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養生

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低気圧と関節痛

低気圧と関節痛

 梅雨時は大気圧が下がり身体が膨張傾向となります。また多湿のため発汗機能が低下し、身体がむくみやすくなったり排熱が上手く出来ないことで至るところに不調が出やすくなります。
 

 特に関節部は関節腔という袋状になっているため気圧の影響を受けやすく、外気圧が下がることで相対的に関節腔は膨張し関節面の密着性が低下します。関節面の密着性が低下すると関節運動時の摩擦係数が高まりスムーズな関節運動が出来なく

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湿布薬について

湿布薬について

 筋肉や関節部に痛みがある時、湿布薬を貼るという方は多いのではないでしょうか。医療機関を受診するとロキソニンテープやモーラステープといった湿布薬を処方されることも多いですよね。

 湿布薬は一般に温湿布と冷湿布の2種類があります。患者さんからの質問で特に多いのが、この使い分けについてで、ギックリ腰など急に傷めてしまった時は温・冷どちらの湿布薬を貼ったら良いですかといったものです。

 結論から言う

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温熱療法について

温熱療法について

炎症の起こっている部位(患部)は熱が貯留しています。そしてその熱により人体の構成物質であるタンパク質が変性します。
そのため急性・慢性に関わらず炎症の起こっている部位は、その熱を奪うために氷水で冷却する必要があるのです。

昔から慢性の症状(慢性炎症)に対しては温熱を加えた方が良いと考えられ、様々な温熱療法が施されてきました。
これは温熱刺激によって痛みを和らげたり、患部の血流を良くしようと考えた

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四十肩について

四十肩について

40代からだんだんと悩まされることが多くなってくる整形外科領域の疾患に四十肩(五十肩とも言います)というものがあります。
整形外科や整骨院を受診する代表的な疾患でもあり、肩関節周囲炎という診断名が付けられます。
その名の通り肩関節の周囲の組織に炎症が起こり、肩関節から上腕部にかけての運動痛や夜間痛のため腕を挙げにくくなってくるというものです。
何となく腕が挙げづらいなといった程度のものから激痛のた

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2020.6.15〜6.28雑記

2020.6.15〜6.28雑記

暑い日が続きます。京都では今のところ雨はあまり降っていませんね。

先日、京都を拠点に日々お産に寄り添っていらっしゃる海(まある)助産院さんと久しぶりにお会いして、妊産婦さんに対する治療や腹帯の処方・巻き方などについて色々と意見を交換しました。

海助産院さんは現在は出張専門の開業助産師さんですが、入院分娩ができ産前産後の方やご家族、地域の方々が集える助産院の建設に向け取り組んでいらっしゃいます。

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さらしの効果とコルセット・バンドなどとの相違点

さらしの効果とコルセット・バンドなどとの相違点

古今整体室では妊産婦さんやギックリ腰をされた方などにさらしを腰に巻いて頂くことがあります。

さらしを巻くことの目的は骨盤(特に仙腸関節)と股関節を締めて安定させることです。
骨盤部を安定させることで胎児の安全な生育環境の維持や腰痛の軽減、腰部可動域の増大、姿勢の改善などさまざまな効果があります。

さらしの大きなメリットは圧力をかけたい部位とかける圧力の微調整ができることです。また木綿でできてい

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日々の養生 -熱と冷却について-

日々の養生 -熱と冷却について-

人間は恒温動物です。自ら熱を産生しています。 代謝や運動によって生み出された熱は最終的にどこへ行くでしょう? それは体外に排出されています。

人の体は大まかに分けると70%程度が水、あとはタンパク質と少量の無機塩類で構成されています。

何故水がそのほとんどを占めるかというと、水は温度変化が少なく体温を一定に保ちやすいからです。人間の体温は大体36.5℃±1です。低温域は25℃位でも生存は可能

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