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戯言

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日々のこと、思い付いたことを書いてます。 責任のないことばかり書くので戯言です。
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#日常

狭い世間でもすれ違わない人たち

狭い世間でもすれ違わない人たち

私の自転車はボロボロである。
まず左のブレーキをかけると錆が付いたような甲高い音が町中に響く。
驚くことに、買った当初からそうなのだ。
不良品かと思って店に持って行ったら、「安い自転車はそうなんですよね」と言われた。
そういえば私の自転車は安い。
なにせ店中で一番安い自転車を買ったからだ。
そんなボロボロの自転車を、私はかれこれ6年程愛用している。

そんなボロボロの自転車は絶妙にダサくて、
ボデ

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子豚に埋もれる

子豚に埋もれる

大阪に子豚カフェがあるらしい。
友達から聞き、行かねばと思った。

子豚といえばブヒブヒ鳴いて、犬や猫のように共存するというよりは、どちらかというと野生み溢れた生き物である。
日本はフクロウやカワウソに留まらず、遂に子豚まで領域を広げたのだ。
子豚って!
チョイスー!!
そんなマニアックなところに手を出されると、私の好奇心も腕が鳴るってもんである。

私はその友達と早速来店の予約を取って、店に足を

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せめてその下心は隠せ

せめてその下心は隠せ

絵画を習いたい。

元来絵を見ることは好きなのだ。わざわざ美術展に行ってフムフムと頷くのも好きだし、専門的な知識は無いけれど絵から何かを感じるのも趣があって好きである。
周りに絵が上手い友達が多いので、彼女たちの絵を見るたびに羨ましくなり、指を咥えて見ている。

しかし私は中学の頃から自分の才能の無さを自覚し、一切絵を描くのを諦めた人間だ。

何か挫折を味わった訳でもなく、ある夜自宅で動物か何かの

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スナギモが硬い

スナギモが硬い

私がいつもヘラヘラしているのは、確実に父親譲りである。

生きていれば受け身を取らなければいけないことが多々あって、
そういう時私は大抵ヘラヘラして受け流す。
仕事では時々イライラすることもあるけれど、
プライベート間では私が怒ることはあまり無い筈だ。

そんな私が本気で怒るように決めていることがある。
ご飯の文句を言うことだ。

私からすれば「ご飯を作った人に対してなんてことを!!!」と思うのだ

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親からすと焦げたパン

親からすと焦げたパン

大好きな絵本がある。
某デザインTシャツ店でもコラボしたことがある、皆さんお馴染みの絵本である。
『からすのパンやさん』を読んだことがあるだろうか。

https://www.ehonnavi.net/ehon/11/からすのパンやさん/

万が一知らない人の為に説明をするならば、
パン屋さんのからすがパンを作るという、タイトルで全てを物語ったストーリーとなっている。
このシンプルなタイトルが、昔

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心の充電なのかしら?

心の充電なのかしら?

今泥棒が入ってきて、
部屋の中の物を根こそぎ持って行かれても
私は決して湯たんぽを離さないだろう。

それくらい、湯たんぽが好きだ。

『足先から心の中まで、ぽっかぽかにしてくれるものなーんだ?』
湯たんぽである。
『ぽ』辺りで食い気味に答えられるくらいには、湯たんぽ一択である。
こんなに湯たんぽが好きなのに、
この愛着に気が付くまで少しばかり時間が掛かったことに、未だ後悔している。

幼少期。

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涙と言葉のチキンレース

涙と言葉のチキンレース

今日、入社した頃からお世話になっていた先輩が
会社を辞めると聞いた。
横で泣いている後輩を見て、
ふと無意識に
私の人生は彼女に負けていると思った。

以前美味しい顔をするのが苦手だと言った私だが、
例にも漏れず、感動や喜びを表現するのが苦手である。
怒りや悔しさではすぐ泣けるのに、
悲しさでは涙が出てこない。
喜びを大きい声で伝えられない。
感情を丸出しにする事が、恥ずかしいのである。

大人と

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ご本人登場!

ご本人登場!

『まさかこのタイミングでご本人様が登場するなんて!』
テレビでも無いのに街中で、そんな驚きを経験するとは思ってもいなかった。
私がこの時感じたことといえば、焦燥である。

時は遡り、前の休日のことだ。

普段は映像の業界に身を置いている私であるが、写真の世界に関しては、
とんでもなく「ちんぷんかんぷん」である。

ただその一方で、美術館や展覧会を覗いて「ほぅほぅ」と頭の良いフリをするのはとても好き

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