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Kusabue/現代俳句 +AI
2022年1月29日 21:00
「 春を待つ 」~現代俳句集〜野のはてのけはい見つめて冬の鹿飛立ってまた飛んでくる寒すずめ早梅よ二階のまどのきょうあしたそしていまつむじ風吹く風邪の町無心というこころ花咲く冬すみれたんものをひろげたように川よ雪すなはまの松くろぐろとふゆの霧マンションのいっ戸いっ戸が春隣あしあとはバス停で消えけさの雪発つ鳥よ日がさしこんで狩りの山◇枝さきをぽたりぽ
2020年9月29日 19:00
「 百年のこと 」~現代語俳句集~また一人あかるみに出て十五夜よ手かざしてぬける改札きょうの月ひとの世を知ってしみじみ名月よ柿食べてにっぽんがあるむねの奥秋すずめとんとんとんと跳ねて空旅びとが吹きゆくかぎり草絮とぶとかいとはなんの栄華ぞ銀杏ちる船に風まったくもってさわやかよはるかさよ飛鳥寺まであきのそらじぶんへのいのりしすかに星月夜◇なが生きの幸
2020年8月28日 12:30
「 天球儀 」~現代語俳句集~これ以上踏みいらず山ほととぎす目つむってしずかな光ひぐらしよはるばると呼びあうことよ秋風鈴あれからのこれからの鐘へいわ祭年々よ身にしみてくるへいわの鐘たましいが呼びあってこそ迎え盆せんそうもえきびょうも越え盆踊鳥わたる見えるかぎりの山河越え京よりも奈良のふかさよあきの色星あかりたたずむ橋の名もしらずかがやいていのちの故郷
2020年7月19日 10:00
「 いつからとなく 」~現代語俳句集~みな都市を育ててばかり夏の灯よまどあけてまっただなかへ天の河柔らかにふれればともる夏の灯よ盛りつける手ゆびやわらか冷素麺おとこらに飲みほすちから生麦酒ふるさととほろぶかくごの白団扇遠ぞらよわすれた日々は蝉しぐれ嶺いつかながし去るのが梅雨の河ぜんいんの人生が夏ロックフェスえいえんに明日あるような夏浜よ◇とびうお
2020年6月14日 09:08
「 おなじ時代を 」~現代語俳句集~都市のゆたかさ村のゆたかさ夏祭ひとびとがうつくしいのは祭の夜はるかさよいまじんせいの夕涼み生きてふとたどりつくのが冷や奴那智の滝天地のものということか草笛よあしたへつづくじんるい史飛びたっておもたい尻のこがね虫ハンモックわかる地球の大きさがハンモック歳月というわすれものダイバーとひとつになった海は夏カクテルに沈んだ
2020年5月23日 12:20
「 寝静まるころ 」~現代語俳句集~えいえんにときがとまった故宮春淋しさの行きつくところ奈良よ春野にふたりだまっていても風薫る富士の山すえひろがりの涼しさよにっぽんよとおくしずかな夏の音ぼんやりとちきゅうを思う水中花ハブラシがまだいっぽんの恋よ夏あたらしい鼻歌がでてシャワー後扇風機羽根うしなったげんだいよ生涯に別れがいくつかき氷咲くいえにやがて婚ある
2020年5月12日 17:00
「故郷ほたる籠」~現代語俳句集~桃いちりん鳶舞う空に晴ればれとゆく川のさいごはひかりはるの海藤垂れてむらさきのそらしろい空せんねんのなかのことしの白藤よくっきりと富士がみえた日四月尽かたらうかコーヒー店で尽きる春はるがらがらごっとん自動販売機飛ぶひかりふたつでひとつ蝶の恋たんぽぽが現代らしく咲く日なた老画家にえがくしあわせひとり静八十八夜こころに故郷
2020年4月25日 11:11
「そだった家」~現代語俳句集~千ねんよ泣いてわらってはるの月地球から借りたからだで野に遊ぶそのはてにわらいがでたか卒業生たんぽぽとともに時代を吹く人よ雲雀野よつなぐ右手とひだり手と書きものよいずれはしまう春炬燵ねこの子と鏡のなかのねこの子と遍路杖日々はやいことはやいことときをこえ生きている人はるの墓雨おとよはるの地球の子もりうた◇蝶として羽ばたい
2020年4月4日 18:00
「オカリナ」~現代語俳句集~深空からひかりひとすじはるの滝じんるいのゆめの初めの畑打ちよ祈るとはこういうことかぼたん雪コーヒーのかおり千年おぼろの夜春あかつき逢瀬は夢でげんじつでわれわれもたいようの塔春めくよ大ホールピアノひとつが春のおと指揮棒もはずむオーケストラよ春ふるさとを深呼吸してうららかよまた一人またひとり消え春の風邪いちにちの沈黙エープリル
2020年3月18日 17:03
「 はじめての風 」~現代語俳句集~立ちあがるひと湯柱かはるの風呂春の雨流行りやまいをしずめるか傘にあめ春のにおいのゆたかさよ男らがあおぐお日さま野にあそぶ春星よかなしいものはじんるい史はるぞらのしたがふる里そして墓原子力はつでん所ごとかげろうか今日までのさいげつのおと草笛よ顔上げていのちかんじている春よ草の芽よ大地はおまえたちのもの植えた木もおおき
2020年3月8日 11:11
「 地球ごと 」~現代語俳句集~何もかもあたらしい朝うぐいすよ日だまりに木のたましいか梅の花この家にもあるものがたり飾り雛飾り雛流行りやまいもなんのそのわらうときみないちぞくよ雛の宴酒酌んで過去もみらいも春のゆめひなの宴かたらうによい月が出て耕人よおおむかしからそらのした豊じょうのゆめひとにぎり春の土耕人にかわりつづける世のなかよ◇いなかから来た
2020年2月16日 17:17
「 春あかつき 」~現代語俳句集~むこうに富士むこうに筑波草の餅はるのあめ大阪に来てみたものの一つ一つちいさな地球木の芽吹く昔とはまぶしむものよねこやなぎきたぐによ木の芽はひとつずつ光そらんじて一句のなかのはるの旅ロケットが飛びたった空まさに春居ながらにはるかな隠岐よ春夕焼はるの月絵本にゆめがあるかぎり◇のぼるまで富士ははるかか春夕焼たからづか歌
2020年1月28日 01:30
「 春の足おと」~現代語俳句集~ひとすじのひこうきぐもよ大枯野大うちゅうの小さな家の日脚伸ぶボイジャーは今どのあたり冬銀河ヘッドフォン雪舞う空の静かさよ世の中にすこしおくれて焼き芋屋飛行機がとんでいったぞ焼き芋屋あるくたびとおざかるのが一月よとおい島寒ゆうやけとともに消え家じゅうのこともろともに寄鍋よプロキオンカペラシリウス庭焚火◇霜ばしらはるば
2020年1月16日 10:00
「 白鳥座 」~現代語俳句集~しんねんをおおきくひらく朝刊よかがみ餅さかのぼること神代まで初富士と一つになったこころこそ初みくじ大ひだまりのなかにいまつながっているのはこころ初電話パスポートひとりのこらず初空へしずかさのはてのしずけさ三が日去年今年へだてて暖簾いちまいよたき火して変らないもの変るものホットティー戦争へいわそして今◇ロボットがひょこ