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#言葉

寄り添うような言葉をえらぶ

寄り添うような言葉をえらぶ

大野萌子 著『よけいなひと言を好かれるセリフに変える 言いかえ図鑑』を読み終えました。

本書では話の聞き方、注意の仕方、頼み事など場面に応じた例を出しながら、好かれる言葉への言いかえ紹介しています。

好かれる言葉の反対は、嫌われる言葉。

相手を不快にさせる言葉には次のような特徴があります。

・上から目線(~しといて)
・思い込み(~なのに)
・決めつけ(~でしょ)
・命令(~しなさい)

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苦味も渋味もある人生に、ほっとする甘味の一口を。

青山美智子『月曜日の抹茶カフェ』、読了。
東京と京都をつなぐ、12ヵ月12編の物語です。

●印象に残った一文

この世に生まれ落ちたときから、僕たちはただどこまでも繋がり続けている。

本作は、同著者『木曜日にはココアを』の続編です。
読み終えた時、京都での茶道体験を思い出しました。

茶道の世界から生まれた「一期一会」という言葉。
いま、この時間に集う人との関係は二度と同じものはない、一度きり

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辞書を製作する人が、言葉をうまく使えるとは限らない

辞書を製作する人が、言葉をうまく使えるとは限らない

しかし不器用でも、真剣な言葉こそが、胸に響く。

三浦しをん『舟を編む』、読了。

新しい辞書『大渡海』の出版に向けた長い長い旅の話。
辞書作りに向き合う様々な人たちの情熱や心模様が、文字を、言葉を通して伝わってくる。

主人公の馬締の不器用さが、愛おしい。

そして西岡さんの立ち位置が絶妙。

仕事とは、関わるすべての人の協力があってこそ成り立つもの。
2人の関係を見ていて、なんだかラーメンズの

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たまには、うにうに。

たまには、うにうに。

住野よる『麦本三歩の好きなもの 第二集』、読了。

三歩の何気ない日常に、癒されました。

自身の日常の疲れが、物語とはいえ誰かの日常を知ることで癒されるとは。なんだか不思議なものです。

●印象に残った一文

何も届かなくてもいい、ちょっとだけ生きる責任を持ってあげられたらいい。

お隣さんとの関係性に関する話で出てきた一文。
たまたま玄関先で会えば、挨拶をするくらい。
しかし、壁一枚を隔てて、

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誰と一緒にいる時の「あなた」が好きですか?

誰と一緒にいる時の「あなた」が好きですか?

平野啓一郎 著『私とは何か 「個人」から「分人」へ』、読了。

●印象に残った言葉

好きな分人が一つでも二つでもあれば、そこを足場に生きていけばいい。(本文より)

優しくて、しなやかに心を支えてくれる言葉です。

人間関係において、わたしたちは相手次第で自然と様々な自分になります。
本書の「分人」とは、対人関係の中で生じるその複数の人格のことです。

家庭で、パートナーや子ども、両親、きょうだ

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