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絵の中の物語

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絵のある暮し、僕の作ったものを紹介しています
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#言葉

船乗りは船を忘れて

船乗りは船を忘れて

船乗りは船を忘れて

もうずいぶん前から
この言葉だけが浮かんだままだった

でもそこから
次の言葉がなかなか出てこない

この絵にはどんな物語があるんだろう

そんなことを思いながら
 
ずっと探していた

無理に引き出すことはせず

いつまでも待っていたら

船乗りは船を忘れて旗を振る

言葉が生まれ

絵の物語が聞こえてきた

船乗りは船を忘れて

船乗りは 船を忘れて 旗を振る

遠い昔

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息づかいを感じる

息づかいを感じる

最近は何か分からないものを作ることが多い。
そもそも何も考えないで作り出すからだ。

手に取った切れ端を、貼ったり、切ったり、塗ったり、
ただ指先にまかせてみる。

そこには、失敗や成功したなんて感覚もなく、

これは何だろう? そんなことを思いながら、

目の前に現れたイロとカタチを、
色んな方向から眺めて味わう。

きっとこの絵も、
何かになろうなんてしてないのだろう。

でも息づかいは感じる

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「ハレ」を祈る

「ハレ」を祈る

久しぶりに絵の具を使って絵を描いた。

僕は絵を描くと、ほぼ同時に言葉も出てくることが多い。

この絵を眺めていた時、王様は「はれ」を祈った・・・

この言葉が頭の中に浮かんできた。

初め「はれ」は天気の「晴れ」だったが、
もうしばらく眺めていると、

天気のことではないとわかった・・・

「ハレ」は王様の中にある、とても大切なもの。

王様の中にもあるが、生きるもの全ての中にある「ハレ」

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頭の中の演奏家

頭の中の演奏家

いつか、ある老人が、
僕にこんな話をしてくれた。

その老人の頭の中には演奏家がいるのだという・・・

老人はこう言った。

頭の中の彼は、どんな楽器でも弾くことができて、

わたしの可笑しくも切ない人生劇場を
いつも最高に盛り上げてくれるのだ。

わたしがやらかしてしまった時、

彼は、とても切ないチェロを奏でて、
どこまでも、わたしを落ち込ませてくれる。

わたしが恋をした時、
彼は、とても軽

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踊るアポニビ

踊るアポニビ

アポニビは嬉しくて踊る

月に祈りが通じた朝

野生の心も踊っている

牙を剥き出しにした夜

アポニビは悲しくても踊る

100歳のマオベサが旅立った日も踊っていた

踊ることでひとつになれるからだ

そして、命がまたひとつ思い出す

目の前にある沢山の切れ端の中から、
手にとったものを切り抜き、自由に貼り付けていく。

何ができるかなんて自分にもわからない。

わからないから楽しいし、意味がな

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大道芸人

大道芸人



エヴァは大道芸人
今日も街角で踊っている

このブレスレットは、
大好きだったお爺ちゃんからもらったもの
お爺ちゃんも大道芸人だった

赤と青の髪が彼女のトレードマーク
路上の神様が幸運をくれるのだそうだ

彼女は天使になって街角で踊る
突き抜ける空が彼女を照らしていた

これを描いている時、
友部正人さんの大道芸人という歌を思い出した。

飛行機に乗ってパリまで行く
だけどオランピア劇場に出

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天使の涙

天使の涙

この作品を作った時、最後に何か足りないなって思った… 
それは涙だった。

とても綺麗な天使の涙。