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小説・自由詩・ショートショート

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2021年7月の記事一覧

【小説】僕と彼女の妄想日記。

【小説】僕と彼女の妄想日記。

「先生、こんばんは。」
彼女は今週もやってきた。

黒い楽器ケースを背負い、楽譜を入れた灰色のバッグを持った女性が現れる。
黒のブラウスに黒のパンツスタイルの全身真っ黒コーデに、彼女の黒髪の間から赤いイヤリングだけが目立っていた。
コツコツと床を鳴らして僕に近づいてくる。今週はハイヒールの日のようだ。

彼女は、レッスンに来るたびに服装の系統が違う。
先週は、キャリアウーマン風のジャケットを着てい

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【自由詩】悩める、ボールペン達よ。

【自由詩】悩める、ボールペン達よ。

大した能力差もない、

見た目が大きく違う訳でもない、

似たような色とデザインの

多種多様なボールペン達が、整然と並ぶ。

誰かが、気に入った!君が良い!

と言ってくれるその日を夢見て、

理路整然と並んでいる。

素敵な出会いで、旅立っていくやつもいるし、

何日も何週も何ヶ月も、在庫のやつもいる。

逃げ出すこともできず、

ただじっと時が過ぎていく。

誰かのお迎えの手によって

仲間

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私はプランクトン。

私はプランクトン。

この世の中は、というか、インターネットの世界とかは、
これはもう大海原の如く広いです。

その大海の中から、この記事を偶然見つけてくれた方、ありがとうございます。

私は、この世界において何の発信力もありません。これは事実。

私はいわばプランクトンレベルに小さくて、いやそれよりも小さい細菌レベルかもしれない。電子顕微鏡必須。 それぐらい、ちっぽけな存在なのです。

なので、私がちょっと動いたくら

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【小説・ショートショート】 赤いアンスリウムが道で土下座をしている。

【小説・ショートショート】 赤いアンスリウムが道で土下座をしている。

赤いアンスリウムが、道で土下座をしている。

きっと花束から転げ落ちたのであろう。
さっきまで華やかな会場にいたのであろうその切り花は、
今や新宿のアスファルトに突っ伏して、雨に打たれて、とても惨めな様子だった。

雨は強い。

傘をさした気まぐれな女が、モデルウォークのようにやってくる。ヒールの音がコツコツと僕の横を通り過ぎる。あまりに近くを通るので、頭に響く。

体を濡らす雨の温度と、やって来

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