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日々の思考と記録

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毒にも薬にもならないけれど、身体に染み込むように、思ったこと、考えたことを自分の言葉で書きます。拙くたって、伝わらなくたって、真摯に書く。
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2020年10月の記事一覧

立ち現れる

立ち現れる

 立ち現れる。それがここ数日のキーワードになっている。

 世の中の人々は、思っているよりも目の前のことに集中していない。そう感じる出来事が立て続けにあって、人は実際に感じていることを話しているんじゃなくて、自分の見てもらいたい姿を見せようとしているのかもしれないと思った。

 話としては立派なんだけど、なんだか行動と照らし合わせるとちぐはぐだったり、明らかに矛盾するような内容を口にしたり。そうし

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結末はあれど、結論はない

結末はあれど、結論はない

 久々に小説を読んだ。

 伊坂幸太郎の『AX』は殺し屋の日常を描いた物語。この情報だけで、既に非日常なのだが、ネタバレをしてしまう可能性があるのでこれ以上は自粛する。

 最近は小難しい本ばかり読んでいて、読書という行為に対して、ちょっと倦怠感を覚えていた。けれど、小説を読み始めたらどんどんハマっていって、電車や入浴、寝る前など隙間時間はほとんどこの一冊に費やしていた。

 物語はいいなぁ、とし

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点と線

点と線

 意思疎通がどうも上手くいかない人がいる。それは、好き嫌いとか言語能力の問題ではなく、視点の問題だと思う。つまり、自分の視点からしか見ていないので、前提の共有を忘れてしまったり、相手の意思を妨げるような発言をしてしまう。

 言ってるけど、伝わっていないのだ。本人の中では辻褄が合っているんだけど、その前後が相手に明らかにされていないので、首を傾げてしまう。

 ただ、その現象自体は日常でよく起こり

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高を括るな、源泉はその先だ

高を括るな、源泉はその先だ

 僕が対話をするのは、その人の源泉を知りたいからだな。そう思った。

 対話を通して自分が変化する、アイディアが生まれる、人間関係が深まっていく。そうした様々な効能はあるが、元を辿っていくと求めているのは、その人の存在というか、あり方に僅かでも触れられるからだ。生命のエネルギーの根源みたいなものに触れるとこちらも揺さぶられる感覚があるのだ。

 簡単に繋がれる環境が整っているからこそ、僕達は世間体

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余白の散歩

余白の散歩

 ぶらぶらと散歩する時間があった。

 商店街を行ったり来たりする。特になにを買うでもなく、店に入るでもなく歩く。帰りがけに本を買った。最近は専門書や小難しい本を読んでばかりだったが、久々に小説を買った。

 気づけば、目的意識が染みついている。「〇〇のため」でないと動けず、その目的を達成したらすぐに帰る。そうでなければ、時間が無駄になる。

 ただ、どうにもこの説に納得できない。時間は僕達の思惑

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終わらせたくない

終わらせたくない

「わかる」って気軽に言いたくない。

 今この瞬間、発する言葉に共感できても、その人が辿ってきた思考や体験のプロセスはわからない。でも、言葉そのものよりも、そのプロセスの方に中身がぎっしり詰まっている。

 だから、わかったふりをするくらいなら、「わからない」と思って聞いていたい。そうしたら、掬いきれなかったプロセスを掘り上げることができることができるかもしれない。

「わかる」とは区切りで、そこ

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創造ではなく、生成

創造ではなく、生成

 今朝、「話を聞くとはどういうことだろう?」という話をしていた。

 U理論においては、聞くのにも4つの次元があるという。習慣的な聞き方、事実をやりとりする聞き方、共感的な聞き方、生成的な聞き方。

 最初の3つまでは理解できるし、体験できている。しかし、4つ目の「生成的な聞き方とはなんぞや」が話の焦点になっていた。話をしていた僕達は、よくわかっていない。

 けれど、話をするうちに朧げながら見え

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勝手に動く身体

勝手に動く身体

「ドンッ」と腹に響く大きな音がして、なんのことかと思った。耳を澄ませてみると、もう一度鳴る。

 花火だ!

 気づけば、スマホだけ持って部屋着のまま、家を飛び出した。1枚羽織ってくればよかったと思いながら、音源に向かって走る。けれど、どれだけ進んでも僕の視界に花火は入ってこなかった。

 マンションやらビルが邪魔して、欠片すらも見えない。歩道橋に上ってみても同じだった。しばらく歩いてみて、寒さに

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いても、いなくても、試されている

いても、いなくても、試されている

 その場にいない人を、いかに汲んであげられるかがコミュニティを築いていく上で大切だなと思う。

 1人では生きていけない僕達は、集団になる必要がある。ただ、1つの集団に身を置いている人は少ない。家族、学校、職場、組織、趣味など各人が複数の集団に属している。

 すると、どうしても集団が常に全員揃わない。けれど、集団は意思決定と行動をいつも迫られている。それは急かされているという意味ではなくて、「ゆ

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言葉の価値は変動している

言葉の価値は変動している

 どれだけ有効で価値があったとしても、それを認められなければ響かない。

 だから、他者に言葉をかけるタイミングには注意を払う必要がある。同じ台詞でも、タイミングが違うだけですんなり受け入れられる場合もあれば、怒鳴り返される場合もある。

「こうしたらいい」と思っても、時に言わない選択が最善になる。この理屈がわかる人が意外に少ない。どんな時でもいいものはいいし、悪いものは悪いと思っているが、人間世

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自己理解は活かすため

自己理解は活かすため

 就寝時間がどんどん遅い時間に押し出されている。それに伴って、布団から出られない時間も長くなっている。

 これまでの経験上、夜型になると露骨に体調が悪くなるので、朝型の生活に戻していきたい。ただ、以前1週間ごとに30分早く起きる実験をした時は途中で頓挫した。なんだろう、慣れた頃にまた早くなるのが、地味にしんどかった。

 だから、案外極端な目標、つまり5時起きを目指せばいいのかもしれない。5時を

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理由を知りがるくせに、理由はどうでもいい

理由を知りがるくせに、理由はどうでもいい

 納得できない時、「なんで?」と尋ねる。でも、多くの場合理由が知りたいのではない。

 理由を知りたがるくせに、理由なんてどうでもいい。
 本当はただ、拒絶したいだけなんだ。

 そのワンクッションのために理由を尋ねる。理路整然とした理由があったって、平気でそれに背を向けられるのが人間だ。

 だからこそ、「なぜ」を大事に扱いたい。だって、発する人間にとって大きな意味はなくても、答える人は必死に答

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反応しないで、私は違う

反応しないで、私は違う

 他者が自分と意見が違うことに反応しなくなってきた。10代の頃は他者が意見に賛同してくれるか気になって仕方なかったけれど、20を超えてようやく自分の内側で処理できるようになった。ただ、それでも「違う」と言われることに反応していた。

 多様性が口酸っぱく叫ばれる時代において、人と人が違うのは当たり前だけど、頭で理解するのと実感レベルで身体に落とし込むのは異なる。ようやく今になって、意見の違いをその

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最後に言いたいのは

最後に言いたいのは

 今週末はいくつかのことが立て続けにあった。noteに書くネタとしては困らないのだけど、なぜか書き出そうとすると手が止まる。

 うーん、まだ言葉にならない。

 自分の中でその体験が終わっていないのだ。スポーツの試合の最中に「今日の試合はどうでしたか?」と尋ねられても、まだ続いているからコメントのしようがない。

 それと似ていて、体験自体は終わっているはずなのに、未だ夢の中にいるような気がして

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