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思考停止という、武器。


 思考停止はダメだ。という言葉をよく見聞きする。その真意は分からないけど、たぶん「なんでも鵜呑みにするんじゃなくて、ちゃんと自分の頭でも考えようね」ということだと思ってる。


 ウチは基本的に思考停止人間だから、胸がチクリと痛む言葉なんだけど、だからこそ、思考を停止させないように意識している。文章を書くことだって、思考することの一部なんじゃないかしら。


 でも時には、あえて思考停止させてあげた方がいいこともあるんだと思う。


 たとえば、自分と合わない人と出会ったとき。


 心の中に住む天使は「どんな人とも、しっかりコミュニケーションを取れば、絶対に理解し合えるはずだよ」と囁くんだけど、残念ながら現実は違う。


 瞬間的に気が合う人もいれば、そうではない人もいるのだ。好きなものもあれば、嫌いなものもある。それは別に悪いことでもなんでもない。当たり前であり、普通なこと。これは感覚的なものであり、動物的なものとも言えるのかもしれない。


 体が反応するのだ。

 「こいつは危ない!」と。

 だから、合う合わないは、あって当然のものだと思ってる。


 ウチは「合わない人」と出会ったときに、思考を停止させる。ヤバい奴。というレッテルを相手に貼って、それ以上、その人のことを考えないようにするのだ。


 ヘタに相手を理解しようと考えてしまうと、イライラしたり、心が苦しくなってしまう。これが遠くから観察する分には楽しいのかもしれないけれど、同じプロジェクトに参加していたり、近い関係性にいたら、そうはいかない。思考停止の呪文を使って、乗り切るしかないと思ってる。


 どうしたって逃げることのできない現実が立ちはだかるときがある。そんな時は、「思考停止」させればいい。考えることをやめるのだ。受け入れるとも、否定するとも違う。


 書きながら気付いたけど、よく「緊張した時は目の前にいる人をジャガイモだと思えばいい」と言ったりするけど、まさにアレのことだ。


 考えてしまうから、心が乱れるんだよ。

 じゃあ、考えなければいい。

 相手はジャガイモ。


「あ、ジャガイモが喋ってる」


 くらいの気持ちで接すれば、なんとか乗り切れるんじゃないかしら。


 よし、ウチも今度から「ヤバい奴」ではなくて、「ジャガイモ」にしよう!


 思考停止させてしまうことに、コンプレックスを抱いていた。

 でも、時と場合によっては、強力な武器になる。

 うまく使っていかなきゃね。


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