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Kusabue/現代俳句 +AI
2020年12月17日 17:35
「 明らかに鶴 」~現代語俳句集~平和通りいまは静かに木の葉降れ恋二人セーターに陽があたるまであるときは嶺々あるときは冬光よコート着て都会は都会富士は富士さいごにはゆう焼けてこそ十一月奈良じゅうに耳をすまして冬の空木枯らしのあちらこちらで疫病かだれも行くマスクの白を盾として能登がただ散っているだけ冬怒涛あかるさよはるかに滅ぶふゆの星◇おおさかのこ
2020年11月3日 17:03
「 テント出て 」~現代語俳句集~笛吹いて天にとどくかあきまつりふるさとはきえのこる灯よ秋の雨あかるさよ京都しずかに紅葉して絵を描いてつぎの秋またつぎの秋ひととして暮れのこったか秋遍路すみだ川みずのひかりの朝寒むか既視感のなかにたたずみ赤とんぼ生きてこそかずかぎりない草の花とうきょうもひと粒の灯よ星月夜国じゅうがこころやすめよ十三夜◇ふるさとか一
2020年9月29日 19:00
「 百年のこと 」~現代語俳句集~また一人あかるみに出て十五夜よ手かざしてぬける改札きょうの月ひとの世を知ってしみじみ名月よ柿食べてにっぽんがあるむねの奥秋すずめとんとんとんと跳ねて空旅びとが吹きゆくかぎり草絮とぶとかいとはなんの栄華ぞ銀杏ちる船に風まったくもってさわやかよはるかさよ飛鳥寺まであきのそらじぶんへのいのりしすかに星月夜◇なが生きの幸
2020年9月16日 18:17
「 西へ東へ 」~現代語俳句集~スカイツリーさえ大自然鳥わたるそのままで富士そのままで秋夕映あしおとも熊野の音かほととぎすほんもののひびきか奈良の秋の鐘にわ石よしずかながらも秋のこえ見ても歌聴いてもうたよもみじ川琵琶湖からとおい都市まで水の秋たくさんの船たくさんの秋の暮れ隠岐の島いついつまでも秋夕映え千ねんは生きていられず草絮吹く住む街が問いかけてく
2020年8月9日 12:12
「 かえってこない雲 」~現代語俳句集~しずかさをひびかせている風鈴よこの世から消えてもきえず京の虹いまの世の後ろすがたよ奈良団扇目をつむっても瑠璃光寺蝉しぐれ人として梅雨のなかゆく熊野古道草笛は吹いてこそ野は晴れてこそ富士の嶺はるかにひいてゆく汗よ故郷までつらなって山ほととぎすそのはてに都市いくつもよ夏の河平およぎ海をひらいてゆくことよ夜釣りして月
2020年5月23日 12:20
「 寝静まるころ 」~現代語俳句集~えいえんにときがとまった故宮春淋しさの行きつくところ奈良よ春野にふたりだまっていても風薫る富士の山すえひろがりの涼しさよにっぽんよとおくしずかな夏の音ぼんやりとちきゅうを思う水中花ハブラシがまだいっぽんの恋よ夏あたらしい鼻歌がでてシャワー後扇風機羽根うしなったげんだいよ生涯に別れがいくつかき氷咲くいえにやがて婚ある
2020年4月25日 11:11
「そだった家」~現代語俳句集~千ねんよ泣いてわらってはるの月地球から借りたからだで野に遊ぶそのはてにわらいがでたか卒業生たんぽぽとともに時代を吹く人よ雲雀野よつなぐ右手とひだり手と書きものよいずれはしまう春炬燵ねこの子と鏡のなかのねこの子と遍路杖日々はやいことはやいことときをこえ生きている人はるの墓雨おとよはるの地球の子もりうた◇蝶として羽ばたい
2020年3月18日 17:03
「 はじめての風 」~現代語俳句集~立ちあがるひと湯柱かはるの風呂春の雨流行りやまいをしずめるか傘にあめ春のにおいのゆたかさよ男らがあおぐお日さま野にあそぶ春星よかなしいものはじんるい史はるぞらのしたがふる里そして墓原子力はつでん所ごとかげろうか今日までのさいげつのおと草笛よ顔上げていのちかんじている春よ草の芽よ大地はおまえたちのもの植えた木もおおき
2020年3月8日 11:11
「 地球ごと 」~現代語俳句集~何もかもあたらしい朝うぐいすよ日だまりに木のたましいか梅の花この家にもあるものがたり飾り雛飾り雛流行りやまいもなんのそのわらうときみないちぞくよ雛の宴酒酌んで過去もみらいも春のゆめひなの宴かたらうによい月が出て耕人よおおむかしからそらのした豊じょうのゆめひとにぎり春の土耕人にかわりつづける世のなかよ◇いなかから来た
2020年2月16日 17:17
「 春あかつき 」~現代語俳句集~むこうに富士むこうに筑波草の餅はるのあめ大阪に来てみたものの一つ一つちいさな地球木の芽吹く昔とはまぶしむものよねこやなぎきたぐによ木の芽はひとつずつ光そらんじて一句のなかのはるの旅ロケットが飛びたった空まさに春居ながらにはるかな隠岐よ春夕焼はるの月絵本にゆめがあるかぎり◇のぼるまで富士ははるかか春夕焼たからづか歌
2020年1月28日 01:30
「 春の足おと」~現代語俳句集~ひとすじのひこうきぐもよ大枯野大うちゅうの小さな家の日脚伸ぶボイジャーは今どのあたり冬銀河ヘッドフォン雪舞う空の静かさよ世の中にすこしおくれて焼き芋屋飛行機がとんでいったぞ焼き芋屋あるくたびとおざかるのが一月よとおい島寒ゆうやけとともに消え家じゅうのこともろともに寄鍋よプロキオンカペラシリウス庭焚火◇霜ばしらはるば
2020年1月16日 10:00
「 白鳥座 」~現代語俳句集~しんねんをおおきくひらく朝刊よかがみ餅さかのぼること神代まで初富士と一つになったこころこそ初みくじ大ひだまりのなかにいまつながっているのはこころ初電話パスポートひとりのこらず初空へしずかさのはてのしずけさ三が日去年今年へだてて暖簾いちまいよたき火して変らないもの変るものホットティー戦争へいわそして今◇ロボットがひょこ
2020年1月3日 10:30
「こころは天に」~現代語俳句集~あじさいが咲けばさくほど鎌倉よひろい空秋になったということか一人とは聖なることかクリスマスいのる手はちいさな平和聖夜の鐘おこってはほろびゆく国聖夜の鐘クリスマスツリーは光こころせよ人びとにときどき花屋クリスマス談笑のいっぽんみちを柚子湯まで旅で来て綺麗なことよこの世の雪愚痴もでて熱燗にするころあいよ一つたべてまるごとあ
2019年12月20日 12:53
「大日向ぼこ」~現代語俳句集~ちんもくが初雪になるふるさとよコンビニの一灯ふゆにまむかうか人びとはとどまりもせず行く年よさいげつをみおくることが落葉焚賀状書くおもいは遠嶺こえてこそおでん酒自分が見えてくることよ一家してわらったはての古ごよみ忘年会なんだかんだで生きてこそ駄菓子屋がふっとなくなる年末よどっしりとなるようになる年末よおおいなる安心のなかと