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ピンクのチューリップ

おはよう。君の好きな遊園地が閉園するらしいよ、何していたの?寝ていたよ。そうなんだ。全部夢だった。いままでのこと、全部夢だったのか。なんだ。よかった。全部何もなかったんだ。この狂った数年間のことを思い出す。全て夢だったようだ。だっておかしかった。変じゃんね(笑)そしてまたすぐ次の夏、週末になった。安心して君の家まで地下鉄で向かう。めちゃくちゃ階段を降りなきゃいけないんだよね。何号室だったっけ、一緒に食べたゴム毬みたいに重い、上野の電池の味が思い出せない…その時恐ろしいことに気がついたんだけど、全部夢だとおもっていた狂った日々は、本当に夢だったんだよね(笑)起きたら私は女子高生になっていた。なってない、女子高生だった。何もかもが夢だった。ぐちゃぐちゃの勉強机に飛び乗ってボロボロになった国立大の赤本で、家中のトイレというトイレの便座を洗った。バスマジックリンで。この世は全て代替品でいける。冷蔵庫の中の、半額になったメイトーのなめらかプリン。メイトーのなめらかプリンになりたいなぁ!それだけが本物だからだ。私が家に帰るのが苦手なのは、全部が嘘だからだ。みんななんで時間が来ると家に帰るの?時間ってなんなの。用事が済んだら帰ったらいいのにね。また夜が明けちゃったとき、どうしたらいいの。

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