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#生きる

聞いてアロエリーナ♪ちょっと言いにくいんだけど♪

聞いてアロエリーナ♪ちょっと言いにくいんだけど♪

満身創痍の中で紡がれた岸田さんの言葉は、読み手に気づきと笑顔と勇気を与えてくれる。
そして、彼女を応援したくなる。

岸田奈美『もうあかんわ日記』、読了。

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の著者である岸田さん。
noteに書かれた令和3年3月10日から4月15日までの日々を綴ったエッセイ。
父は急逝。弟はダウン症。
母は車いすユーザー、からのコロナ禍での大手術。
そして祖父

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不要不急とあなたの「ホーム」

不要不急とあなたの「ホーム」

ここ数年で、仏教の考え方に興味を持つようになりました。
日々ストレスや生きづらさを抱える人間が、少しでも心穏やかに生きるにはどうすればよいか?
何をどう考えて、何を思って生きて行けばよいのか?
そのマインドセットを考えていたところ、仏教にたどり着きました。
昨年くらいから、Spotifyで松本紹圭さんの「テンプルモーニングラジオ」を聴いています。
そんな中、本屋でたまたま見つけた一冊。
これもご縁

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泣いて、笑って、支えて、支えられて

泣いて、笑って、支えて、支えられて

岸田奈美『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』、読了。

読書中、久々に声を出して大笑いしました。(自宅でよかった)
笑えて、ほっこりして、そしてハッとさせられる。
100文字で済むことを2,000文字で伝える作家の、自伝エッセイ。

急逝した父、車いすユーザーの母、知的障害の弟。
苦境を乗り越え、家族を支え、家族に支えられて、この家族は生きている。
読み終えた後にタイトルを見返す

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いくつもの後悔を抱えたまま、それでも人は前へ進むしかない。

いくつもの後悔を抱えたまま、それでも人は前へ進むしかない。

カツセマサヒコ『夜行秘密』、読了。
決して拭うことのできない、後悔の物語。

すべてを読み終えた後、第1章「夜行」を改めて読み返す。

”あの時、彼女の細い腕を、強引にでも掴むことができていたら。”
(本編より)

その瞬間、松田英治の心情が、一気に全身を駆け巡る。

鳥肌。

“行かないで 行かないで 夜行で駆け落ちたいよ 細い腕に絡みついた痛みも分けて欲しいから”
“夜の先に 春はなかったみた

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何かが満たされないことによる”無″よりも、全てが満たされたことで生まれる″無”の方が、たぶん恐い。

何かが満たされないことによる”無″よりも、全てが満たされたことで生まれる″無”の方が、たぶん恐い。

河野裕『さよならの言い方なんて知らない。5』

架見崎シリーズ第5弾。
ついに架見崎の真実が明らかに。

●印象に残った一文
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自分の意味を、自分で決められるのが、生きるってことだろ。
自分の意味は、自分で決めるしかないのが、生きるってことだろ。
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もし全てが自分の思い通りになる世界が存在するならば、そこで生き続けたいと思うだろうか。

満たされな

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【逃避】とは、人生を生き抜くための能力であり、本能である。

【逃避】とは、人生を生き抜くための能力であり、本能である。

山口路子『逃避の名言集』坂口安吾や岡本太郎などの著名人、映画やエッセイなど様々なジャンルから集められた、逃避にまつわる名言たち。

●印象に残った名言CHAPTER3 「家庭」から逃げたい

家庭からの逃げ場がないと家庭を守ることはできません
〜映画『家庭』〜

CHAPTER5 「世間」から逃げたい

日常生活からの逃げ場がないと人は壊れてしまいます
〜ウディ・アレン〜

CHAPTER10

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