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Kusabue/現代俳句 +AI
2021年5月12日 18:50
「 帆はすべて 」~現代俳句集〜ほんとうの桜が観えてふぶくなか十万歩きょう良いおとのへんろ杖赤く咲いてなんのきざしの沈丁花春惜しむ路地奥に住むひととして春雷よひとりひとりがひとりの夜観潮船うずのあたりがあかるいぞ春雨よきのうは待たせ今日は待ちそもそもがいのちがけの世燕の巣その主張花でしめしてたんぽぽよ鼻うたが変わりつづけて春終わるふるさとを出た沈黙よ
2021年4月3日 14:00
「 今朝ここに 」~現代俳句集~八重桜世がながながとあかるいぞ大ざくら七日ふぶいてしずかさよ坂というさくらふぶきのただ中へ春の月おなじとおさのふるさとよ千年桜これがこどくということか花見してまぶしい今が散りやまず初ざくら世阿弥の舞ということか初花にすこしおくれていまの世よ春ゆうやけ三人ほどは見ているかこの道よ一重ばかりの落ちつばきよいひとによいことば
2021年3月19日 17:17
「 春山河 」~現代俳句集~その奥に池咲くさくら散るさくらひこう機を遠景にして野にあそぶ大宇宙ちいさく見ればたんぽぽよさんがつよ橋あるくおと川のおとまっしろな蝶にも影のしずかさよ手品師がハト出すように春めくか雛まつりあるくはやさで川ながれさいげつに押し黙るのも雛の日かこの町よ春そのままにコーヒー店呼びかけるイヤホンマイク春の空北を見ればどこまでも北鳥
2021年3月1日 04:00
「 なにかある空 」~現代俳句集~あたらしいさいげつをまた耕すかいままさに春日大社であることよただ愛の歴史よバレンタインの日終わっても終わらず今日の卒業式草ばなは摘まれるままにはるの旅町じゅうをなつかしむのが雪解よ熊本は阿蘇をはじめののどかさよ自動車が飛ぶというそら春めくか卒業歌せんそうというおろかさよふるさとの山ふるさとの山ざくらあおあおと島あおあ
2021年2月13日 15:00
「 島やがて 」~現代俳句集~にんげんもすなおに咲けよ冬の菊きょうまでの幸が不幸がはるの雪まぼろしのおととどろかす凍滝よしんしんと耳のいたさの凍て滝よほっかいどう零下四度の冬ぎんが学問もあすへあすへと木の芽どきマネキンのとわの静止よぼたん雪しみじみと大ぞらのした雲雀ヶ丘鳶だけが飛んでいる島うららかよ北方領土雪ふりつづきふりやまず歯舞群島ひとつにこおる
2021年1月11日 17:00
「 晴ればれと 」~現代俳句集~大風邪の世のなかはまだ夜の中か身について夕空いろのセーターよこの星をあたたかくするしら息かいまの世よだまったままの冬の月着ぶくれておおぞらを見て純朴かぼろぼろよ芽吹きまぢかの大枯野心から浮いたここちの柚子風呂かはじまりのひとりをたたえ聖歌隊富める者ますます富むか聖夜の鐘りんりんと橇が聖夜をりんりんと◇お歳暮よおもい
2020年12月17日 17:35
「 明らかに鶴 」~現代語俳句集~平和通りいまは静かに木の葉降れ恋二人セーターに陽があたるまであるときは嶺々あるときは冬光よコート着て都会は都会富士は富士さいごにはゆう焼けてこそ十一月奈良じゅうに耳をすまして冬の空木枯らしのあちらこちらで疫病かだれも行くマスクの白を盾として能登がただ散っているだけ冬怒涛あかるさよはるかに滅ぶふゆの星◇おおさかのこ
2020年11月27日 08:45
「 えらんだ都市 」~現代語俳句集~地球とは孤児かもしれずあまの川果てるのは一日果てないのは秋思おむすびのおおきなことよ運動会フライパン火にかけどおし豊の秋風おとのすき間すき間よのこる虫とうきょうが顔あげている初雪よ熱燗よまさにだいとうりょう選挙手をあげて待つタクシーか木枯か行くみちのままにそだてよ七五三釣鐘は打つもの雪はたまわるもの◇家いえのこ
2020年11月3日 17:03
「 テント出て 」~現代語俳句集~笛吹いて天にとどくかあきまつりふるさとはきえのこる灯よ秋の雨あかるさよ京都しずかに紅葉して絵を描いてつぎの秋またつぎの秋ひととして暮れのこったか秋遍路すみだ川みずのひかりの朝寒むか既視感のなかにたたずみ赤とんぼ生きてこそかずかぎりない草の花とうきょうもひと粒の灯よ星月夜国じゅうがこころやすめよ十三夜◇ふるさとか一
2020年10月19日 17:16
「 灯していても 」~現代語俳句集~大宇宙をものおもいして灯の秋よまんてんの星きよめるか虫のこえつぎの代つぎの代へとばった飛ぶさきもりのすがたをいまに草の花あかとんぼダムの放流とどろくかそのむねに手をあててみよ秋彼岸見つめればだんだん観えて名月よあかるさよ世捨てびとらも月見酒ちんもくをもって真向かう台風よ嶺揺れるかえで紅葉のそのおくで◇デパートが
2020年9月29日 19:00
「 百年のこと 」~現代語俳句集~また一人あかるみに出て十五夜よ手かざしてぬける改札きょうの月ひとの世を知ってしみじみ名月よ柿食べてにっぽんがあるむねの奥秋すずめとんとんとんと跳ねて空旅びとが吹きゆくかぎり草絮とぶとかいとはなんの栄華ぞ銀杏ちる船に風まったくもってさわやかよはるかさよ飛鳥寺まであきのそらじぶんへのいのりしすかに星月夜◇なが生きの幸
2020年9月16日 18:17
「 西へ東へ 」~現代語俳句集~スカイツリーさえ大自然鳥わたるそのままで富士そのままで秋夕映あしおとも熊野の音かほととぎすほんもののひびきか奈良の秋の鐘にわ石よしずかながらも秋のこえ見ても歌聴いてもうたよもみじ川琵琶湖からとおい都市まで水の秋たくさんの船たくさんの秋の暮れ隠岐の島いついつまでも秋夕映え千ねんは生きていられず草絮吹く住む街が問いかけてく
2020年8月28日 12:30
「 天球儀 」~現代語俳句集~これ以上踏みいらず山ほととぎす目つむってしずかな光ひぐらしよはるばると呼びあうことよ秋風鈴あれからのこれからの鐘へいわ祭年々よ身にしみてくるへいわの鐘たましいが呼びあってこそ迎え盆せんそうもえきびょうも越え盆踊鳥わたる見えるかぎりの山河越え京よりも奈良のふかさよあきの色星あかりたたずむ橋の名もしらずかがやいていのちの故郷
2020年8月9日 12:12
「 かえってこない雲 」~現代語俳句集~しずかさをひびかせている風鈴よこの世から消えてもきえず京の虹いまの世の後ろすがたよ奈良団扇目をつむっても瑠璃光寺蝉しぐれ人として梅雨のなかゆく熊野古道草笛は吹いてこそ野は晴れてこそ富士の嶺はるかにひいてゆく汗よ故郷までつらなって山ほととぎすそのはてに都市いくつもよ夏の河平およぎ海をひらいてゆくことよ夜釣りして月