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2020年5月の記事一覧
古着屋はいつも夢を食べる
前回のストーリー
https://note.com/konomihiyoko/n/n50c3b96d547d
今日は晴れていた。
それから会社も休みで
自転車の空気も入れ直した。
あの日思い付いた
沢山の言い訳を全部消してしまうまで
1ヶ月も掛かってしまった。
私は今、
件の古着屋の前に居た。
古着屋は、縦長のビルに並んでいて
建物の1階にあった。
1階は店になっていて、
それから上は
ジョーカーは微笑んでいる
ジョーカーが手元に回ってきた。
このときの心情を例えるなら、
どうだろう。
兄ちゃんが使ってるライターを手に取り
誰にも見られないように火を付けた
あの時の感情に似てないかい?
ただ、今の俺にはそれが比にならない程
大きく鼓動が打ち続けていた。
観客は5人。
皆ニヤニヤしながらこちらを見つめている。
「はぁーい、河野と夢ちゃんの一騎討ち!」
この鼓動は、
ジョーカ
裏か表か、大人かネコか
みなさんは、
神隠しにあったことはありますか?
私は今、小学5年生にして
初めてその事象に直面してしまったわけです。
事の発端は、学校の帰り道。
周平くんと2人でお話ししながら
帰路に着いていたときでした。
彼は同じマンションに住む為、
よく帰路を共にしました。
母はどうやら
周平くんのことを
あまり良く思っていないようでしたが、
「まあ、周平くんに罪はないしね」
と、咳払い
タイムカプセルは絶対に掘り返せない
彼女から貰った最後のプレゼントはアイスクリームだった。
別れの朝、大きくて透明なタッパーに詰めたアイスを机にドンと置いて、彼女は何も言わずに去った。
まだ少し肌寒い季節ではあったが、彼女がアイスクリームを差し出すことは、何ら不思議では無かった。
俺は彼女に背を向けたまま、ぼんやりとアイスを見つめることしか出来なかった。
アイスクリームが溶け始めた時、ようやく我に返って玄関へ振り返っ