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「貧乏ゆすりと言わないで」28.昨日と変わらない今日であれば幸せ
病気になったからと言って、
後ろを振り向くことができないので、
喜美は自分にできることはないかと日々考えている。
とにかく前だけを見ている。
かっちゃんから
「そんなにガツガツしなくてもいいんじゃない?」 と良く言われる。
でも、人は自分の最期はわからないし予想出来ない。
だから今やりたいことをできる限りやって
「貧乏ゆすりと言わないで」18.両側視床下核刺激術(DBS手術)当日①
手術の朝は早く目覚めてしまい
七時には手術着に着替えて準備万端だった
医師や看護師が次々やってくるが
誰が誰だか全くわからない
かろうじてわかるのは主治医の神経内科医と
脳神経外科医だけだった
例のハイトーンの声で入ってきた
神経内科の主治医が
「おはようございます!
どうですか?よく眠れましたか?
頑張りましょうね!またあとでね。」
「貧乏ゆすりと言わないで」17.両側視床下核刺激術 入院日
コロナが蔓延していた時期と重なっていたが
心配していたPCR検査は全く問題なく
ついに入院の日が来た
喜美はひとりでスーツケースをもって
病院到着後受付を済ませた
いつもと同じ風景なのに、
どこか違って見える
病室のあるフロアにあがり
ナースステーションに寄って入室した
個室を希望していたが四人部屋だった
先に入院していた二人のうち
喜美の隣の人は一昨日くらいに手術だった様子で
もうひとり
「貧乏ゆすりと言わないで」 16.主治医から家族への説明
あなたの余命はあと一年です。
と宣告されたらあなたはどうしますか。
パーキンソン病は難病で、
根治できないけれど
薬や手術で寿命を全うできるようになった。
喜美は、パーキンソン病と確定された日に
トイレに一人で行けなくなったら
「安楽死」をと考えていた。
家族に迷惑をかけたくない、
その一心と、小さなプライドからだった。
ちょうどそのころ、
スイスに安楽死の制度があって、
それを選択する日
「貧乏ゆすりと言わないで」14.検査結果
全ての検査が終わり、
結果を聴きに行く日になっても
手術を受けるかどうか、
喜美の気持ちはまだ固まっていなかった。
診察室で主治医に
この検査結果はいつまで有効なのか、
いつまでに返事をすれば良いのか、
入院期間はどれくらいなのか、
と矢継ぎ早に質問を浴びせたが、
悩んでいるその間に症状が進むかもしれない
でも
1ミリの可能性に賭けたいけれど
手術はやっぱり怖い
そして
気持ちがグラグラと揺らい
「貧乏ゆすりと言わないで」13.転院とDBS手術前検査
紹介された病院は
自宅からちょっと離れていて小一時間かかる。
いままで通っていた病院が
車で十五分ほどの距離だったので
一日仕事になりそうだ。
それでも、ちょっと遠くに出かけるのは
気分転換になるし、
良いこともあるかな~とウキウキしていた。
そして、新しい病院の脳神経内科で初受診の日、
担当医師からこの病院で受診をしても
他の病院でDBS手術を受けても良いとの
説明があった。
さらに喜美が