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余白の散歩

 ぶらぶらと散歩する時間があった。

 商店街を行ったり来たりする。特になにを買うでもなく、店に入るでもなく歩く。帰りがけに本を買った。最近は専門書や小難しい本を読んでばかりだったが、久々に小説を買った。

 気づけば、目的意識が染みついている。「〇〇のため」でないと動けず、その目的を達成したらすぐに帰る。そうでなければ、時間が無駄になる。

 ただ、どうにもこの説に納得できない。時間は僕達の思惑とは異なって動き続けている。だから、それが無駄になるってのは人間が勝手な思い込みじゃないだろうか。

 ぶらぶらと歩いて時間の無駄であったかといえば、そうでもない。

 知らぬ間に最近の日々を思い返していて、記憶や感情の整理ができたおかげかスッキリしている。余白を作る。一時期、その言葉をよく使っていたけれど、まさにその言葉がしっくりくる。

 余白があるところに、様々なものが流れ込むのだ。

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