愛おしさを、覚えている。映画の結末を覚えられないってこと、それは脳におかしなところがあるからなので

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坦々たる

坦々たる

くらい気持ちがたまったときはnoteを書いていたんだけど、最近はthreadsで小刻みに気持ちの発散をしているせいで全然書くことがなくなった。つまらないこともうれしくないことも、やや嬉しいこともやや悲しいことも、全部ちまちまと何のためにもならない場で発散しているせいで、noteに書きたいことが一つも無くなった。
これって、noteに書くことがなくなったというわかりやすい事象に現れているだけで、実際

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無題

無題

わたしは夜になるととにかく眠りにつくまでに時間がかかるのですが、それは実際には眠れないというか眠る支度ができないという感じです。お昼寝とかならすぐに眠れます。眠る支度すっ飛ばせるからだと思います。夜だと眠る支度をする必要がありますが、眠る支度ができません。以前も言ったようにわたしは今日が終わってしまうのがいつも怖いので、明日が来る前提の行動ができないんだと思います。これは全部多分の話です、私にもわ

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無題

無題

人といると疲れてしまうのに一人でいるのは寂しくて虚しくて堪らなくなる
こんな虚しい気持ちやどうしようもない夜をみんなはどうやって乗り越えているんですか??いわゆる健康的な人は夜になったら寝て朝になったら起きるんだろうし、不安な夜にわたしが考えているほど、人間が生きている意味なんてみんな平等に特にない
やらなきゃいけないことが常に頭の片隅にあるのに、何もできなくてベッドの上にいて
ダラダラしているこ

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1K

1K

4月中旬から始まった五月病は、しっかり身体を蝕んで1日に何度もつばを吐き出す生活をいまだ続けている。
2度も病院へ行ったのに風邪ですとしか言われない。体調不良のせいで5月頭にキャンセルをした通院3回目になる予定だった歯医者は、再度連絡をする気力がすっかり失せてしまい、未治療の虫歯があと2本あるということを強く意識した生活を送っている。
先週はもうすぐ赤ちゃんが一歳になる親友の家に遊びに行った。私の

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2022年

2022年

2022年の年末に、とても充実した年だったから記録に残しておこう…と思って書き始めたのにめちゃくちゃめんどくさくなってしまって半年まで書き出してやめたやつがあったのでせっかくなので加筆もせず残しておきます。

1月
希望と楽しみいっぱいの年明け、私にしては珍しくいかにもハッピーといったかんじだった。呪縛からの解放。呪われた一年がやっと終わった。気がした。たくさんライブに行き酒を飲み、展示や映画を観

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何もない

命には何もない
命には何もない
命には何もない
命には何もない
何もないということをみんな満足げに得意げに話すらしい
命には何もない
命には何もないのに
命には何もないのに
命なんか何にもならないのに
生きてるだけで罪なのに
何もないままみんな生きていけば良い
誰のことも傷つけないでください
全て知らないふりをしてください
生きてるだけで誰かを傷つけるのに
何もないくせに命は偉そうで腹が立ちます

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鼠

星空にみえた君の内臓があまりにも綺麗だったんで、君の横顔を思い出しています。君の内臓はくらくらするような綺麗なピンク色でした。あの時に見たララのことを想起させます。君のことは思い出せないのでそれはまるきり嘘の記憶ですが、君に本当のことなど何一つなかったので全てが嘘ではなくなる唯一の夜がきます。全ての記憶は改竄されていきます。記憶はフィクションであり、改竄とも推敲とも言えます。ベトナムコーヒーの甘っ

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