結末はあれど、結論はない
久々に小説を読んだ。
伊坂幸太郎の『AX』は殺し屋の日常を描いた物語。この情報だけで、既に非日常なのだが、ネタバレをしてしまう可能性があるのでこれ以上は自粛する。
最近は小難しい本ばかり読んでいて、読書という行為に対して、ちょっと倦怠感を覚えていた。けれど、小説を読み始めたらどんどんハマっていって、電車や入浴、寝る前など隙間時間はほとんどこの一冊に費やしていた。
物語はいいなぁ、としみじみ感じた。
なにがいいって、結末はあるが、結論はない。小難しい本を読んでいると結論があって、そこまでの一本道をひたすら辿っていく作業になる。よそ見をする余裕はなく、視点の固定された状態でずんずんと進んでいく。
物語は押しつけない。どんなストーリーであれ、読書に想像の余地を残してくれる。どう楽しみ、なにを得るかはこちらに委ねられている。のんびり散歩しているような気分で楽しく読める。この感覚を忘れていた。
久々に読書熱が湧き上がってきた。今こそ積読の山を切り崩す時が来たぞ。いざ行かん!
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