現代語俳句への旅 27 ~はじめての風~
「 はじめての風 」
~現代語俳句集~
立ちあがるひと湯柱かはるの風呂
春の雨流行りやまいをしずめるか
傘にあめ春のにおいのゆたかさよ
男らがあおぐお日さま野にあそぶ
春星よかなしいものはじんるい史
はるぞらのしたがふる里そして墓
原子力はつでん所ごとかげろうか
今日までのさいげつのおと草笛よ
顔上げていのちかんじている春よ
草の芽よ大地はおまえたちのもの
植えた木もおおきくなって弥生空
◇
四国松山ただ雲になるのどかさよ
手あわせてみなかげろうよ湯神社
頬づえをつくひと花見してきたか
舞い上がる桜ふぶきもあることよ
幸せな灯りはいくつホワイトデー
生きてこそ鳥雲に入るきょうの空
春帽ぬぐ流行りやまいの大地の上
明日葉摘むパンデミックの宣言後
疫病よおおぜいの死をわすれな草
にほんじゅうあお葉わか葉よ大昔
猫の子にはじめての風吹く路地よ
いつも
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