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エッセイを書きたかったけど、書けずに、行き着いた場所。

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2023年9月の記事一覧

期待に応えようとしちゃう症候群。

期待に応えようとしちゃう症候群。

誰かに何かを言われたワケでもないのに、期待に応えようとしちゃう。つい褒められたくて、すごいって言って欲しくて、力んでしまう。頑張ってしまう。これを【期待に応えようとしちゃう症候群】と呼ぶ。

この病気は、年中無休の長引く病だ。

でも特効薬もある。

それは「リラックスしなよ」という言葉。

そう、この病気にかかると、どうしても力みが生じてしまう。真面目だからこそ、自分ならもっと出来ると思っている

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「イメージュ」を追い越したい!

「イメージュ」を追い越したい!

人間に与えられた最も優れた能力は「想像力」だと思ってる。イマジネーションだ。たとえば小説を読んでる時は、登場人物の姿、形、声、姿勢、歩き方などをイメージしながら読み進める。すごい能力だと思う。頭の中の世界には限界がなく、どこまでも想像力の世界は広がっていく。

もちろん、人間であるウチの中にも想像力はある。でも、実は「想像する」という行為にたどり着く前に出来上がってるような、もっとぼんやりとした、

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誰かと思考する、ということ。

誰かと思考する、ということ。

っていう、メモをスマホに残していた。正直な言葉だなと思った。とっさにメモ書きに殴りつけるようにして入力したんだろうね。



この日、ウチは飲み会に参加していた。以前から飲みの約束をしていたらしい同僚チームと、たまたま帰宅タイミングが重なったことで、「軽くいく?」とノリで誘われたのだ。

一人で過ごすことの多いウチは、飲み会に参加することなんて滅多にない。でも、ここのところ、一人で思考することの

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自分を見ているのは、いつも他人だった。

自分を見ているのは、いつも他人だった。

ファッションは他人が見るものだ。

だから、自分のファッションセンスを信じない方がいい。鏡を見て、自分を確認する時間は、1日のうちでほんのわずか。どれだけ自分ではお気に入りの服を着ていたとしても、そのほとんどの時間は他人が見ている。いや、見せられているのだ。

独特のファッションセンスを見せられる相手の気持ちを想像してみてほしい。とりあえず「オシャレだね」と言うしかないが、心の中では「こんな奴に隣

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今日も小さな成功体験を積む。

今日も小さな成功体験を積む。

豆腐メンタルのウチは、成功体験を積み重ねることを自分のルールに課している。ミスを恐れ、失敗に悩み、不安に苛む日々からの脱却ばかり考えた結果、辿り着いた自分なりの戦闘スタイルだ。

だから、ウチは小さなことでも「成功したぜ!」と言い聞かせることにしている。たとえば休みの日なのに、早起きをすると決める。そうして、本当に起きる。

「起きれた! ウチって、意思が強いんだ!」

些細なことかもしれないけど

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時計が喋った!

時計が喋った!

ウチの部屋にある壁掛け時計は、たまに喋る。一時間ごとに「ケロケロ」とカエルみたいな声をあげるのだ。時計の中心には、小さなカエルの絵が刻まれており、喋る時には目を光らせる。

いつからこの時計がウチの部屋にあるのかは覚えていない。自分の部屋を与えられたのは小学校高学年の頃だったけど、たしか、その頃からカエルは部屋にいた。それから一人暮らしを始めても、カエル時計は一緒にいる。ずっと一緒だ。

カエルは

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教養が欲しい。

教養が欲しい。

今だに、アニメを教養のないエンタメだと思ってる人がいる。ワザワザ口にはしない。でも、心の奥底では嘲笑しているのが見え隠れする。この前も、60代のオジサマと話していて感じてしまった。

「週末はどこか行った?」

「映画を観てきましたよ」

「お、いいねえ。もしかして、タランティーノ?」

「タラ? いや、アニメ映画です」

「ああ、俺、見ないから全然わかんないや」

「面白かったですよ!」

「そ

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与えられた役を、どう演じるか。

与えられた役を、どう演じるか。

人間の価値は、みな同じだ。でも、だからといって、役割が同じワケではないんだと思う。どうやって考えてみても、人には、人それぞれの役割があるんだと思ってしまう。それを個性と呼ぶのかもしれないが、そんな役割は確実に存在する。

食事会になれば、ウチは必ず「聞き役」になるし、どう頑張っても剛腕を振るって人を束ねるような「リーダー役」にはなれない。でも、別にここに優劣があるワケではない。これは、人それぞれに

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なんでもやるマン!

なんでもやるマン!

子どもは、なんでもやってしまう生き物だ。口の中にオモチャを入れてみたり、危なそうな虫を触ってみたり、砂場にダイブをしてみたり、電車の中で寝転んでみたり。予想だにしない行動をすることが多い。その瞬間を生きているといういうべきか。とにかく、なんでもやってしまう。そして、痛い目を見て、学んでいく。

それが大人になると、まるで未来予知でもできるかのような行動を取るようになる。この道を進んだら、迷子になる

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中年とSNS

中年とSNS

最近の仮説。

SNSは、若者より中年の方が見てるんじゃないだろうか説。

先日、お酒を飲みながら、そんな話になった。

「私、フォローしたけど、あっちからはウントモスントモだったんだけど」

「え、俺、フォローバックあったけど」

「なにそれ、私だけ差別されてない?」

こんな言葉のオンパレードだった。この言葉を漏らしていたのは、みな、40代~50代の中年だ。正直、ビックリした。文章で書いたら、

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ひとりでは多すぎる。

ひとりでは多すぎる。

「ひとりでは多すぎる」

という言葉がある。大好きな言葉だ。一見、意味が分からない言葉だが、ウチは初めてこの言葉と出会ったときから、妙にシックリくる感覚があった。

普通に考えたら「ひとり」と「多い」は結びつかない。ひとりなんだから、多くないだろう、となる。では、なぜ多すぎるのかというと、実は、この言葉の後に続く文があり、そこに理由が隠されている。

「ひとりでは多すぎる。ひとりでは、すべてを奪っ

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アドバイスしたいだなんて、100万年早い。

アドバイスしたいだなんて、100万年早い。

ついつい、アドバイスしたくなることがある。それは相手が先輩だろうが後輩だろうが関係ない。人助けをするような、相手のためを思った、そんな善意のアドバイスだ。

今のやり方では難しいかもしれないですよ。

もっとラクにできる方法がありますよ。

たとえば、こんな方法がありますよ。

相手を否定つもりは一切ない。むしろ、愛情を持っている。ハタから見ているからこそ気付けることがあり、もしかしたら一言のアド

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思考停止という、武器。

思考停止という、武器。

 思考停止はダメだ。という言葉をよく見聞きする。その真意は分からないけど、たぶん「なんでも鵜呑みにするんじゃなくて、ちゃんと自分の頭でも考えようね」ということだと思ってる。

 ウチは基本的に思考停止人間だから、胸がチクリと痛む言葉なんだけど、だからこそ、思考を停止させないように意識している。文章を書くことだって、思考することの一部なんじゃないかしら。

 でも時には、あえて思考停止させてあげた方

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