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石川真理子
2023年6月7日 08:30
美とは何か。美しいとはどういうことなのか。これは永遠に続く問いかけです。美の探求は数千年、あるいは数万年もの昔から始り今なお続いているのです。何が美しいのか、その答えは簡単なようでいて実に難しいのです。なぜなら「美」は、私たちの成長とともにあるからです。私たちの内的世界の拡がりに比例するといっても良いかもしれません。内的世界の偏狭さは美を陳腐で浅はかなものにします。さまざまな経験を
2023年6月6日 08:30
誕生日は神さまが母を通してこの世に私を送り出してくれた地球上でたった一つ、自分だけの大切な日です。お誕生日には家族や親しい人がお祝いくださるかもしれません。みんなに「おめでとう」と祝福されるのはくすぐったいけれど嬉しいものです。ただ私はそれとは別に、一人でお祝いをします。まずお宮に参ります。参道は産道です。ここまで生かしていただけたことへ万感の想いを胸に歩きます。一歩一歩にこ
2023年6月5日 08:30
三笠宮百合子さまが百歳にお成り遊ばされました。この四月には千玄室裏千家大宗匠も同じく満百歳を迎えました。お二人とも老いの姿が美しく見えるのは私だけではないでしょう。皺もあります。シミもあります。シャンとしていらっしゃいますが、多少はお背中も曲がってこられました。それでもなお、見た目以上の若々しさを感じます。それは、エネルギーの高さです。波動があきらかに違うのです。こうしたお姿を
2023年6月4日 08:30
誰かと静かに語り合う時間はありますか?心が通い合う友との対話はあれこれ説明する必要もなくむしろ必要最小限の言葉でわかりあえるそんな心地よさがあります。もちろん、たくさんおしゃべりしたくて夥しい言葉を出し尽くすのも楽しいものです。そういうとき、伝えるのと同様にいえ、場合によってはそれ以上に相手の話をどれだけ聞けるかが豊かな対話の鍵といっていいでしょう。かくいう私は、自分では喋る
2023年6月3日 08:30
問題が生じたときなんとかして解決しなければと一所懸命になることが多いものです。けれど、それこそが悩みを深くしていることに気づいているでしょうか。そもそも「これは問題だ」と定義したもののそれは本当に「問題」なのでしょうか。こうしてひとつひとつ考えていくとたとえば相手の立場になってみれば必ずしも問題ではないのかもしれないと思えることもあります。誰が見ても明らかな問題であるならば
2023年6月2日 08:55
何十年と生きてくればいろんなことがあります。もちろんいいことばかりではなくて悲しいこともあります。その大半は家族など身近な人や仕事の関係で起きた出来事でしょう。前に進むには煮え切らない想いを封じ込めていく必要もありました。悲しみの記憶は時の流れと共に薄れていくものとどうしてもしこりが残ってしまうものがあるようです。氷のような固まりが胸の奥に詰まっていると無意識のうちに悲しみ
2023年6月1日 08:30
一人でいただくことも少なくない日々のごはん。凝った料理よりシンプルで何ということもないお惣菜が結局は美味しいと感じます。けれどそうなると妙に質素でテーブルが寂しくなることも。そんな状態を回避するには器にこだわるに限ります。家族もだんだん少なくなって断捨離をすることもできるので思い切って好きなものを少しだけ残し以前なら普段使いにはもったいないかな?と思えるようなものをどんどん
2023年5月31日 08:30
自分の居場所は自分でつくることができます。おうち以外にも自分の居場所を持つことは簡単に気分を変えたり自分を解放したりするのに役立ちます。それに、「ここが私の行きつけなの」と言える場所があるってなんだか素敵だと思いませんか?カフェをいくつかと、ホテルをいくつか。仕事からも家事からも離れて「ただの私」に戻って過ごす時間は自由で豊かで、好きなだけ心を遊ばせることができます。私が好
2023年5月30日 08:30
「歳を重ねたなぁ」というのと「歳を取ったなぁ」というのとでは微妙な違いがあるものです。前者は肯定的で前向きな響きがあり後者は残念な印象をもたらします。年齢が魅力を深めることに繋がっている場合とその逆であるといってもいいでしょう。「歳を取ったなぁ」と感じる人は容姿が急に老け込んだとかいう場合もありますがそれ以上に、ふとした言葉や口癖がそう思わせることが少なくありません。「できな
2023年5月29日 08:30
『赤い蝋燭と人魚』というお話をご存じですか。童話作家の小川未明が大正時代の終わり頃に書いた、美しくも少し怖いお話です。幼い頃に読んだ私は、赤い蝋燭に特別な感じを抱くようになりました。このお話に出てくる蝋燭が「西洋キャンドル」とは違う「和蝋燭」であることを知ったのはだいぶ後になってからです。私は「ほんとうの赤い蝋燭の灯り」を見たいと思いました。和蝋燭の明かりは、不思議なやわらかさがあ
2023年5月28日 08:56
歳を重ねたからこそ楽しめるファッションがあります。それは、ビビッドカラーが似合うようになること。髪も肌もハリやツヤが失われていくのでダークカラーをもってくると全体が暗い印象になりかねません。自分という素材が「マット」になっていると若い頃は派手な印象にしかならなかった赤やピンク、オレンジなどが華を添える効果に変わっていくのです。実は、私の母がそうでした。若い頃は紺やグレー、ベージ
2023年5月27日 08:53
日記を書き始めたのは10歳の頃でした。鍵がついた分厚い日記帳をいただいたのがきっかけです。かわいい絵柄もついていました。それからというもの、鍵を開けて友人はもとより親兄弟にさえ話せない、話したくないことを静かに書き綴るようになりました。今でも私は毎朝ノートを開きます。時には夜、寝る前にも。ノートに気づきや想いを綴る時間は自分との対話の時間です。自分と向き合うこと、自分を見つめ
2023年5月26日 08:30
人をお金ではかるというのはずいぶん賤しいあり方だと思いませんか。にもかかわらず、いつの間にかそうした目で人を見ているのは認めなければならない事実です。そうでなければ「あの人は年収が○○円だ」などと取りざたするわけがありません。いつのまにか経済主導となり数字では計れない豊かさをもたらす文化はまるで押しやられているような状況です。失われたのは三十年ではなく、百年というべきでしょう。
2023年5月25日 08:30
計画にこだわって、思いがけない出来事を勝手に「想定外」「不運」と位置づけて排除した経験はありませんか?もしかしたらそれは、想定外どころかビッグチャンスだったのかもしれません。幸運は不運の顔をしてやってくるというのはどうやら確かなことだからです。「将来はこうでなければならない」という考えが家族との諍いに繋がったことはありませんか?私たちは、計画することによってどれほどのストレスを