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現代語俳句への旅 21 ~白鳥座〜


「 白鳥座 」
~現代語俳句集~

しんねんをおおきくひらく朝刊よ

かがみ餅さかのぼること神代まで

初富士と一つになったこころこそ

初みくじ大ひだまりのなかにいま

つながっているのはこころ初電話

パスポートひとりのこらず初空へ

しずかさのはてのしずけさ三が日

去年今年へだてて暖簾いちまいよ

たき火して変らないもの変るもの

ホットティー戦争へいわそして今

ロボットがひょこひょこ歩く春隣

一人生きて身にまとうのは冬の霧

都会さえすぐ草のなか冬あたたか

じんせいがとまったままの待春よ

飛び立ったいち羽そのまま白鳥座

あれからの旅これからの置き炬燵

あなたとのけんかもいずれ春炬燵

逢いにゆくいっぽんのみち雪化粧

灯の家にだけふりつづく夜の雪よ

顔あげて地きゅうもろとも冬銀河



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