見出し画像

現代語俳句への旅 48 〜今朝ここに〜


「 今朝ここに 」
~現代俳句集~

八重桜世がながながとあかるいぞ

大ざくら七日ふぶいてしずかさよ

坂というさくらふぶきのただ中へ

春の月おなじとおさのふるさとよ

千年桜これがこどくということか

花見してまぶしい今が散りやまず

初ざくら世阿弥の舞ということか

初花にすこしおくれていまの世よ

春ゆうやけ三人ほどは見ているか

この道よ一重ばかりの落ちつばき

よいひとによいことば花真っ盛り


雪解川たださいげつがとどろくか

都市という都市星という星おぼろ

バス停がしずまるたびよ落つばき

蝶々よじかん舞ったりとまったり

船がゆく海こがねいろ春ゆうやけ

さいげつのひとつひとつよ落ち椿

和歌よふと生きているかに西行忌

おもいだすあの灯あの町おぼろ月

めでたさよわらう顔みなさくら餅

連山よまたいちからの木の芽どき

昼は菩薩いまは閻魔の夜ざくらか


花つつじ古町あかるくしてゆくか

にぎやかに来て沈黙のやまざくら

遍路宿あさいちばんで出て行くと

無になってながめる花よ花のなか

にっぽんはせかいのいなか椿咲く

鳥帰るやっと今日まで生きてきた

きょうのうそきょうの本当春夕焼

目つむって無のしずかさよ蛙の夜

関東平野ぶつ切りにしてはるの河

釈迦にゆうぞら今朝ここに花御堂

よく咲いてよく散ってこそ花の寺


3月20日〜4月3日
発表日順


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます



○ 過去記事 ○

◇ 俳句作品集 ◇

現代俳句 作品集 700句


俳句集 200句
〜上記作品集から選〜



◇ エッセイ ◇

俳句読みくらべ
~現代語俳句と古語俳句~


現代語切れ字十八字
~現代語俳句の切れ字集〜


現代切れ字18字について
〜説明・使い方・例句〜


現代語の俳句とその詠み方
【ガイド版】






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?