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「貧乏ゆすりと言わないで」13.転院とDBS手術前検査

紹介された病院は
自宅からちょっと離れていて小一時間かかる。

いままで通っていた病院が
車で十五分ほどの距離だったので
一日仕事になりそうだ。
それでも、ちょっと遠くに出かけるのは
気分転換になるし、
良いこともあるかな~とウキウキしていた。

そして、新しい病院の脳神経内科で初受診の日、
担当医師からこの病院で受診をしても
他の病院でDBS手術を受けても良いとの
説明があった。

さらに喜美が持参した日々の記録を
しっかり見てくれたうえに
「これ、僕がもらって良いですか?」
と言ってくれたことで
好感度は爆上がりになり
嬉しくなった喜美は
我ながら本当に単純だなとニヤニヤしていた。           

「手術を受ける、受けないは別として、
とりあえず喜美さんの体が 
手術を受けることに適しているかどうか
検査しましょうか?
もちろん検査をしても、
必ず手術ができるとは限らないし、
検査をしてOKな身体だったからと言って
手術をしなさいと言うことではありません。
決めるのは喜美さんですよ。」
と言う話があり、
その時は軽い気持ちで
「はい。お願いします。」         
と返事をした。

DBS手術は希望する人の
二十人に一人の割合でしか受けられない狭き門だ。
そのための検査が多岐に渡り
通常は入院して検査を受けるそうだが
コロナが蔓延している時だったので
検査のための入院はかえって危険と判断し
喜美は通院で検査を受けることにした。

検査は
・血圧、血液、尿検査の基本セット
・胸部レントゲン
・心電図
・ヨード造影剤使用 部影CT
・アイソトープ検査 脳血流テクネ
・麻酔の説明
・薬剤師による面談
・脳MR検査
・心理検査 認知機能検査
・心臓エコー検査
とこちらを3日間程度に
分けて行われた。

中でも認知機能検査は、
とても単純な内容だったので
もし、すらすら答えられなかったらショックを受けるだろうな、
と思い
さらに年齢を重ねて認知症になったとして
結果
「こんなことも分からなくなるのか・・・」
とまざまざ見せつけられたとしたら
プライドがズタズタになってしまうかも
とも思った。

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