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現代語俳句への旅 46 〜なにかある空〜


「 なにかある空 」
~現代俳句集~

あたらしいさいげつをまた耕すか

いままさに春日大社であることよ

ただ愛の歴史よバレンタインの日

終わっても終わらず今日の卒業式

草ばなは摘まれるままにはるの旅

町じゅうをなつかしむのが雪解よ

熊本は阿蘇をはじめののどかさよ

自動車が飛ぶというそら春めくか

卒業歌せんそうというおろかさよ

ふるさとの山ふるさとの山ざくら

あおあおと島あおあおと瀬戸よ春

父子草ゆうぐれどきがあかるいぞ


うたう子のうたわない子の卒業よ

万国旗おおぞらじゅうが春めくか

せんせいにせんせいがいて梅の花

釣りびとも大きな海ののどかさよ

一人静しんとなにかをものがたり

すずめの子すずめの親の順で跳ぶ

ふるさとにふるさとが咲く白梅よ

総本山に喝がひびいてのどかさよ

ほしぞらよちきゅうひとつが遠蛙

そして灯のちきゅうとなった遠蛙

うめの香よにしにひがしに本願寺

くちびるにうた朝ざくら夕ざくら

ぼうぜんと漁夫こつぜんと蜃気楼


ひばり野に一見なにもないそらよ

なにかある空ともみえず雲雀の巣

球児らの春まわりだすせんたく機

蜂の巣よ街にぎやかに灯がともり

さんじゅうは咲きでてくるか庭椿

伊予柑も山もそだてているひとよ

さえずりにはじまりおわる週末か

蟻穴を出てあおあおと安達太良山

はるの海初心がしんとあるだけよ

坂みちよ傘のしんまではるのあめ

古書店よ混みはじめたらはるの雨

突張よ負けても負けても大阪場所

明けはじめ暮れのこるまで嶺よ春


2月13日〜2月27日
発表日順


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Kusabue


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