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アラベスク

この世に自分が置いたなにかが漂い続けるのがいつも怖くて、結局、形のあるものが怖いんです。

もう2度と見たくないほど好きな映画はリリイ・シュシュのすべて、もう2度と読みたくないほど好きな本はヘヴン、もう2度と触れたくないほど好きな記憶から、逃避行の準備をしながら生きている。


吉田修一の『悪人』を読んだ。あと少しタイミングが早ければよかったのに、もしくは、遅ければよかったのに、という心当たりがあまりに生きている中で多すぎる。ジャストタイミングで何かが起きてくれることってこの先の人生であるのかな?わかんないよね。みんな1人で立つことはできているんだろうか。悪とか愛とか善とかよく分からないよね。わからないってことだけはわかるから、怖いよね。光代のことを考えていたら、遠藤周作の本に出てくる森田ミツのことを思い出した。苦しい。

わたしは、もらったお花をすぐにドライフラワーにしてしまうんです。枯れちゃったら悲しいから、枯れるくらいなら最初から逆さに吊るして枯らしてしまうの。死なないで美しいままでいるのって、わかんないけど、多分無理なんだよ。
だから、祐一が光代の首を絞める最後、わかるって思った。理由は全然違うけど、むしろ真逆なのかもしれないけど、わかるんだよ。

この前、人相占いの人に、あなたは吊り目なので、感情の起伏が激しいでしょ。と言われて、なんかそれはズルじゃんーって思いました。アイラインをなるべくタレ目にかいてみます。感情の起伏などないほうが助かるからです。

おやすみ。

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