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「貧乏ゆすりと言わないで」22.IPG埋込術翌日

翌朝。
回診に来た脳神経内科の主治医が
「どうですか~。傷口は痛くないですか~。
お!きれいに縫えているね!
じゃあ、ちょっと電気を通してみるね~。」
といよいよ通電開始だ。

「??今通電しましたか?
何も変わってないような気がします。」
「これでしばらく様子見てね~。
薬はいつも通りで大丈夫だから。お大事に~。」
とあっさり、さっぱりと部屋を出ていった。

パーキンソン病の治療は対処療法なので、
自分が一番困っていることを伝えて
それを少しでも緩和するようにしていくしかない。

だから傷が痛いこと
右側の振るえが変わらずひどいこと
そのことで起き上がれないことを
毎日、毎日訴え続けた。

神経内科の主治医は
「あなたの五年後十年後を考えて、
焦らず気長にやっていきましょう。」
と言うばかりだ。
喜美の期待が大きすぎたのか。
悶々とする日が一週間続いた。

入院中に、刺激発生装置の充電の仕方を教えてもらった
注意点は週二回充電すること。
充電を忘れても暫くは大丈だけれど
その期間が長くなればなるほど
充電時間は何時間にもなるから気を付けること

飛行機のセキュリティチェック時は別ルートになるので
DBS手術をしている旨を証明する手帳を持ち歩くこと
何かあったらメーカーのフリーダイヤルに電話すること

喜美は手帳に充電する日を記載して
充電終わったらチェックするようにした

退院が一週間後に決まり、
病室で過ごす時間がゆるゆると過ぎていった

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