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現代語俳句への旅 27 ~はじめての風~


「 はじめての風 」
~現代語俳句集~

立ちあがるひと湯柱かはるの風呂

春の雨流行りやまいをしずめるか

傘にあめ春のにおいのゆたかさよ

男らがあおぐお日さま野にあそぶ

春星よかなしいものはじんるい史

はるぞらのしたがふる里そして墓

原子力はつでん所ごとかげろうか

今日までのさいげつのおと草笛よ

顔上げていのちかんじている春よ

草の芽よ大地はおまえたちのもの

植えた木もおおきくなって弥生空


四国松山ただ雲になるのどかさよ

手あわせてみなかげろうよ湯神社

頬づえをつくひと花見してきたか

舞い上がる桜ふぶきもあることよ

幸せな灯りはいくつホワイトデー

生きてこそ鳥雲に入るきょうの空

春帽ぬぐ流行りやまいの大地の上

明日葉摘むパンデミックの宣言後

疫病よおおぜいの死をわすれな草

にほんじゅうあお葉わか葉よ大昔

猫の子にはじめての風吹く路地よ



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