見出し画像

現代語俳句への旅 20 ~こころは天に~


「こころは天に」
~現代語俳句集~

あじさいが咲けばさくほど鎌倉よ

ひろい空秋になったということか

一人とは聖なることかクリスマス

いのる手はちいさな平和聖夜の鐘

おこってはほろびゆく国聖夜の鐘

クリスマスツリーは光こころせよ

人びとにときどき花屋クリスマス

談笑のいっぽんみちを柚子湯まで

旅で来て綺麗なことよこの世の雪

愚痴もでて熱燗にするころあいよ

一つたべてまるごとあまい蜜柑山

ぼうぜんとげんじつがある雪国よ

どのひともうしろすがたの年末よ

ひとびとはもまれゆく舟年の瀬よ

どこ見てもがやがやがやと年末よ

星はるかどのまなざしも年惜しむ

まるい餅まるくおさまる世の中よ

人つどうところかならず門松立つ

猪突猛進そのまま過ぎて行く年よ

ゆったりとたどりついたか大晦日

生きてきた余韻のなかよ除夜の鐘

これからを生きてゆく顔初日の出

踏みひらく一歩いっぽよ初もうで

初わらいこころは天にあることよ

ひとりくむ屠蘇のかなたのうす光






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?