元刑事ライターきみぽん

元知能犯刑事のwebライターです。世の中にあふれている警察モノのコラムや批評の誤解を覆…

元刑事ライターきみぽん

元知能犯刑事のwebライターです。世の中にあふれている警察モノのコラムや批評の誤解を覆します!家出人や行方不明者の捜索をガイドする「人探しの窓口」も監修中です。(https://hitosagashi-pro.com/

マガジン

  • 200サロン島便り

    • 96本

    #200サロン に集う、個性豊かな面々のnoteを集めました。海の向こうにはこんな島があったんですね。

記事一覧

固定された記事

詐欺に遭ったのに警察に届け出を受けてもらえない方のために元刑事がアドバイスします

詐欺って、卑怯ですよね。 刑法や特別法で定められた数ある犯罪の中でも特に卑怯な犯罪です。 だって、信じていた人を騙すのですから。 それなのに、困った末に最後の助…

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「車上ねらい」と「車上荒らし」どちらが正解なのか?

駐車中の車から金品を盗む行為を「車上ねらい(狙い)」や「車上荒らし(あらし)」と呼びます。 では、この「車上ねらい」と「車上荒らし」のどちらが正解なのか… どっ…

元刑事ライターきみぽんの執筆実績

2020年で専業ライターとしての活動も5年が過ぎてついに6年目。 これまで、たくさんのクライアントさまから執筆のご依頼をいただき、稚拙ながらもウェブの世界に多くのわが…

祖母との思い出は「大和の秘密」だった

引用 大和ミュージアムPR映像 戦後75年となる2020年、今年も暑い8月6日を迎えた。 なぜか幼少時から「8月6日はよく晴れる」という記憶がある。 今年も早朝から強い日差し…

ONとOFFではない、常に『スタンバイ』だ

誰しも『恩師』と呼べる存在がいるだろう。 私の場合、それは警察学校のある教官だ。 残念ながら、その方はすでにこの世にはいない。 私たちへの教鞭を最後にガン治療の…

「警察の持ち時間は48時間」と書いている法律系ライターさんたちにお伝えしたい、逮捕後の実務

最近は「弁護士サイトに間違いがある」とか「ウソ書いちゃダメよ」みたいな批判的な言い回しが多かったように感じる私。 実は、少し反省しています。 だって、自分も専門…

京アニ放火事件、犯人はどうなる?元刑事がわかりやすく解説

※アイキャッチはクリエイター「しばいぬだいすき」さんの画像です 2019年7月18日は、アニメを愛する方々にとって忘れられない日になってしまいました。 京都アニメーシ…

ドラマじゃない!本当に死ぬかと思った刑事のお話【丸腰VS日本刀編】

※アイキャッチはクリエイターoldtakasuさんの画像です これまでに何本かnoteに記事を書いてきて、真面目な内容であったり、ちょっとみなさんに考えてもらいたい内容だっ…

吉本芸人たちは本当に「振り込め詐欺グループだ」と知らなかったのか?

吉本興業の複数の芸人が、振り込め詐欺グループが主催するパーティーに出演して報酬を得ていたという『闇営業』問題は、ついに大物芸人の謹慎処分へと発展しました。 日…

【短めnote】弁護士サイトでみつけたウソ

振り込め詐欺事件で犯人の自宅からパソコンを押収したときのお話。 パソコンの内容を解析するお役目を任されて、それはもう隅から隅までデータを覗き見しました。 あまり…

【短めnote】詐欺師はスーツを着る

私が駆け出し刑事のころ、直属の上司からいわれた格言(?)があります。 「詐欺師はスーツを着る」 たとえば、泥棒は身軽で動きやすい服装をしています。 暴行犯は一見…

【保存版】チケット詐欺を自分で追い詰めるテクニック

以前のnoteでも書かせていただきましたが、まぁホントにチケット詐欺の件数が多いこと! いまこの記事を書いているのが6月ですが、4月から毎日最低でも3件、多い日では10…

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虐待死させた子どもの『最期のことば』に母親が号泣した

最近、Twitterでアップされ、対象者が割り出されて警察に逮捕された『虐待動画』。 私のアカウントでも、フォロー・フォロワーの方々がたくさんシェアしていたので、タイ…

名誉棄損について元刑事の視点で考える

今年に入って、ライター業で勝手に師と仰いでいる『名もなきライター』さんが運営する200サロンのメンバーの方から「名誉棄損の被害に遭っている」というご相談をいただ…

チケット詐欺からお金を取り戻す!犯人の傾向と成功例

私が運用しているtwitterアカウント(@25kimi1)では、詐欺被害の相談を受け付けています。 運用開始から2ヶ月が経ち、すでにたくさんの被害者の方々から「騙された!」…

ドラマじゃない!本当に死ぬかと思った刑事の話【ある殺人現場にて】

刑事ドラマといえば殺人! 人が殺されるくらいの大事件じゃないとドラマとしては面白くありません! とはいえ、警察官になったからといってそうは殺人事件にであうもので…

詐欺に遭ったのに警察に届け出を受けてもらえない方のために元刑事がアドバイスします



詐欺って、卑怯ですよね。
刑法や特別法で定められた数ある犯罪の中でも特に卑怯な犯罪です。
だって、信じていた人を騙すのですから。
それなのに、困った末に最後の助けだと勇気を振り絞って警察署に駆け込んでも
「事件にするのは難しいですね」
とか
「詐欺としての証拠が足りませんね」
なんて言われて門前払い…
これじゃあ「あとは誰が助けてくれるって言うんだ!」と嘆きたくなりますよね。

この記事では、

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「車上ねらい」と「車上荒らし」どちらが正解なのか?

「車上ねらい」と「車上荒らし」どちらが正解なのか?

駐車中の車から金品を盗む行為を「車上ねらい(狙い)」や「車上荒らし(あらし)」と呼びます。

では、この「車上ねらい」と「車上荒らし」のどちらが正解なのか…

どっちでもいい、と感じる方が多いかもしれませんが、広報紙などを作成する方にとってはちょっと詰めて正解を探したいところでしょう。

ところが、グーグルで「車上ねらい 車上荒らし 違い」と検索してもどうやら正解を示してくれているサイトは存在しな

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元刑事ライターきみぽんの執筆実績

元刑事ライターきみぽんの執筆実績

2020年で専業ライターとしての活動も5年が過ぎてついに6年目。

これまで、たくさんのクライアントさまから執筆のご依頼をいただき、稚拙ながらもウェブの世界に多くのわが子を送り出してきました。

せっかくなので、お許しをいただいている範囲で実績を紹介させていただきます。

※随時更新の予定です。最終更新:2020年9月3日
タイトル画像:フォトAC

弁護士事務所さまのコンテンツ

画像:フォトA

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祖母との思い出は「大和の秘密」だった

祖母との思い出は「大和の秘密」だった

引用 大和ミュージアムPR映像

戦後75年となる2020年、今年も暑い8月6日を迎えた。
なぜか幼少時から「8月6日はよく晴れる」という記憶がある。
今年も早朝から強い日差しとセミの鳴き声に、8月6日らしさを感じた。

祖父が憲兵時代に被爆直後の広島の街に出動して被爆したため、父は被爆2世に、私は被爆3世にあたる。
広島生まれの広島育ちだった私は、18歳から九州に移って今に至る。

そんな私には

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ONとOFFではない、常に『スタンバイ』だ

ONとOFFではない、常に『スタンバイ』だ

誰しも『恩師』と呼べる存在がいるだろう。

私の場合、それは警察学校のある教官だ。

残念ながら、その方はすでにこの世にはいない。

私たちへの教鞭を最後にガン治療のため療養に入り、そのままこの世を去ったからだ。

そんな恩師から教わった言葉がある。

「お前たちに必要なのは、ONとOFFの切り替えではない。常に『スタンバイ』を保つことだ」

警察官の生活にOFFは存在しない毎日の仕事が終わり、

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「警察の持ち時間は48時間」と書いている法律系ライターさんたちにお伝えしたい、逮捕後の実務

「警察の持ち時間は48時間」と書いている法律系ライターさんたちにお伝えしたい、逮捕後の実務

最近は「弁護士サイトに間違いがある」とか「ウソ書いちゃダメよ」みたいな批判的な言い回しが多かったように感じる私。

実は、少し反省しています。

だって、自分も専門外のことを書いてウソついちゃってる場面が「絶対にない!」とは断言できませんからね。

そこで、今回はすべての法律系ライターさんたちへ、私からの還元という意味で「逮捕後の警察の流れ」を超絶リアルにお届けします。

今回は、ちょっとフランク

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京アニ放火事件、犯人はどうなる?元刑事がわかりやすく解説

京アニ放火事件、犯人はどうなる?元刑事がわかりやすく解説

※アイキャッチはクリエイター「しばいぬだいすき」さんの画像です

2019年7月18日は、アニメを愛する方々にとって忘れられない日になってしまいました。

京都アニメーション、略して「京アニ」の第1スタジオに侵入した男が、建物内にガソリンをまいて火をつけた事件。

私がこの記事を書いている時点で、すでに20名を超える方の死亡が確認されている令和最初にして最大規模の放火事件です。

※ニュース記事は

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ドラマじゃない!本当に死ぬかと思った刑事のお話【丸腰VS日本刀編】

ドラマじゃない!本当に死ぬかと思った刑事のお話【丸腰VS日本刀編】

※アイキャッチはクリエイターoldtakasuさんの画像です

これまでに何本かnoteに記事を書いてきて、真面目な内容であったり、ちょっとみなさんに考えてもらいたい内容だったりといったものが続いた感があります。

私は基本的にちょっとおふざけが過ぎるタイプの人間なので、真面目なことばかりをしゃべっていると肩がこります。

というわけで、noteのダッシュボードを見たところ意外と人気が高かった「本

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吉本芸人たちは本当に「振り込め詐欺グループだ」と知らなかったのか?

吉本芸人たちは本当に「振り込め詐欺グループだ」と知らなかったのか?

吉本興業の複数の芸人が、振り込め詐欺グループが主催するパーティーに出演して報酬を得ていたという『闇営業』問題は、ついに大物芸人の謹慎処分へと発展しました。

日経新聞「「闇営業」に吉本芸人ら参加、詐欺グループから金銭 」https://r.nikkei.com/article/DGXMZO46515350U9A620C1CC1000?s=3

どの芸人も報酬の受け取りを認めつつも「振り込め詐欺

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【短めnote】弁護士サイトでみつけたウソ

【短めnote】弁護士サイトでみつけたウソ

振り込め詐欺事件で犯人の自宅からパソコンを押収したときのお話。

パソコンの内容を解析するお役目を任されて、それはもう隅から隅までデータを覗き見しました。

あまり理解のない先輩方は画像や動画を保存したフォルダを一所懸命みていましたが、私は違います。

インターネットブラウザを開いて、履歴を覗いてました。

「こいつら、普段はなにしてんのよ?」

エロ動画サイト、ゲームの攻略サイト、アマゾンでお買

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【短めnote】詐欺師はスーツを着る

【短めnote】詐欺師はスーツを着る

私が駆け出し刑事のころ、直属の上司からいわれた格言(?)があります。

「詐欺師はスーツを着る」

たとえば、泥棒は身軽で動きやすい服装をしています。

暴行犯は一見してヤクザ風だとか、なんらかの粗暴なイメージがあります。

では詐欺師はどんなイメージなのかというと、こんな感じです。

・身なりが小綺麗である
・パッとみで犯罪者風でもない
・どちらかといえば物腰は柔らかい

だからこそ、詐欺師はま

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【保存版】チケット詐欺を自分で追い詰めるテクニック

【保存版】チケット詐欺を自分で追い詰めるテクニック

以前のnoteでも書かせていただきましたが、まぁホントにチケット詐欺の件数が多いこと!

いまこの記事を書いているのが6月ですが、4月から毎日最低でも3件、多い日では10件近くの「助けて」メッセージを受け付けています。

そろそろ個別のサポートも苦しくなってくるレベルなので「このnoteを読んで!」とオススメできるように整備しようかと考えた次第です。

究極的には
「詐欺被害に間違いないから、警察

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虐待死させた子どもの『最期のことば』に母親が号泣した

虐待死させた子どもの『最期のことば』に母親が号泣した

最近、Twitterでアップされ、対象者が割り出されて警察に逮捕された『虐待動画』。

私のアカウントでも、フォロー・フォロワーの方々がたくさんシェアしていたので、タイムラインの海に何度も出現していました。

私は、今回の虐待動画をみるたびに、おそらくみなさんが経験したことがないであろう「あの日」のことを思い出していました。

今回の話は、もしかすると守秘義務に反するのかもしれません。

なぜかと

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名誉棄損について元刑事の視点で考える

名誉棄損について元刑事の視点で考える

今年に入って、ライター業で勝手に師と仰いでいる『名もなきライター』さんが運営する200サロンのメンバーの方から「名誉棄損の被害に遭っている」というご相談をいただきました。

事案の内容を詳しく説明してしまうと、名誉棄損の被害が広がってしまうおそれがあるので割愛させていただきますが、私が見た限り間違いなく犯罪を構成するレベル。

こいつは対策を講じる必要がある!と微力ながらお手伝いをさせていただいた

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チケット詐欺からお金を取り戻す!犯人の傾向と成功例

チケット詐欺からお金を取り戻す!犯人の傾向と成功例



私が運用しているtwitterアカウント(@25kimi1)では、詐欺被害の相談を受け付けています。

運用開始から2ヶ月が経ち、すでにたくさんの被害者の方々から「騙された!」というご相談をいただきました。

いくつかの相談を受けながら、12月、1月ともっともたくさんいただいた相談は

チケット代金を振り込んだのにチケットがもらえなかった!

というケースです。

いわゆる『チケット詐欺』と呼

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ドラマじゃない!本当に死ぬかと思った刑事の話【ある殺人現場にて】

ドラマじゃない!本当に死ぬかと思った刑事の話【ある殺人現場にて】

刑事ドラマといえば殺人!
人が殺されるくらいの大事件じゃないとドラマとしては面白くありません!

とはいえ、警察官になったからといってそうは殺人事件にであうものではありません。

『名探偵コ◯ン』のように、週に一度は管内で殺人事件が起きていたら、それはもう日本の法制度では処理できない事態です。
警察官の人数を10倍に増やしたって処理できるかどうか…

そんなわけで、今回はある殺人現場の「死ぬかと思

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