現代語俳句への旅 20 ~こころは天に~
「こころは天に」
~現代語俳句集~
あじさいが咲けばさくほど鎌倉よ
ひろい空秋になったということか
一人とは聖なることかクリスマス
いのる手はちいさな平和聖夜の鐘
おこってはほろびゆく国聖夜の鐘
クリスマスツリーは光こころせよ
人びとにときどき花屋クリスマス
談笑のいっぽんみちを柚子湯まで
旅で来て綺麗なことよこの世の雪
愚痴もでて熱燗にするころあいよ
一つたべてまるごとあまい蜜柑山
ぼうぜんとげんじつがある雪国よ
◇
どのひともうしろすがたの年末よ
ひとびとはもまれゆく舟年の瀬よ
どこ見てもがやがやがやと年末よ
星はるかどのまなざしも年惜しむ
まるい餅まるくおさまる世の中よ
人つどうところかならず門松立つ
猪突猛進そのまま過ぎて行く年よ
ゆったりとたどりついたか大晦日
生きてきた余韻のなかよ除夜の鐘
これからを生きてゆく顔初日の出
踏みひらく一歩いっぽよ初もうで
初わらいこころは天にあることよ
ひとりくむ屠蘇のかなたのうす光
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